「日本の、これから」を見て・つづき

先週の11,12日と一泊で学生時代の仲間5人との恒例になっている夏の合宿?に行ってきました。
大文字の送り火の舟形を灯す山が正面近くに見える鴨川沿いのマンションの5階、今回はお一人欠席でしたが、
会えば、40年以上も昔の学生時代に戻れるのが不思議で楽しい。60過ぎてまだ現役で仕事をしているのが
二人もいます。60代も頑張っていますね。気持は20代の頃と変わらないのかも?


ところで、先日のNHKの討論番組が後をひいています。それだけ考えさせられる内容だったってことですね。


先々週の「たかじんのそこまで言って委員会」でいつもなら、もえちゃんが座るアイドル席に座った女性が
終戦記念日が近づくと、いつまでもセンチなこと言ってる番組ばっかりでうんざり、いいかげんにしてよ」と
いう言い方をしていました。しかし、私のまわりや身内では、戦争の話は長くタブーだった様な気がします。


ウンザリするほど戦争体験者が戦争の話をしてきたか?は大いに疑問ですし、現実には子供世代は遠慮があって
親や親戚の戦争体験者に表立って戦争の話を聞きだせなかった。銃後の苦労話はできても、本当に戦場で体験した話は
封印してきた人たちが多いのでは? 私自身は8月はなるべく戦争の話を聞き、できれば文字通り感情的で、
心情的なレベルまで共感できるようになりたいと思っています。



さて、さて、「日本の、これから」ですが、夏本番、家にいて、ネットを徘徊して、番組の感想を読み歩いてみました。
今回の討論番組はブログを開設している人たちに向けてNHKがアンケートを送り、その回答を寄せた人たちの意見を
読んで出演依頼があったようです。ファクス、インターネット、と通信技術の発達に取り残された人たちの意見が
表に出てこない時代になっていますね。ネット上の多数派が現実とは一致せず、勘違いを起こす政治家が出てくる訳です。


右、左、という言葉は安易に使いたくはないのですが、核武装派を右、核廃絶派を左として、ネット上、左右のどちらも、
司会者の三宅アナが不公平なし切り方をした、また、喚き立てる発言者を制止しなかったいう感情論が出ています。
スポーツの点数で上下両極を切って残りの平均を点数にするという採点法がありましたが、アレですね。
どちらも、視聴者が、感情的になっては困ります。


核抑止論のところで、パキスタンとインドからの出席者がともに「核をもつようになって平和になった」と発言。
これは実際的に核がバランスを保って抑止力となっている現実です。だからといって、日本に適用できるかが問題。


イラク戦争フセインが核を持っていればアメリカは戦争を仕掛けたか?」と左に返答を迫った右の人は、明らかに
北朝鮮と同じ発想ですね。だから北は核開発を急いで体制を護持しようとしているわけです。答えは当然、「持っていれば
アメリカは戦争を仕掛けなかった」となるでしょう。現に、今、北朝鮮には対話路線をとっています。だからと言って、
日本が核を持つという話にはならないでしょう。アメリカという国はそういう国だということです。


ネット上の作法が良く分らないので失礼があったらどうぞご指摘ください。「シトロエンは最高の乗り心地」という
ブログの方が書いておられた感想が私は一番良かったと思いました。あの長い討論の中で最も具体的で冷静なお話だったと
私も納得した箇所でしたが、改めて「シトロエン」さんが書かれた文章を読んで、その通りと思いましたので引用して、
皆さんにも紹介したいと思います。
それは、コメンテーター席の黒澤満大阪女学院大学教授の発言とそれによる右発言の変化についてです。

黒澤氏は日本の核武装について「日本が核保有国となるということは、国際的にさまざまな変化が起きることを想定しなければならない」と事例をいくつか挙げたのです。まず日本の核武装にもっとも反対しているのはアメリカであることから、今の日米関係を敵対的に解消することになること。NPTが加盟国の新たな核武装を認めるはずがなく、離脱すれば国際的な制裁を受けざるを得ない。まず原発燃料の輸入ができなくなり、国内のエネルギーが止まる。自動車の輸出も食料の輸入も制限される。対日感情のある韓国も核武装ということになるだろう。結果として北東アジアの緊張は今より高まる。
ようするに、核を持つということは、このような様々な変化を伴うことを考えないといけない、と述べたわけです。
   <中略>
短い時間の視聴でしたが、この番組で得た収穫は大きかったと思います。核廃絶に反対している人たちは「抑止力」を唯一の根拠にしていることがわかりました。また、日本の核保有で得られる「抑止力」より、国際関係やエネルギーや食料などの貿易で失うもののリスクがはるかに大きいことは、今後の議論で重要な論点だということです。

長い討論番組を聞いて、後味悪くわだかまっていた胸のつかえが、これを読んでスッとしました。
途中から見たというシトロエンさんの的確な指摘に教えられました。徘徊してみるもんだとも思いましたよ。
ちなみにシトロエンさんによりますと、核武装派は肉食系、核廃絶派は草食系に見えたとか…上手な表現ですね〜
*(写真は観葉植物のアスパラガスの白い花です。これが、うまくゆけば、冬には小さな赤い実になります)