陰陽二人のヒーロー

サッカー、決勝トーナメント、昨夜の韓国対ウルグアイは、ウルグアイが勝利。韓国は消えました。
アジア勢で残るのは日本のみ。明日の相手は南米のパラグアイ。繰り返しにならないように!!
アメリカは今回の大活躍でやっとサッカーが認められたとか、それでもチリには負けてしまいました。
今朝の日経スポーツ面に本田圭祐と中村俊輔の二人の写真が出ていました。
「沈黙は人を語る 16強沸く日本あえて口閉ざす理由 」と題して二人の沈黙の理由についての記事。
「大方の予想を覆し、W杯16強に駒を進めた日本代表。チームの雰囲気が悪いはずがなく、士気の高揚と連帯の美徳を説く声が日々、選手の口から語られるようになった。」から始まる「阿刀田寛」の署名入り記事です。途中から引用してみます。
本田感覚磨く「儀式」国民的ヒーローとなっても本田の態度は変わらない=(写真 今井拓也)
 俊輔復活のすべ模索
                       中村俊は「説明責任」から開放され、ひとりのプレーヤーに立ち返った=共同

チームワーク礼賛の語らいの中で、口数を減らしてゆく選手もいる。本田(CSKAモスクワ)と中村俊(横浜M)である。
本当はおしゃべりのはずの2人が、沈黙を守る理由は何か。
 本田の場合、報道陣と接する日、接しない日を自分で決めているフシがある。試合が近づくに連れて自分の内面に閉じこもり、感覚を研ぎ澄ませてゆくのが本田なりの”儀式”だといい、「だからあまり話しかけないで」。虚勢と紙一重ビッグマウス同様、ぴりぴりとした沈黙もまた、この選手を支える自己暗示の手法なのだろう。成り上がりをもくろむアウトサイダーとみられても、めざましいFKをたたき込んだデンマーク戦から一夜明けて国民的ヒーローに祭り上げられても、本田の態度は変わらない。「上には上がある。喜べない]と語り、おそらく腹の中では「この程度で大騒ぎしなさんな」と思っている。
 変わったのは、中村俊の方である。本田の成功物語に押し出されるようにベンチに置かれ、口をつぐむようになった。
 一度だけ、重い口を開いた。「今は何を言われても仕方ない。ワンプレーで状況をがらりと変えられる。その一瞬のために頑張っている」。W杯のあとも見据えて、失った体のキレを取り戻そうとしているのだと。ベンチでくさくさしているわけではなく、長友(FC東京)は、「思い切りいけって、試合前に言葉をかけてくれる。そういうのがうれしい。」と感謝する。
 これまでの中村俊がチームの現在地と理想像とを語り続けたのは、自分が集団の中心にいたからだった。今、中村俊はその説明責任から解放された。一人のプレーヤーに立ち返り、絶望的な状況のなかで復活のシナリオを描いている。
 不如意をしのびながら、じっと周囲を観察し、自分が生き残るすべを探し続ける。顧みれば、中村俊の個人史はその繰り返しだった。その選手の成り立ちも人となりも、沈黙は雄弁に語っている。(ジョージ=阿刀田寛)

阿刀田記者独特のサッカー観、人間観の現れた記事だと思いますが、中村俊輔さんに出番がまわって来て活躍が見られるか、楽しみです。
同じ阿刀田記者の取材で明日の相手パラグアイについての岡田監督の言葉。「パラグアイとは2年前のキリンカップで対戦、0−0で引き分けた。守備が堅くて全体でプレスをかけてくる。勝負強いチーム。南米といっても色々だが、どちらかというと(岡田ジャパンの戦績が1勝1分けの)チリに似ている」
岡田監督は、「27人の選手とスタッフ一丸となっての16強入り」と強調されていました。
時々映るゴールキーパーの楢崎、川口両選手の存在など、きっとW杯の経験・体験者の存在が役に立っていると思わせてくれます。
日本の特徴・美点のチーム力がどこまで世界に通用するか、という闘いでもあって本当に楽しみです!