黄色いハッピの市長さん

昨日の夕方、Uさんから、「今何してる?」という電話。何してる?という質問は答え方が難しいと思いました。
「ん、ん、ん・・・」と答え方を考えてから、「何してる、といわれると、何もしてない・・・」と。
「何もしてなかったら、BS-TBS、見て!」と、なに、なに、なにやってるの・・・?
で、テレビをつけたら、箕面市長が出演中。「良かったら、見て〜」ということで見ました。Uさん、ありがとう!

7月11日放送の再放送だそうですが、「地方からの提言」と題する若手市長の政策討論のようです。
丁度「無駄排除」の問題で地方ではとっくにやっているのに、なぜ国で出来ないのかと発言中でした。
さいたま市政令指定都市で人口120万人、箕面市大阪府の北、人口13万人のベッドタウン
橋本府知事の大阪都構想について、箕面市長は、「府と市でショッチュウ喧嘩ですよ、私は、府が市を吸収しても、市が府を吸収しようがどっちでも良いと思っているが、全域を都にして中心部を再編して特別区にするのは賛成です。中心でパワーを持った市が広域機能との二重行政ということもあるが無駄が出る。」
埼玉市長は、「基礎自治体が住民のニーズを把握しているので、広域自治体や国はそれを補完すればよい」という発言。
それに対して箕面市長は、基礎自治体という場合の規模に疑問がある、として、「私は市内の全小学校の体育祭に出席でき、小学校の信号機の青の時間も把握している。しかし、大規模になればそういうことは出来ない。役割分担では一致できるが、規模は問題あり。」
番組側から子供手当について意見を。さいたま市長も箕面市長も反対。直接分配なら減税すればよい。直接渡された手当てが実際子育てに使われるかは疑問。それよりは地域単位でまとまった予算を地域裁量で、個人では出来ない子育て施策、例えば保育所の建設、をした方がよい。
おしまいごろ、二人の市長に尊敬する総理大臣を3人選んで書くようにという所で、CMの間、ベランダの洗濯物を取り込みに、降りてきたら、始まっていて、清水市長は、田中角栄浜口雄幸、池田隼人の3人を。選んだ理由に夢と希望を与えたリーダーシップと信念、行動力を挙げていました。
残念〜! 倉田市長が挙げた3人は見逃してしまいました。 最後に菅内閣はどれ位持つか、に清水市長は期待をこめて「任期中」=3年は持ってほしい。倉田市長はこのままなら、今までどおりの「1年」、そうなってほしくないですがと付け加えて。

 ところで、手元に豊能障害者労働センターの「積(つみき)木」という機関紙があります。
私は95年の阪神淡路大震災の年から友達と近くにあるセンターへお手伝いに行ったことがありました。今はボランテイァは長期お休みで、機関紙を読んだり、リサイクルショップへ顔を出す程度で、陰ながら応援しているだけの自称サポーターです。
219号には丁度、このセンターの活動をまとめた記事と、倉田箕面市長が載っていますので、ついでに紹介してみます。
このセンターの特徴は、障害者と健常者の区別なく働く、という点で、それは給与の面でも貫かれています。
1982年、障害者2名と健常者4名で起業。市でも85年に作業所が設立されましたが、障害者が利用者、健常者は指導員という福祉的就労の枠組みを拒み、独自の働き方を追求してきました。私が顔を出した震災の年はこのセンターが被災障害者の救援物資の中継地となり、その後の救援バザーの売り上げ、数百万円を現地に寄付し、これが切っ掛けで、日常的に市民からリサイクル品が提供され、リサイクルショップへと事業展開されました。そして、1994年には「障害者事業所」として箕面市の単費の助成対象となりました。
箕面市では、「障害者と健常者が地域であたりまえに働き、市民との協働から事業展開する新しい働く場を「障害者事業所」として規定し、障害のある人もない人もひとりひとりを大切にする働き方を地域社会に提案していく主体として助成しています。」(「箕面市における「障害者事業所」制度の展開」より)

去る6月26に日、障害者福祉センター「ささゆり園」にて「これからの障害者就労を考える」をテーマに箕面・市民シンポジウムが行われました。
第一部では、まず箕面市長の倉田哲郎さんより「箕面市の『社会的雇用』を国の制度に」という初題がありました。倉田市長は、箕面市ではおなじみになった「柚子ともみじの里・みのお」の黄色いハッピの下になんと豊能障害者労働センターの今年のオリジナル商品「ビールTシャツ」を着て登場。「一枚二千円です」と宣伝までしてくださり、まずは先手を取られました!という感じ。
 倉田市長は、現在、国の「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」の委員として、すでに箕面市で実施している「社会的雇用」を市単独のものでなく国の制度として創設することを提言されています。「福祉」と「労働」の谷間で、15歳から64歳までの障害者のうち、57万人が就労を希望しているにもかかわらず非就労で行き場のない状態であり(非就労者全体は117万人と推計)、その就労ニーズに応える制度の一つとして市の実践をモデル事業として位置づけていくというアプローチです。 (「積み木」の「ちかごろ/あれこれ」コラムから)


ここで留意すべきはことは、「障害者事業所」を前提とした箕面市の「社会的雇用」は、「賃金補填一般」や「保護雇用一般」とは異なるということです。障害者自身や市民の主体性を基礎とした参加型社会的企業のあり方を前提としながら、働きにくさを抱える障害者の働く場を社会的に生み出し、その権利を保障していくものです。それは、誰もが働きやすい働き方を地域社会全体の課題として提案し、支援していく取り組みなのです。 (「積み木」の「箕面市における「障害者事業所」制度の展開」より)

倉田市長さんは、当選当時の2008年では全国最年少市長でした。なかなか話題作りが上手で地方ニュースには箕面が出ずっぱりのような時もあるくらいです。でも、「積み木」の記事では、地味な福祉行政でも頑張っておられるようで安心?しています。