京都で上村松園展

11月の最後の日、やっと約束の京都国立近代美術館上村松園展へ二人で。車でなく電車でということは?


ポスターの右「序の舞」は前期のみの展示で今日見たのは左の「焔」の方です。本当は「序の舞」を見たかったのですが・・・
でも噂に違(たが)わぬ妖艶で暗い嫉妬の焔が燃え盛っていました。「光源氏の元恋人の六条御息所(みやすどころ)は源氏の正妻・葵上に嫉妬し生霊(いきりょう)となってしまう」とチラシの作品解説。足元は人間ではなく、すでに闇の世界です。これが大正7年(1918年)、43歳の作品です。
同じく謡曲から「花がたみ」という大作も(写真・右端の円柱の絵)。こちらは恋焦がれて正気を失い舞い狂う姿を描いたもの。私は絵の前で「これはオフィーリア!」と思わず。狂女を描くために精神病院に取材したとか、素描もたくさん展示されていました。
また謡曲の「草紙洗小町」に登場する小野小町を描いたものや、1944年、私が生まれた年に描いたという「静」は静御前を描いたもの。69歳の作品です。
年代順に並べてあって、明治の松園10代の頃の作品は、着物の柄から漆の鏡立ての模様まで克明に描写した技術の確かさ、大正時代のドラマチックな情念を描いたもの、昭和に入ると古典を題材にしたものから日々の暮らしや母と子の像などと変化が良くわかります。そして大胆な後姿に柱が真ん中にある「待月」なんて作品も。だんだん色と面と線がシンプルに優しくなって、画面全体から描かれた女性の生活感や美しさが匂いたつようです。どの女性も八頭身以上でした。

美術館を出たら1時を回っていました。歩いて円山公園へ。途中、青蓮院の紅葉を見て知恩院まえから公園内の長楽館へ。
ここのレストランでランチを。京野菜をイタリアンに調理されていますが、イタリアンというよりはもう京風料理でした。
夫はここでワインを。これがお目当てで今日は電車でした。私もお陰で読みさしの「さらば日米同盟!」を読み上げました。
円山公園から八坂神社境内に入り、お参りを。稲を束ねた亀が柱に。珍しいので写真に。
 亀に被せたセロハンが光ります。 南座、今日は吉例顔見世興行の初日。
招きの看板に今お騒がせの市川海老蔵の名前(上段、左から3つ目)があったのでパチリ。