天木直人著「さらば日米同盟!」

土曜日、両親と一緒に出かけた紅葉狩り、通りがかった道沿いに古いお屋敷をみつけました。
民家の残り柿・「柿花火」 ]  珍しい土塀
沖縄の県知事選挙は前知事の仲井真さんが勝ちました。争点となる普天間飛行場の移設問題で、前知事の仲井真さんが辺野古OKから「県外」に方向転換したことが大きな要因となって対立候補の伊波さんとの争点がぼやけて・・・それに、移設先が「県外」なら、伊波さんの、絶対反対や、その上の安保破棄まで唱える過激さよりは、経済的な支援を得られそうな前知事という選択がなされたのでしょうか、想像のつく結果とも言えます。しかし、仲井真さんの「県外」が本当のところは??という不安や疑問は沖縄の人たちだけが感じているものでもなさそうです。
あるいは、何処かのブログで読んだ通り、アメリカはもう方向転換して辺野古を埋め立てるのは諦めたのか。それに同調?してでしょうか、今朝の新聞に前原外相の発言が載っています。「期限を区切って沖縄の皆さんにお詫びとお願いをするつもりはない」「共同声明を出して首脳同士で確認するのは意味がある」「公共財としての日米同盟の深化は、普天間の問題を横においても、極めて大事だ」。普天間固定化が長期化するか、あるいは辺野古素通りでグァム移転となるのなら伊波さんが言っていた通り、もともとの計画はグァム移転で、沖縄や日本政府とのアレコレはグァム移転費用を日本に負担させるための圧力だったということになります。どちらにしても、日本の(沖縄の)問題はアメリカの思い通りにしかならないということに・・・なぜ? どうして?

選挙後、仲井真知事が第一の仕事として、以前から移設受け入れで手を挙げた関空を視察してみたいと言った時の橋本大阪府知事の発言には驚きました。この方、戦闘的で挑戦的で対立しつつ(喧嘩しながら)事を進めていくという手法がこのところ際立ってきています。今回は、「関空は大阪空港とセットにして民間に売却の話がすすんでいるので視察されても困る…」ここまでは解りますが、その後がイケマセン。「神戸空港はどうしようもない空港(将来性が見えない)、神戸空港を見ていただきたい。僕もついて行きます」は、ないですね〜! 余計なお世話だし、失礼だし、我侭だし・・・。
そして、空港たらい回しの前に、考えて欲しい事がたくさんあります。

さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策

さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策

その日本人として考えなければならない事の一番大きな問題がアメリカとの関係だと思います。
政権交代しても変わらないアメリカとの関係。何が問題で、どうして、いつから、こういうことに?
9条を守りつつ、日本の安全保障を考えれば、アメリカ頼みも仕方がないのか? 
9条を守りつつ自立した安全保障の道があるのか?
日本の安全保障問題について平和的な解決にはこれしかないと思わせてくれる渾身の提案があります。
少しでも関心のある方は是非読んで欲しい本です。読んで考えましょう! 話しましょう!
昨夜、息子が西尾幹二の本(対談相手が天木氏と一字違いの青木直人?!とか)を「読み終わった」と差し出しながら、「初めはいいと思ったけど後は無茶苦茶やな〜」と言うので、「やっぱり〜。天木さんのはいいよ、良く分るし、日本人はみんな読んだらいいと思う。」と、息子にも夫にも薦めています。
合わせてブログ「内田樹の研究室」に入って11月29日付けの「なぜ日本に米軍基地があるのか?」も読んでみて下さい。
内田氏の一寸ひねった「奥歯に…」的な物言いからすると、天木氏の「さらば日米同盟!」は読みやすく解り易いです。
何故という問題点と示される解答が、私の中でも、今まで疑問としてわだかまっていたものが解けていく如くです。
目次を紹介しておきます:

序章 「いまこそ対米従属から自立すべき時」
第1章 「国家主導の『対米従属政策』(「対等な日米同盟」を掲げた鳩山政権の誤算。対米従属は戦後日本の国体だった。天皇制存続が最優先された。日米安保条約の締結を強く望んだ昭和天皇日米安保体制の成立に全責任を負った吉田茂。対米従属政策は自民党の「党是」。普天間基地移設問題をめぐる迷走の原因。など)
第2章 「日米同盟ありきの外交が日本の未来を閉ざす」(日米同盟とは日米軍事同盟である。小泉純一郎によって空洞化された安保論争。米国も中国も等しく油断できない国。提唱すべきは東アジア共同体構想ではなく「東アジア集団安全保障体制」。など)
第3章 「米国は日本を守らない」(米国によって変貌させられた日米安保条約。対等な日米同盟関係を築けなかった岸信介。など)
第4章 「戦争を『つくり出す』」米国」(米国は「日本と価値観をもっとも共有している国」なのか。戦争の連続で成立する米国の歴史。いまこそイラク戦争の検証を。オバマ大統領と「正しい戦争」。「テロとの戦い」の正体。不正義な米国の中東政策。タブーとなった9・11事件の真相究明。など)
第5章 「『パレスチナ問題』の真実」(少女が少女を殺した。パレスチナ問題はこよなく政治的な問題だ。など)
第6章 「日本独自の安全保障政策はあるのか」(矛盾する日本の二大防衛政策。護憲を唱えるだけでは憲法九条は守れない。米国が警戒した樋口レポート。など)
第7章 「自主、自立した安全保障政策を求めて」(アーミテージが明かした米国の本音。憲法九条のもとでの自衛隊を誇りに思う自衛官。など)
終章 「日本が日米同盟から解き放たれる日」