3月11日の大震災の後、テレビで企業の広告が自主規制され、代わりに流れたのがACジャパン(旧公共広告機構)のコマーシャルです。家族会で妹たちの連れ合い同士の会話です。「何回も何回も、イヤになるよ〜。アレが始まると音を消すかNHKに換えちゃう」「そうですか〜。だけど、ご挨拶は大切ですよ〜」。これは、あの「こんにちは、ありがとう」の歌ですね。誰が作った歌で、誰が歌っているのか?
こんにちは(こんにちワン)
ありがとう(ありがとウサギ)
こんばんは(こんばんワニ)
さようなら(さようなライオン)
魔法の言葉で楽しい仲間がポポポポ〜ン
おはよう(おはよウナギ)
いただきます(いただきマウス)
いってきます(いってきまスカンク)
おやすみなさい(おやすみなサイ)
魔法の言葉で楽しい仲間がポポポポ〜ン
2つ目は、宮澤章二という詩人で作詞家の作品。言葉も印象に残りますが、少年が戸惑いながら手を差し伸べるまでの心の動きがなかなか上手く描かれている映像も良いです。この言葉は、宮澤章二(1919〜2005年)の「行為の意味 青春前期のきみたちに」という詩の一節だそうです。この方、「ジングルベル」の歌の訳詞者でも!(参照:http://acore-omiya.net/?eid=105)
「心」は誰にも見えないけれど 「心づかい」は見える
「思い」は見えないけれど 「思いやり」は誰にでも見える
3つ目は金子みすず(1903〜1930年)の詩「こだまでしょうか」。この詩が収録されている「私と小鳥とすずと」を出版しているJULA出版局には全国の書店から1万冊以上の注文が寄せられているそうです。
こだまでしょうか
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
今も、繰り返し放送されるこれらの詩を聞くたび、言葉には力があるとあらためて感じます。