合唱曲「大地讃頌」と「群青」


◎28日(日)は市民合唱祭の日。今年は30回記念とか。
夫が混声合唱団のメンバーなので、合同合唱で歌うハレルヤの練習を、ここ一週間我が家でも特訓状態。耳にハレルヤがこびりつくような状態でした。
夫は、午前中近くのホールまで練習に出かけて、お昼頃、食事に帰って、また出かけました。私も、第一部の合同合唱の「土の歌」が良いというので、それに間に合うように夫が出た後、すぐに出かけることに。朝のコーヒータイムで母には午後から出かけると言ってあったので午後のお茶はナシです。
さて、会場についてプログラムをもらって中に入ると客席は満席状態。演奏が終わって、前の空いてる席に滑り込み。
年々聞きにに来る人たちも増えているようです。丁度第一部の後半、女声合唱団が舞台に。知り合いの顔も見えます。そしていよいよ第一部の「全体合唱」。林誠氏の指揮で『土の歌』より、「大地讃頌(さんしょう)」(作詞:大木惇夫 作曲:佐藤 真)です。

壇上、大勢の人たちと伴奏のピアノが2台。素晴らしい迫力の分厚い声でした。林さんのあいさつの中の言葉、プログラムにも同じことが書かれているので紹介です。「合唱音楽では、言葉が歌われます。人間にのみ与えられたこの素晴らしい道具は、「人」の仕業で、時には歪み、切り刻まれることさえあります。ただ、音楽とともにある言葉のみ、個人的感情で歪められることはありません。」 今、政治の世界では、同じ日本語が真逆の意味で使われたり、正しい読み方で読まれないことがまかり通る時代ですので、この言葉は身に沁みました。「大地讃頌」の歌は歌詞もメロディも繰り返しが多く単調と言えば単調なんですが、合唱の歌声の厚みが迫ってきます。


◎15分の休憩をはさんで後半も17組。
総勢34団体、500人だったそうです。
皆さん衣装もそれぞれ工夫されてステージに立っておられます。中には90代の方たちも元気に歌っておられます。夫の出演した混声合唱団はいつもユニークな選曲ですが、今年はおとなしくロシア民謡の「ともしび」とイタリア民謡の「海に来たれ」でした。男性4名ですので、一人ひとりよく声が届いていました。
最後の市民合唱団の前に歌ったのは、聖母被昇天学院聖歌隊。今年は校名が変更されてアサンプション国際中学校高等学校聖歌隊になっていましたが、ピアノ(指揮も)の金沢智子さんともども素晴らしい演奏でした。アカペラのキリエのミサ曲のあと歌われた「群青」が素晴らしかったので、帰って調べてみました。
プログラムには「作詞:福島県南相馬市立小高中学校 平成24年度卒業生 作曲:小田美樹 編曲:信長貴富」とあります。歌われる歌詞の内容からも、あの東北大震災の津波原発事故後の歌であることが解りました。歌の誕生の経緯を知ると、なるほど、そういう歌だったのか…と納得がゆきました。
◎まず、透き通った声で歌われた歌詞を:

        「群青」
 
ああ あの町で生まれて 君と出会い たくさんの思い抱いて
一緒に時間(とき)を過ごしたね今 旅立つ日 見える景色は違っても遠い場所で 君も同じ空 きっと見上げてるはず

 
「またね」と 手を振るけど 明日も会えるのかな遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない

 
あの日見た夕陽 あの日見た花火 いつでも君がいたねあたりまえが 幸せと知った 自転車をこいで 君と知った海鮮やかな記憶が 目を閉じれば 群青に染まる

 
あれから2年の日が 僕らの中を過ぎて 3月の風に吹かれて 君を今でも思う
 
響け この歌声響け 遠くまでもあの空の彼方へも 大切な すべてに届け涙のあとにも 見上げた夜空に 希望が光ってるよ僕らを待つ 群青の町で

 
きっと また会おうあの町で会おう僕らの約束は 消えはしない 群青の町で
 
また 会おう 群青の町で・・・
 

◎そして「群青」誕生の経緯です:歌詞も含めて引用元は、ネットで見つけた2014年4月のブログ記事からです:福島の中学生の創った歌 「群青」 https://blogs.yahoo.co.jp/miso3moji/47985512.html


「群青(ぐんじょう)」は、福島県小高(おがか)中学校の生徒たちがみんなで作詞をし、同校の小田先生が作曲したものだそうである。


福島第一原子力発電所から半径20km圏内に位置する南相馬市小高(おだか)区は、原発事故のため全住民が今なお避難生活を余儀なくされている所である。
大震災のあった日106名いた当時の中学1年生は、2名が津波の犠牲となり、97名がその後の避難生活で全国に散ってしまい、平成24年4月に市内の別の中学校を間借りして学校を再開した時は7名になってしまったそうである


ある日、誰がどこにいるのかを確かめながら仲間の顔写真を大きな日本地図に貼り付けていると、「遠いね」「でも、この地図の上の空はつながってるね」などのつぶやきが上がり、その日から、「群青」の詩の核となる歌詞作りを始めたとのことである
離ればなれになってしまった仲間を思って、書き留めた言葉の数々を同校の小田美樹教諭が綴って一つの曲にした。
  今年3月に行われた復興支援コンサート「Harmony for JAPAN 2013」で同校合唱部によって演奏され、会場に大きな感動を呼び起こした。
       ( ユーチューブで聴けます。)
その「群青」が、その日コンサートに居合わせて曲に感銘をうけた作曲家・信長貴富氏の編曲を得て今、日本中に、感動と感銘を込めて歌い継がれようとしているのだそうである。
 
私もユーチューブで実際に中学生が力強いハーモニーで歌い上げる姿を見、素晴らしい合唱を聴き、深く心を揺さぶられた一人である。
 
「他の合唱団で紹介したら、歌いながら泣いちゃう人がいてねぇ・・・」との指揮者のお話である。

(Wikipediaによりますと:「群青」という題名は、小高中学校の校歌に「群青」という言葉があることのほか、小高中の野球クラブの「小高群青クラブ」、小高中の文化祭の「群青祭」といった、小高中を象徴する言葉であることから、「群青」と名づけた。)


◎さて、グランドフィナーレの「合同合唱」の「ハレルヤ」は、指揮者が小学校の5年生と6年生の二人。今年が3回目。プログラムには過去2回の指揮者を務めた中学生のメッセージも掲載されていました。
舞台に合唱団の人たちが上がると客席はガラガラになるのが今までだったのに、今年は残っている人が大勢。指揮の林誠さんも、「今年は一番多い!」と。
ヘンデルの圧巻のハレルヤコーラス。指揮者の少女二人の息もピッタリ合って、なかなかの指揮ぶりでした。会場ではヨーガ仲間のお二人に会ったり、コーラスのステージ衣装をつけた知り合いや、めったに会えない人にも出会えました。年に一度の合唱祭、大盛り上がりでした。終わったのが5時15分。夕飯の支度もあるので急いで外へ出ると、日はまだ高く、強い西日を背中に受けて家路へ。
★朝日デジタル<「総理は言えないから私が」と首相補佐官が…前次官証言>2017年5月30日04時25分http://www.asahi.com/articles/ASK5Y6FFKK5YUTIL04R.html?ref=nmail