5月のお茶のお稽古

五月なのに入梅、五月なのに肌寒い、30日の月曜日、月一度のお茶のお稽古日です。
先週の日曜日はお稽古仲間に誘っていただいて、池田市逸翁美術館のお茶室「即心庵」で先生が点てたお茶を頂きましたので、今日は2度目のお茶です。珍しくお二人より早く先生宅に到着、逸翁美術館でのお茶会の話になりました。
やはり、あの独特のお茶席というか、畳の部屋の二方を土間で囲むという小林一三翁の発明?したスタイルの話になりました。
靴を脱がないで腰掛けたままでも畳の上の本格的なお手前とお茶を体験、味わえるというのは素晴らしいアイディアと先生も。
さて、三人揃って、五月も月末のお茶の稽古です。

床の間の掛け軸は「薫風自南来」(薫風南より来たる)で薫風は五月の風、6月になれば涼風。
お花は鮎カゴに柏葉アジサイと都忘れと芒のような葉。
香合は青い空をバックに泳ぐ鯉を表すかのような「鯉のぼり」ではなくて「幟(のぼり)鯉」、山中塗りでした。

5月からは風炉を使ったお茶になりますが、6月までの微妙な季節感が使われる炉にもあらわされます。
正面に切込みが入った道安風炉。暑くなりがけの寒さが残る今日のような日に使う風炉で、残暑が過ぎて火が恋しくなる頃の10月にも使われる炉というより、5月と10月にしか使われない風炉と言えます。
棚は桐の木の木目も涼しい生地のままの桐生地。利休さんが使われたもので夏冬関係なく使われます。風炉は三つ足で、一つ足を正面に2本を後に据えます。それに重ならないように桐生地の棚の3本足は2本を正面に向けます。普通は足1本を正面に向けるのが正式。ただし、喰籠(じきろう)は足2本を正面に。
喰籠に入れて出された主菓子は先生手作りの「落とし文」という名前のお菓子。
餡を緑色の木の葉で包み上に白い露が乗せてあります。矢羽の塗り板の上にはお干菓子が乗っています。
お茶碗は兜の絵柄と薩摩焼きの花菖蒲と青磁の3つのお茶碗がだされました。

2杯づつ頂いた後、片付けられた柄杓は濡れたまま桐生地の丸卓(しゃく)の上に伏せられます。
蓋置きは八橋に菖蒲の絵が描かれたこれも5月ならではです。棗(なつめ)は藤が描かれた輪島塗。
終わった後は、福島から箕面市の親戚を頼って避難されている方を廻って地区福祉会で取り上げられた問題についてNさんからお話を聞きました。知っている方のお話でしたので、福島の被災の深刻さが身につまされます。援助のあり方も正義感を振りかざした押し付けがましいものより、本当に被災された方の立場と心情によりそったものでなければと思いながら聞きました。