4月のお茶のお稽古

昨日の金曜日、午後からお茶の稽古に出かけました。

車庫には車が見えず、私が先着。お庭の花々を見ることに。↑馬酔木と椿。

↑あたりが染まりそうなマンサクと白雪ゲシ。↓シャガと赤いボケ



お部屋に入るや否や、見慣れないものに、「あれはなんですか? せっとう?」 
「雪に洞で”雪洞”(せっとう)」といわれました。

炉の場合は上に”助炭(じょたん)”というものを被せますが、風呂釜の場合は雪洞です。覆い・カバーですね。
助炭はお客様が見える前、覆いをして炭火が勢い良く燃えないようにするのに使います。床の間の脇にその助炭が置いてありましたので写真に。そういえば、炉が切ってあったところには小さな畳が入っていました。炉の季節が終わります。
風炉釜用の雪洞も同じように塵除け、風よけの意味があるそうです。素材は、紙に布地が貼ってあるのかと思いましたが、和紙でできているそうです。上の部分が6つに分かれ、折りたたんで片づけられるそうです。なるほど〜のお道具です。これらは、お客様でお茶席によばれたときには見ることができず、水屋道具と呼ばれます。
この日は、3人とも立礼式でお茶を点てることに。いつも立礼式で点てているNさんが一番手。その前にお軸とお花です。
お軸は裏千家のお家元の花押がある扇子の地紙(じがみ)を扇子の骨から外して掛け軸に表装しなおしたもの。この方が楽しめると思われたそうです。

『柳は緑、花は紅(くれない)』と、右から読むんですよ、と言われましたが、「左読みでも意味が通じますね、紅の花に緑の柳」と私。「ほんまやね、読めないことないけど、やっぱり、違うわ〜」と言われました。詩心がないですね、確かに。
お花は、土佐みずきと一重の椿。冬の椿は蕾でしたが、この日は開いた椿が生けられていました。
使われたお茶碗はどれも春の花が描かれています。「春の野」という名前のお茶碗にはタンポポ、菫、わらび、ぜんまいが描かれています。

主菓子は名古屋のお菓子とか、ハナミズキの形をしたお菓子で、なかに餡が入っていました。
4個とも色が違って、私は黄色、Naさんは緑色でした。

↑枝垂桜が華やかに描かれたお茶碗。織部の桜花には緑が添えられています。
↓お茶碗の中正面に桜の花、外側には波、と言ってもお茶碗の名前は桜川。川浪です。そして水差し。


↓お干菓子は、湿るといけないので封を切ってその場でお盆にあけられました。「松風」という名前がついたおせんべいのような味の薄い板にケシの実が散らしてあり、とてもおいしいお菓子でした。お盆は牡丹彫りと言って牡丹の花が線彫りされています。これも今の時期ですね。


↑さて、この日最後の私が選んだお茶碗は大振りで深くてちょっと見には冬の楽茶碗に見えますが模様が桜ですので、4月のお茶碗。
終わってから気が付いたのですが棗(なつめ)の絵も桜です。私は正面に身と蓋の絵を合わせていたのですが、先生に教えられたのは「下の絵の桜の葉の先端。そこで身と蓋を合わせると、そこが正面」。蓋の縁に描かれた気づかないくらいの小さな葉の先端を下の絵に合わせると、蓋の桜は少し左にずれます。この方がなるほど趣があり、桜の絵が上下正面に重なると少し暑苦しい感じがします。日本の美は、揃えないで、ずらすのか〜!でした。

←それに、替え茶碗に選んだのは遠山という名前のお茶碗です。これも春霞が描かれたものなどもあって春を表します。

蓋置は、雪洞(せっとう)。最初の風炉釜のカバーと同じ名前です。六角形をしていて桜の花びらが抜いてある面と桜の花が描いてある面が交互に並んでいます。同じ字を書いても雪洞(ぼんぼり)は丸くてお雛さんのお飾りに使うものとか。(写真はピント外れですが・・・)
この日、袱紗捌きで素晴らしい音が鳴りました。女らしい?良い音でした。二服目を点てたときは鳴らず、最初のはまぐれね、と先生に皮肉られてしまいました。後はタップリお喋りして5月のお稽古日を決めて終わりました。Nさんと小学生のお母さんたちとの中学受験についてのお話では、日本の貧困化、格差の拡大が迫っているという感じでした。