模擬原子爆弾パンプキンと二重被爆の山口彊さん

  
昨日9日は、6日の広島についで、長崎の原爆記念日でした。毎年新たにされる誓い。今年は福島が加わっています。

一昨日夕方のNHK関西ローカルだったと思いますが、66年前の8日に模擬原子爆弾が投下されたということを取り上げていました。初めて聞く「模擬原子爆弾」という言葉。
  
広島・長崎に投下された原子爆弾にはファットマンやリトル・ボーイという愛称がつけられていたというのは知られていますが、
大阪の模擬原子爆弾にもパンプキンというニックネームがついていたそうです。
爆弾を落とした飛行機が爆発に巻き込まれなようにすぐ機首を反転して逃げる練習のために模擬で投下したらしいです。
この爆弾で7名の死者と大勢の負傷者が出たといいます。この話を聞いて、戦後生まれの令丈ヒロ子さんが童話にしました。
身近にあの戦争があった。広島・長崎が直ぐ身近にあったことをいつまでも語り継いでいって欲しいと語っていました。
大阪だけかと思って聞いていましたら、全国各地に50発もの模擬原子爆弾の投下があったとか。
これからは連絡を取り合って語りついでいくそうです。
  
昨年の8月8日、ハイビジョン特集の番組「二重被曝・広島・長崎を生き抜いた記録」で取り上げた山口彊(つとむ)さんが
昨夜の9時からのNHKで取り上げられていました。(ブログ参照 http://d.hatena.ne.jp/cangael/20100808/1281223104)
山口さんの映画の完成目前に3・11の原発震災を受けて監督が、過去の記録の中に山口さんが原発について発言していないかを調べました。あったのです。山口さんは、造船所で働いていた技術者でした。彼は、「平和的といえども核は核。人間の技術には限界があり、防止できない以上使ってはいけない」と発言していました。このシーンを新たに加えて完成した映画を見て、「広島・長崎の二回の原爆を目撃して、核は絶対ダメだということをその体験から分っていたのではないか」と言う観客も。大越キャスターも、「3月の大震災・原発事故の後、番組にノーベル賞受賞者の野依氏に来て頂いた時、『人間の技術には限界がある』と同じことを仰っていたのを思い出します」と。
アメリカも大変、イギリスも各地の映像を見ると内戦状態、ノルウェーも中国も・・・と世界が崩れていくような気がします。
日本も、原爆と終戦とで毎年特別の八月でしたが、今年は新たに福島が加わり、核の被害者と加害者が共に日本であり、かつ地球規模では放射能汚染の加害国になっています。このお盆を初盆で迎える夥しい人々も。もう繰り返したくない、繰り返さないという気持ちを確かめる夏にしたいと思います。
広島の原爆忌の深夜、日付が変ってからの2時間、「ヒバクシャからの手紙」という番組があり、録画したのを昨日見終えました。どのお手紙も涙なくして聞けない悲惨な体験です。それにはヒバクシャゆえの差別に苦しむ体験も。
進行中のフクシマのヒバクを思わないわけにはゆきません。大文字の送り火が心に引っかかります。