比良山麓にピザ釜を訪ねて

今日は、両親と比良山の麓にピザ釜を構えた小さなレストランを訪ねました。
年の初めのコーヒータイムに、母が、レンガ造りの可愛い釜の写真が入った年賀状を持って来たことがありました。
どうも父の従兄弟の子が定年退職してピザレストランを開業した案内だったようです。イタリア製の石釜だとか。
春になったら夫の車で出かけましょうと約束していたのですが、その後、母が圧迫骨折、治ったころに父の方が誤嚥性の肺炎と心不全で1ヶ月の入院と時期を失っていました。
9月に入って、父も母も元気になって写真や俳句の趣味の生活も元通りになったので、そろそろ行きましょうということで、両親が先週末電話で予約、今日10時過ぎ、出かけました。

大阪を走っていて見える山は生駒山滋賀県に入って比良山には雲が寄っています。右手には琵琶湖も見えてきました。
湖西道路に入って琵琶湖の西岸沿いを走って、途絶えたところで少し山すその木立の中の別荘街を抜けるとそれらしき風情の”庭工房 ギャラリー季気 内「季気HOUSE」”と思われる前庭が。
先に下りてデッキのベンチに父が腰をかけ、私は、どこをみても絵になる小屋や看板や植え込みをカメラで写していましたら、奥から黒いエプロン姿のご亭主が出てきてくださいました。両親とは何十年ぶりかの再会だとかで懐かしいご挨拶。家の横にはモッコウバラのアーチがあって、奥へ入っていくと、建物の奥に、デッキが設(しつら)えてあって白いアーチのテント。その横の囲いの中に写真に写っているレンガのピザ釜がありました。囲いは保健所の指導で作らないといけなかったそうです。
奥のデッキまでたどり着くまでの植栽が素晴らしい!! ビオトープの水だまりには大きな金魚とたくさんのメダカ。カエルが逃げるので見たら大きな蛇が水から出るところでした。案内してくださった奥さまが趣味が高じてガーデニングの学校にまで行って、今は、庭のデザインと施行までされて、滋賀県のあちこちにご自分が手がけたお庭があるそうです。なるほどプロ!なのです。
アーチの下のテーブルと椅子に腰掛けていた3人に、食事は2階に用意してあるので…と言われて、モッコウバラのアーチの横から外付けの階段を上って2階へ。入ったところは奥様のお仕事の事務所。靴を脱いで隣の部屋に入ると冷房が入ってガラス窓からは木々の緑が見えて落ち着いた雰囲気です。
アイアンの縁取りのある窓から煙の出る煙突が見えます。ご主人が私たち4人のために朝から釜に火を入れて、300〜400度の熱さにして、昨夜から準備したというピザを1〜1分半ほど入れて焼いて下さいます。お任せで、4種類4枚のピザを戴きました。
地元のお野菜のサラダ、ドレッシングがいいお味。ピザは、生地の味が何ともいえず味の深い美味しさ。マルガリータが最初。キノコは4種類の香りが上品。生ハムも塩味が生地と混ざって丁度いい感じ。締めは4種類のチーズを乗せたもの。油っぽくないので高齢の両親も美味しいと。残ったのはお持ち帰りで。途中でカボチャの冷製スープ、デザートは奥さま手作りの黒ゴマのアイスクリーム。ゴマが香ばしくて美味しい! コーヒーを頂きながら・・・
父と釜焚きを終えたご主人とは、琵琶湖の東、北陸から京都に向かう途中にあったという大きな御家の話を。中学生の時、ひと夏をその茅葺の家で過ごさせてもらって、ご主人のお姉さんと伊吹山へ初めての登山をしたという話をしています。私が「80年前の話ね」と。それから、ご主人のお父さんや村長をされていたお爺さんの話を。100年以上も前の話です。
3階にも部屋があるのでと案内していただきました。日を受けて気温30数度もあって、それを利用していま「フナ寿司」を作っているとオケをみせてもらいました。奥様は、比良山へ上ったら、温泉に入ってここで泊まってピザを食べていってくださいと言われ、夫は大好きなワインが今日は飲めなかったので、この話には乗り気かも。私はくっ付いて来て、山には行かずお庭を見ているだけでもいいなと思ったり。
2時を過ぎて、外に出て、給仕をしてくださった女性に頼んで、記念写真をとりました。
夫が、アーチのテントの上に見えるのが堂満岳だから写真を撮っておいてくれと。ご主人の話では堂満岳が見える場所を選んでこの場所にしたとのこと。
父の話を整理すると、このご主人と初対面の私は、従兄弟の子同士で、"またいとこ”にあたるようです。
美味しいピザと親戚同士の何十年ぶりかの再会とピザや山や庭や家具のお話で本当に楽しいひと時でした。
奥様のお話では3・11以後、お仕事にも関係があるのか、生活の仕方にも変化が表れて、家族や親しい人たちとの生活を楽しむ方向が目に見えて求められてきたように思うと仰っていました。
子育てを終えて、文字通り、再婚同士の第二の人生、仕事としては大変かも知れませんが、お二人で趣味と実益をかねて、楽しく豊かに美しく過ごしておられる様子が窺えました。
▼庭工房ギャラリー季気http://gallery-kiki.net/index.php?data=./data/cl3/