「橋下主義(ハシズム)を斬る」

原発事故の現場に出かけた写真を載せているブログがあって、お気に入りに入れていました。
今日、そのブログを久しぶりに覘いたら、「さようなら原発」の19日のデモで、ご本人が写したという大江健三郎さんの写真が載っています。今日、アンテナに入れましたので訪ねてみてください。(「shuueiのメモ」http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20110920/1316453957
遡ってみると、19日のタイトルが「新自由主義ファシズム」です。
ハシズム」?って何、と思ってみたら、橋下大阪府知事のことだとわかりました。
ファシズムにひっかけて「ハシズム」とは、言いえて妙!
朝のコーヒータイムで母が、「この頃、橋下さんの遣り方が嫌になってきた。怖いね〜」とよく言います。母は若い首長の出現に喜んでいたのですが、平松市長とのバトルを仕掛けたり、ケンカ腰の橋下さんの遣り方がトコトンいやになったとこぼし出しました。私は「たかじん」の時から「煽り体質」に危険な臭いがしていましたし、弁護士という職業もこの方にとっては、どんな遣り方、攻め方、言い方を使っても法廷で勝てばいいというゲーム感覚が優っていて、社会正義とか弱者の味方とかいうものは皆無なんじゃないかと思っていました。それなのに、人気があるというのが怖いです。
実際の橋下氏を見た時も、煽り体質そのもの。自分の言葉に酔って、その場の目的に沿った話をするというより、自分の主張を観客?に熱心に訴え、煽りまくることに情熱を感じるタイプで、ドイツのあの方に似ているとも思いました。
日の丸に始まっての教育行政への挑戦?も気がかりですし、数を頼んでのこんなことがまかり通っていいのだろうかと思っていましたし、市長と知事のダブル選挙の心配もしていたところでしたので、このブログの記事は本当にグッドタイミングでもあり、胸にストンという記事でしたので、紹介したいと思います。ただ、心配は大きくなるばかりですが。

反「ハシズム」集会に香山リカ氏ら 平松市長も出席


11月の大阪市長選に出馬する方向の橋下徹大阪府知事の政治手法を議論するシンポジウム「『橋下』主義(ハシズム)を斬る」が17日、大阪市で開かれた。山口二郎・北大院教授らが主催し、自治体改革や教育行政に「政治主導」を打ち出す橋下氏の姿勢をファシズム(独裁主義)にかけて批判的に検証するのが狙い。同市長選で再選をめざす平松邦夫市長も会場に姿を見せ、識者らの議論に耳を傾けた。


 山口氏は基調講演で、橋下氏の政治手法について「上意下達の軍隊的官僚組織を作り、教育に競争を持ち込むやり方は多様性や自発性を否定している。政治主導ではなく単なる支配だ」と批判。「東日本大震災後に我々が必要としているのは相互扶助。政治は悪者を探してたたく見せ物ではない」と主張した。


 パネル討論では、精神科医香山リカさんが、橋下氏の支持率の高さについて「次々にネタを出す刺激が受けているのでは」としつつ、「バトルの構図を描いて二者択一を迫るのが得意だが、世の中には白黒はっきりつかないことが多い」と指摘。帝塚山学院大の薬師院仁志教授は「橋下氏は軍隊的官僚主義と自由競争を求める市場原理主義という、両立しないものを時と場所に応じてしゃべる。長い目で見て(住民を)どこに連れて行くのか」などと疑問を示した。

私がストンと感じた記事というのは、引用されているkechackさんの次の記事です。
主義という言葉使いが難しいですが、青いところが私がストンときたところです。

新自由主義とか新保守主義というのは、すでに定着してしまった言葉なのでどうしようもないが、自由主義保守主義であれば、まずありえないほど全体主義に親和的である点が特徴だ。このことをkechackさんは次のように表現する。


 それで有権者が満足してくれる改革を実行してくれれば、多少カルト的で気持悪い右翼的な政策を実行しても、多少は黙認しましょうというのが無党派層の特徴だ。つまり、経済改革を実行し失業率を改善したヒトラーを評価し、多少やり過ぎだと思ってもユダヤ人問題は黙認しようという、ナチスを消極的に支持していた穏健なドイツ人の心理に似ている。


この叙述が示しているのは、全体主義全体主義たらしめるのは新自由主義とか新保守主義といった政策理念を掲げる側だけでなく、私のような穏健な無党派層付和雷同によるということだ


この点、よくよく気をつけておかなければならない。


ところで、新自由主義新保守主義の相性がいいのは新自由主義というものがその名前通りのリベラリズムではなく、優生主義に近いものだからなのではないかという気がしている。新自由主義を名前通りに、政治思想・経済思想の自由主義のニューバージョンとすると全体主義化する理由がわからなくなるが、優生主義の一種だとすれば社会有機体説を採るのだろうから、筋の通らないことではなくなる。新自由主義的政策に賛同する自称国家主義者に露悪的なまでの差別的言動や排外主義がまま見られるのも、原因はそんなところにあるのではないかなどと思う。


以上、政治音痴の戯言だから、真に受けないでほしいのだけれど。(http://d.hatena.ne.jp/kechack/20100412/p1

因みに、「優性学」を検索してみますと:
「人類の品質をより良くするため(遺伝的素質を改良する目的で)、悪い血筋を絶やして(悪質の遺伝形質を淘汰:とうたして)、優良なものだけを保存していこうとする学問(?)。優生思想。(”良質”な人類だけを増やそう運動)
 1883年、ゴールトン(もしくはゴルトン)が首唱し、イギリス・アメリカでブームになる。
 その後、優生学の名のもと、ナチスによって精神障害者や異人種が大量殺戮される、日本でもたくさんの障がい者や弱者が行政によって子供を作れない身体にされた、など、さまざまな大問題を引き起こしてきた。」