尾崎豊と尾木ママ「橋下維新の教育改革」を考える

昨夕のテレビからスポーツニュースのあれこれを。

まず、なでしこジャパン、今月末ポルトガルでの国際試合に向けて新メンバー発表。目玉は18歳の高校生メンバー京川舞選手!
二つ目は、上村愛子さん、久しぶりに準優勝の表彰台に。ご主人も大喜びだったそうです。
三つ目は、(千里中央?の)よみうり文化センターであった女子ボクシングで、7度めの優勝を果たした多田悦子さん。
初めて知ったのですが、定時制高校の時にボクシングに誘われて始めたそうです。それまでケンカ?ばっかりだったとか。
今では高校生に向かって講演するまでに。そして一昨日、WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ防衛戦に勝って国内7度タイ記録とか。


讀賣夕刊の記事からは、尾崎豊 名曲生んだノート」

尾崎豊 名曲生んだノート  原詩や日記、10年で60冊 一部公開 


「卒業」「十七歳の地図」などで若者の苦悩を歌い、10代のカリスマと呼ばれた歌手、尾崎豊が約60冊分の「創作ノート」を残していたことが20日、明らかになった。1992年に26歳で亡くなって4月で満20年。3月22日発売の「小説新潮」4月号で一部が公開される。
 ノートは、デビュー前の15,6歳から亡くなる直前まで、尾崎が歌詞の原詩、日々の思いや苦悩、レコードの収録曲のメモなどを、B5判の大学ノート50数冊やルーズリーフなどにつづった。デビュー曲「15の夜」や代表曲「I LOVE YOU」などが推敲を重ねて生まれたことがわかり、未発表詩もある。尾崎を育てた音楽プロデューサーと遺族が保管していた。
 96ページの特集を組む同誌編集部は「今も多くのファンがいる天才が、どのような過程で創作していったかが分る貴重な資料」と語る。創作ノートの大部分を掲載する「完全版」が4月に新潮社から刊行される。

夜9時からのNHKでも取り上げていました。「自由とは自分の考えを持つことだね」と尾崎は言ったそうです。
「生き方を問いかけた尾崎の歌は今も同世代の人たちに問いかけ続けている」と結んでいました。そういえば、上の息子は「15の夜」でした。
亡くなって20年後の今もこの世代の”青春のバイブル”であり続けているようです。
”I Love You”は最高のラブソングですが、その推敲の跡が辿れるというのはいいですね。.
さて、いよいよ、タイトルの尾木ママの記事です。これも夕刊讀賣の「橋下維新を考える」というシリーズの3回目です。
1回目は、元外務省主任分析官だった佐藤優氏(52)で、「外交・安保 大衆迎合ダメ」、
2回目は、政治ジャーナリストの田勢康弘氏(67)で、「ブームで日本は変わらない」。
3回目の昨日が、教育評論家の尾木直樹(65)で、「子ども全員の底上げを」です。
プロフィールでは、「東京都内の私立高や公立中の教諭を経て、法政大学教授。独特の女性的な言葉遣いから『尾木ママ』の愛称でも親しまれる。テレビ出演や著者多数」となっています。聞き手は原田和幸記者。全文引用してみます。

橋下維新を考える(3)   教育評論家 尾木直樹氏 65  子ども全員の底上げを


ーー橋下徹大阪市長が小中学校の選択制や高校入試の学区撤廃を目指しているが?
学校選択制を見直す自治体が関東では出てきています。同じマンションでも、通う学校がバラバラで休みも違って、「地域の行事が成り立たない」と自治会からクレームが付いちゃうケースがでているの。
 学区撤廃はすべての府立高が学力で序列化されます。上位校では東大合格者が増えても、それは生徒の学力が上がったのではなく、優秀な生徒が集まっただけ逆に、トップ校でない生徒は劣等感を植え付けられ、伸びる可能性をつぶされる。
 橋下さんは進学重点校とか言ってるけど、東大なんて国際的には教育力も高くなくて、沈没寸前。その泥船に乗れって言っている場合じゃない。」



ーー大阪が目指す教職員の人事評価については?
「考課は重要だけど、現場を励まし、意欲が出てくるシステムでないと意味がないすでに(教員を目指す)学生たちの間では、大阪を避けようという動きがあるつまり、低評価の教員を切っても、いい人材が入ってこないということ。10年もすれば、大阪で(上位の)SやA評価の教員でも、他府県では真ん中ぐらいということになりかねない。」


ーー橋下市長の教育改革に助言するとすれば?
「学区撤廃や民間人校長の登用といった橋下さんの動きを見ていると、幕末の坂本龍馬が現代にきて、刀振り回して、みんながおもしろい時代劇だなと見ている感じなの。新しいものがない。今は2012年。龍馬を出している場合じゃないでしょ。やるんだったらもう1歩先まで行ってほしい。
 大阪の子ども全員を底上げする施策を考えて。ヨーロッパでは常識ですが、小学校で九九ができなければ、留年させてでも面倒をみる。(小中学校でも)留年させても府民の子供の力をつけてもらう、というのを橋下さんが出して来たら僕は大喝采します。

尾木ママ(最初はチョット〜と思っていましたが、ご本人がお気に入りのようなので呼ばせてもらっています)、なかなか的をついた批判になっていると思います。特に最後の九九の話は中学校の先生から生で聞いたことがあります。小学校で覚えておくべきことを身に着けないで卒業すれば、中学校でついていけなくなって落ちこぼれるのは目に見えている、本人も泣くけど、先生泣かせでもあると。
昨日は大きなニュースが。福島第一原発の事故現場への2度目の取材、今回はバスから降りて。すさまじい爆発の跡です。
そして、光市母子殺害事件最高裁の判決が下されました。死刑・国がなり代わっての復讐が世界では少数ということですが、死刑が廃止された国での被害者の方たちの心のおさめ方はどうなんだろうといつも考えてしまいます。