アッシジからナポリへ(4)

3日目、6月19日(火)、アッシジ駅8時33分発の電車に乗るため、ホテルの食事は間に合わず、6時半4人でホテルの外へ。
お馬さんとコリント式のギリシャ神殿と噴水のある広場へ。一軒のお店が開いていたので、外のテーブルに座ってパンと私は量の少ないエスプレッソで朝食を。
ホテルの窓から写真を撮っていると不思議なものを見つけました。
街を歩いていると古い建物のアチコチに針山のような同じものが取り付けられています。
これはハト除けです。ハトのフン公害から守るためのもの。

昨日アッシジ駅で乗り込んだタクシーの運転手が名刺を渡してくれていたので電話で前日に予約。キッチリ7時50分にホテル前に来てくれて、アッシジの丘を後に。

車窓から
アッシジの丘にお別れ…
麦畑、
そしてヒマワリ畑
アッシジから各停電車に15分ほど乗ってFoligno8時48分着。
Foligno9時2分発でローマまでは指定席、ローマ着10時24分。ローマ11時発でこんどの旅行で初めて乗るユーロスター指定席でナポリ中央駅12時10分着。
乗車時間約3時間ほどで今日の目的地に到着。
昼食は地下のお店で軽く済ませ、まずはホテル探し。地上へ上がってビックリ。駅前は工事中でひっくり返ったような状態。
幸いホテルは駅のすぐ隣りだったので荷物を転がして行く。3時の約束でロビーへ。
事前の勉強不足というより、ナポリは見たいところがなくて、というより、Fさんたちはポンペイもヴェスビオ火山も既に観光を済ませておられるということで、南イタリアへの通過点というつもりだったので、電車の中で「地球の歩き方」を見たりして即席で行き先を決めたような具合。
私は海に近い王宮とその近くのお城を予定していましたが、夫がその前に国立考古学博物館へいくぞ!ということで、バスのチケットを買って乗り込むことに。ところが乗ってから乗客の方に間違ってると教えられて慌てて降りたり、やっと着いたと思ったら、何やら大きな建物に覆いがかかっていて、館の職員らしき人から「今日は休み、明日から」と言われてしまう。月曜日じゃないのに…と街の大きさ、騒がしさ、汚さ、信号無視の怖さ、暑さなどなどでドッと疲れが。今度は海側の王宮行のバス停を探してバスを待つことに。運転手さんに教えてもらって降りたものの、どれも大きな建物で、王宮らしきものは見当たらず、また聞いて歩くことに。このあたりはやっと落ち着いた地域で少しほっとしながら目的地を探す。

白い丸屋根の両翼を広げたような建物の方へ引きつけられるが案内書の王宮の写真とは別。これは神殿のような教会。目指す王宮は反対側の3階建ての学校のような建物。広場はナポリで一番大きなプレビシート広場。王宮は「ナポリがスペイン支配下の時代に、スペイン王フェリペ3世を迎えるため、1600年に建築が始まった。その後フェリペ3世を迎えないまま今度は、ブルボン家の王宮として改築」されたんだとか。


宮廷劇場、玉座の間、外交の間、と豪華な調度品の贅沢な部屋めぐりの後、テラスに出ると海が見え、対岸になだらかな山、ヴェスヴィオ山が見えてほっとする。

王宮の外は公園になっていて何本かの木が癒着したような大木があって驚く。その中に1本、紫の花を付けたジャカランタの木を見つけた。すでに散り始めていて木の周りはよく見ると紫の花がたくさん。Fさんが拾って押し花にしたというので、私も。
山歩きと違って平地歩きの苦手な夫は率先してバス停へ向かっている。Fさんも私も目と鼻の先に見えるユニークな円筒状の塔が三つ見えるお城が気になる。バス停でF氏が「折角来たのに見て行きたいらしいよ」と夫に言って下さって、引き返すことに。
ヌォーヴォ城は、13世紀のアンジュー家の城を15世紀になってアラゴン家によって全面改築された。前から見ると3つしか見えないが5つの塔を持つ城壁で囲まれ、正面には大理石のレリーフを施した凱旋門があり、これはルネッサンス様式の傑作といわれている。
内部は博物館になっている。入ってすぐ、何人かの人たちが石畳の修理をしていて周りは球形の石玉が積んである。
F氏いわく「大砲の弾」とか。そういえば、扉の穴ぼこと一致しそうな大きさ?

R2のバスで駅前へ戻る。駅でアイスクリームを食べてホテルへ。
7時半、ナポリ料理をと揃って出かける。夫が2つの案内書に出ているお店に決めているので地図を頼りに歩いて探す。ところが駅前は工事中で遠回りをしながら、何とも変な道を辿ることに。路上に物を並べて売っている人が何人かいて、歩いているのは日本人の私たちだけ。ついつい、「観光客の歩く道じゃないんじゃない」と私。Fさんもご主人になにやら抗議中?みたい。身を固くして通り過ぎた頃、「この辺なんだけどな〜」と夫。見上げると店の名前を書いた看板が。間違ってないとその通りを奥へ。ゴミが散らかったり、わき道を覘くとゴミ箱がひっくり返ったりしている。

ところが店内に席を取ったこの店はなかなかの料理店だったよう。料理長がたくさんの有名人らしき人たちと記念写真を撮った額が壁面いっぱいに飾ってあり、その料理長らしき人がシャツ姿でウエイターたちに指示を出している。今は第一線を退いたオーナーという感じ。少し早めに来て正解、あっという間に満席、2階まで一杯になりました。
出された料理はどれも美味。前菜4種、メイン3種をシェアしたのですが、どれも本当に美味しく頂きました。ところが、私にとっては不吉なことが。まず、テーブルの上に置いていたカメラを落として使えなくなりました。そして、胃の手術で胃液の出ない私は消化不良でホテルへ戻ると全部下してしまいました。調子に乗るなという警告です。
ナポリの夜は更けました。