12月のお茶のお稽古

◎「生き生き箕面通信」さん、無事退院おめでとうございます! そして今日のブログの内容はお稽古納めのお茶の内容にふさわしい記事、コスタリカ、平和を輸出して1987年度ノーベル平和賞を受賞したアリアス大統領のお話です。ぜひコチラでどうぞ:「『平和を輸出する国』を創りましょう」(http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/af4d059a2393592e5d99f6a2f4448396

ここ数日の冷え込みは寒中なみとか、12月にしては本当に珍しいほどの冷え込みが続いています。
10日(月)の昨日が今年最後のお稽古になります。セーターにカーディガンを着込んで赤いコサージュを胸に付けて黒いウールの厚手のロングスカートで出かけました。先生のお宅について、玄関に行く前、右手、控えの間の縁先脇に斑(ふ)入りの葉に黄色いツワブキが満開でした。
少し早く着いたようで、炭の匂いが漂うお部屋で先生とお話を。「先週の同窓会で弟さんのM君に会いましたよ」とご報告です。「長い間会ってないわ〜」と仰るので、「M君もそうおっしゃってました。元気そうでしたよ。半分東京、半分大阪で、東京は半分仕事、半分遊びだそうです。赤いシャツに赤いベストで車も赤にしたとか」「そうそう、妹が怒ってたわ、還暦でもないのに…」「破れかぶれの赤だって」「そう、そういうところがあるの。連れ合いに先立たれて、子どももないし、大病はしたし、もうどうなってもという所があるの…妹から逐一聞いているから私は放ってるの…」と。小中の同窓生の8つほど年上のお姉さんがお茶の先生です。
揃ったところで先生は、大山崎の妙喜庵の国宝・二畳の茶室・待庵(たいあん)でのお茶会のお話をして下さいました。利休さんのお茶道具が出されたそうです。さて、昨日はN1さんがトップ、私は2番手です。

まず、お軸は「無事是貴人」、何事もないことは有難いことという意味でしょうか。
「無事」だけでも使われることがあり、また「無事千穐楽」と書かれることもあるそうです。
1年の締めくくりにも使われる「無事」という言葉、確かに「一年間何事もなく過ごせる」ということは本当に幸せで有難いことです。
お花は椿のツボミと先月と同じウコン(桜)のツボミです。固い蕾は冬を表します。(ウコン桜は開花期は遅く四月の中旬。花の色は淡黄色で、数百品種あるサクラのうちで唯一、黄色の花を咲かせるサクラ。花弁数が15〜20枚程度の大輪の八重咲きです=Wikipediaより)
香合はグリーン系の模様がついた「辻堂」と呼ばれる形の陶器。出雲焼き”くうけん”とか。Wikiで調べると「出雲焼:長岡住右衛門(号 空権)」だそうです。
お棚は3重棚。重ねが多いのも冬に使うものだそうです。一番上にはお茶の道具は置かず、置くとすれば椿を一輪挿した背の低い壺のようなもの。その時は柱のお花は不用です。空いている中段にはお点前を終わった後、柄杓と蓋置を飾り置きします。
棗(なつめ)は木目を生かした無地だったのに、先生が塗り師に頼んで亀甲の模様を入れてもらったものだそうです。水差しは鳳凰の絵が描かれたもので、先生のご実家にあったものとか。お父さんが水差しとして使っていたので明治の頃のものだと思うと。絵柄がなかなか大胆です。風合いが香合と似ていて良い取り合わせだと思います。
出された主菓子は午前中先生が手作りして下さったもの。
銘々皿に黒文字をつけて出されました。
その場合の頂き方も教わりました。懐紙に取って、黒文字もぬぐってお返しし、返したお皿は隣りへ回して重ねるそうです。
シットリと優しい味の美味しいお菓子でした。
器は、変形のぼってりとした織部(おりべ)。柄が斬新で大胆なのが特徴ですが、熱いお茶が熱いまま飲める分厚さも冬のものだと思いました。

さて私の番。京焼の華やかな大根の柄のお茶碗を選びました。もう一つは無地の斑(まだら)唐津というお茶碗。先生が水屋で、大根の柄は12月だけだから使って頂戴と言われました。
「炭を炊いているので、襖は閉めて」と注意されて、建水とお茶碗を置いて、教わった手順で襖を閉めて、よいしょと立って、どっちの足から、何歩だったっけと考えながら定位置へ。前回から2週間ほどですので、割にスムーズに先生の声に合わせて手が動くようになりましたが、今日は袱紗捌きがまとまりません。何回かやり直しましたが上手くいかずでした。
3人目のN2さんは立礼式。戴いた熱いお茶五臓六腑に染み渡る・・・というより、私の場合胃にとどまらず腸まで一直線なので、今お茶がどこを通っているかが分りました。甘いお菓子にお薄茶は本当にピッタリです。目の前でお茶を点てて戴いた場合は、「結構なお点前で…」と言っていいそうです。今日はお干菓子で3服目も頂きました。
蓋置で、私が使ったのは信楽焼きかと思っていたら伊賀焼だそうです。見分け方は、伊賀焼釉薬が溜まった所がガラス質のビードロ状になり、信楽はそれが無いということ。臼の形(これも12月)の口の所と裾の左が色が少し濃くなってビードロになっています。
N2さんが選んだ黄色の蓋置は、気の葉が巻いた形をしていて「一葉(いちよう)の蓋置」と言われるもの。これも枯葉の季節の12月に使われます。
その後、先生から意外なお知らせ。一番弟子の方が、手の指を鉄の扉で挟んで怪我をして治らないので、来年の初釜は中止ということでした。いつも正式のお茶席や茶事になると、美しい着物姿でお茶を点てておられたキャリアウーマンのアラフォーの方のことです。それで、来年の初稽古の日を決めて、今年最後のご挨拶をして、外に出ました。お稽古納めが終わりました。
車庫のところで、N2さんが安くておいしいお寿司のお弁当を見つけたというので「来年3人で新年会!!」を約束して別れました。