福島集団疎開裁判と「窓ガラスの向こうの世界」(武藤類子さん)

●昨日の4月28日については「生き生き箕面通信」さんが昨日<何が「主権回復の日」か。ばかにするのもいい加減にしろ>、今日<「がってぃんならん」(合点がいかない)と、沖縄の異議申し立て>(http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/a6f4980a59dcd8dcb72fa10e9846c41d)と記事を書いておられます。
また「日本がアブナイ!」さんでも取り上げておられます:「何故、今、主権回復の式典を行なうのか?&50年放置も、占領憲法の改正が目的」( http://mewrun7.exblog.jp/20392779/
〇何処かを、誰かを犠牲にして幸せにはなれない…ということを肝に銘じたいと思います。
●●「shuueiのメモ」さんにはアメリカのワシントンポスト紙の安倍総理歴史認識についての記事が紹介されています:「米紙 首相の歴史認識巡る発言を批判」http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130429/1367174052
「おとじろうとらいるのひび」さんから:「福島集団疎開裁判却下と報道しない日本のマスコミ」(http://blog.rairu.com/?eid=1150
おとじろうさんが27日のブログで取り上げられたのは、「泊原発廃炉をめざす会 共同代表 小野有五」さんという方からのメールです。
内容は大変重要なことだと思いますし、また、日本のマスコミが伝えようとしないことも本当に不思議です。「拡散」に賛成ですのでそっくりコピーしてみます。ぜひ読んで下さい。

みなさま


さきほど、井戸弁護士からのメールで、4月24日,福島集団疎開裁判の抗告審決定が出たことを知りました。


以下のサイトで,決定の全文が読めますが、結論は,却下で、1年間1ミリシーベルトを超える環境で子供たちを教育することは、子どもたちの人格権の否定になるという住民たちの申立ては、退けられました。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1578


しかし、いっぽうで、決定文は,
児童生徒の生命,身体,健康について由々しい事態の進行が懸念される」という強い表現で、福島における低線量被ばくの危険性を正面から認めました。


それなのに、なぜ、親たちからの訴えを却下したかといえば、

(1) 子供が福島に住み続けるのであれば,たとえ学校での教育活動を差し止めても,学校の外で年1ミリシーベルト以上の被曝をするから,今の学校での教育活動を差し止める権利がない(差し止めても意味が無いということ)

(2) 子供が福島から安全な地に転居(自主避難)するのであれば,その地での公教育を受ければいいから,その地で郡山市が教育を実施することを求める権利がない。


という、ほとんど理解できない理由からです。
教育の義務を負っている行政が,その責任で,子供たちを避難させるべきだという、あたりまえの主張に対しては,全く答えず、危険だと思う人は「自主避難すればいいじゃないか」といっているわけです。


「危険なことは認めるけど,行政が動かない以上,司法としてはどうしようもないよ」
ということかもしれません。


むちゃくちゃな決定ですが,低線量被ばくの危険性について上記のとおり厳しい言い回しで認めさせたのは,井戸弁護士の言われるように、「現実に福島で健康被害が始まっているという事実の力」であり,また「この裁判を支援した多くの人々の力の賜物」だと思います。


裁判所が低線量被ばくの危険性を正面から認めたという事実を,これからの運動にどう生かしていくのか,泊の訴訟でも、考えていきたいです。


重大な問題は、この決定について,我が国のマスコミが全く無視していることです。
井戸弁護士によれば、報道したのは,福島の地元紙と,全国紙の福島版だけ、しかもベタ記事とのこと。


私も、これまでNHK、報道ステーション、新聞など、可能な限りチェックして
みましたが、どうも、まったく報道されていないようです。
どなたか、見つけた方は、知らせてください。


いっぽう,ワシントンポストニューヨークタイムズ,ABCニュース等は大きく報道しました。
日本は、まさに北朝鮮 以上の情報規制下にあるようです。


ワシントンポスト
http://wapo.st/ZQOkgj

ABCニュース
http://abcn.ws/14h2FKo

NYタイムズ
http://nyti.ms/ZQOxA7

どうぞ、このメールを拡散して、問題を共有してください。


泊原発廃炉をめざす会 共同代表               
小野有五                        (右の写真は「ABCニュース」からby蛙→)


◆◆「みんな楽しくHappy♡がいい♪」さんから:
原発事故以来、私はほとんど戸外で過ごす事がなくなり窓ガラスの向こうの世界になりました武藤類子さん4/21(内容書き出し):http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2931.html
「みんな楽しくHappy」さんの28日の記事は4月21日(日)の「チェルノブイリ・フクシマを忘れない!集会とデモ」での武藤類子さんのお話を取り上げておられます。これから全文(動画で2時間半ほど)を書き起こされるようですが、この日は、「子どもの本棚」という本に武藤さんが投稿した文章を引用して締めくくっておられる結語の部分です。写真も「Happy」さんからで、武藤さんが2003年から原発事故までやっておられたカフェ「里山喫茶燦(きらら)」。


冬枯れの柴山を背景に音もなく降り続ける雪が
野原も小屋も真っ白に染めていきます。
福島原発事故から2年がたとうとしている私の家の前の風景です。
いまだに毎時0.2マイクロシーベルトを計測する放射性物質が確実に存在していますが、
それでもなお美しい森です。


私は原発事故が起きる前までは
福島県阿武隈山系の中にある雑木の森で細々とカフェを営みながら暮らしていました。
カフェの名前は「里山喫茶燦(きらら)」といいました。


人生には様々な波があり、私にもドドンと落ち込んだ時期がありました。
そんな時に始めたのですが、何とか気を取り直し、
今からきらめく様な人生を生きようとつけた名前でした。


森にはこなら、さくら、漆、かえで、ヤマボウシなどの広葉樹があり、
秋には色とりどりに紅葉し、冬には一枚の葉も残さずに落葉した枝枝が夕焼けの空に映えました。
早春のパステルカラーの芽生えは、夏至のころには圧倒的な深緑になりました。
四季折々の光景の中で、
「私はなんと美しい星に暮らしているんだろう」とひとり呟く事が何度もありました。

森にはいつも小さなドラマがありました。
私は日々観察しては驚嘆し、森の暮らしは退屈することはありませんでした。


原発事故以来、私はほとんど戸外で過ごす事がなくなりました。
草の匂いも、せせらぎの音も、割った薪が渇く時にピンピンと奏でる音。
頬を撫でる風も、甘酸っぱい木イチゴの実も、雪の上の獣の足跡も、
窓ガラスの向こうの世界のものになりました。


どんなに美しくても触れる事の出来ない世界は悲しいものです。


原発事故がもたらしたものは人類だけに及ぶものではありません。
地球に生きる生き物としての私たちは、今からどんな世界をつくっていったらいいのでしょうか。


この文章を書いている間に夕闇が迫ってきました。
雪は20cmほど積もって今は止んでいます。
のぼってきた月の光に照らされて、透明な青い世界が広がっています。
深く考えなければいけない時ですね。