4・28の「天皇陛下、バンザイ!」

「shuueiのメモ」さんの今朝の記事から色々考えさせられました。
考えているうちに今までのブログの記事が繋がってきましたので書いてみます。
小出裕章さんの「原子力のことを考えると戦争にそっくりだ」というタイトルになっているお話は、私も「モーニングバード」のこの日の小出氏の発言を書き留めていますので良く覚えています。(12月21日の蛙ブログはコチラ:http://d.hatena.ne.jp/cangael/20121221/1356050254

(日本人というものをどう捉えますか?)


 それは大変難しい問題ですけれども、 私はよく 原子力のことを考えるときに、戦争とそっくりだなと 戦争のころと。

 大きな流れができてしまうと、 ほとんどの人はその流れに乗っかっていってしまって、おかしいと思っても、声をあげることも通常はしないまま、全体の流れに流されてしまうという、そういう国民性が私はあったと思うし、今もあると思います。


 (ドイツでは脱原発になり、日本ではなっていかない。ドイツの国民と日本の国民ってそんなに違うんですかね?)

 たぶん違うんでしょうね。戦争についての総括とでもいうんでしょうか。何を歴史から学んだかという意味でも。
 ドイツは徹底的にナチスというものの歴史を自分たちで考え直して、それを清算しようとして、 戦後を生きてきたんだと思いますが、
 日本はかつての戦争について 本当に反省したのかと言えば、私から見れば全然していない。


 戦争が終わってしまって 多くの日本人は、自分たちはだまされた ときっと思ったのだと思いますが、だまされたというなら、
 なぜ だまされたのかをきちっと自分に問わなければいけないけれど、それを問わなかったんですね。
 もっと素敵な米国がきてくれた、もっといい日本になる、ただそう思ってしまう。
 (写真は「shuueiのメモ」さんから:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130430/1367265597

▲▲日本は先進国の中でもダントツに新聞記事の論調をそのまま信じ込む国民です。7割が無批判だそうです。(2月22日蛙ブログ:http://d.hatena.ne.jp/cangael/20130222/1361488978

 論点 日本人のマスメディア<鵜呑み度>は世界一  青山貞一 から一部


日本リサーチセンターが実施し2000 年に公表した先進国、発展途上国、資本主義国、社会主義国を問わず各国の国民が、いかなる組織に信頼を置いているかを調べた「世界60 カ国価値観データブック」の調査結果からその特徴を見てみよう。

 日本とイギリスを比較すると、日本国民の圧倒的多数(70%以上)が新聞などマスメディアに信頼をおいているのに対し、イギリス国民はマスメディアをわずか14%しか信頼していない。


 他の先進国を見てみると、米国もイギリス同様の傾向を示している。米国民のマスメディアの信頼性は26%に過ぎない。カナダ36%、イタリア34%、フランス35%、ドイツ36%、ロシア29%である。逆に日本(70%)に近い国を探すと、中国が64%、インド60%、フィリピン70%、ナイジェリア63%と、いずれも発展途上国となっている。


 要約的に言えば日本国民は新聞、テレビなどマスメディアの情報を先進国の中で最も無批判に信頼しているということを意味している。

 
信頼しているというと聞こえが良いが、要は日本国民は自分の頭で考えず、マスメディアからの情報を鵜呑みにしているということである。そこで、私達はこれを<鵜呑み度>と名付けた。日本国民は世界一マスメディアを鵜呑みにする国民ということになる。
(引用先:http://eritokyo.jp/independent/aoyama-unomi001..html

▲▲▲だから、安倍さんは日本のマスコミと会食をします。これも今朝の「shuueiのメモ」さんの記事:
「“報道の自由度”日本、前年の22位から53位に大幅後退NHKニュース 2013年1月30日 14時44分)」(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130430/1367268821)からです。



 


 







△今朝の「生き生き箕面通信」さんは丁度タイミングよく朝日新聞について<「安倍晋三朝日新聞の不適切な蜜月」と、朝日紙上に広告掲載>(http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/b0795b469ff66836b6ff2b4ffb108792
▲▲▲▲左の写真も「shuueiのメモ」さんの<4・28主権回復式典では天皇陛下の退席時に、一部の出席者が「天皇陛下、万歳」と叫ぶと、安倍晋三首相ら多くが呼応した。>から頂いた写真です(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130430/1367265742)。
4月28日の式典について、解説は今朝の「日本がアブナイ!」さんから一部コピーして:(太字・色字 by 蛙)

4月28日、東京の憲政記念館で、政府主催の「主権回復の日」の式典が行なわれた。
 写真をご覧頂ければわかるのだが。(コチラ産経、コチラ官邸)まず目につくのが、異様に大きい日の丸。<式典名を記した幕とのバランスがとれていないよね。>
 そして、狭い舞台の上に天皇夫妻、最高裁長官、衆参議長、首相&副総理、進行役の菅官房長官が並んでいて、かなり窮屈そうに見えた。

 天皇の政治利用ではという疑問の声が呈されたせいか、おことばはカット。まさに中央に臨席させられていただけという感じが。

 麻生副総理の開式の辞→国歌斉唱→三権の長の挨拶(首相10分、他は各3分)、杉並児童合唱団が合唱(「翼を下さい」など4曲)→菅官房長官の閉式の辞というしょぼい内容で淡々と行なわれ、約40分で終了したのだが。

<ここで副総理の麻生くんを出して来たのは、やっぱサンフランシスコ講和条約の調印を行なった吉田茂元首相のお孫さんだからかしらね。>

 最後に天皇夫妻が退席する際に、大きな問題が起きた。(@@)

 出席者(国会議員?)のひとりが、いきなり「天皇陛下、万歳」と叫び手を挙げたのに呼応して、壇上の安倍首相らも一緒になって、万歳三唱を行なったのである。(゚Д゚) <画像が残っていれば、コチラTBSに>

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 自民党は、衆院選公約では主権回復を祝うと記していたのだが。今回は、沖縄などに配慮して、祝賀モードにはしないという方針をとることになり、式次第でも万歳は予定に入れていなかったのだが。
 突然の万歳三唱に、今上天皇は、とまどったように歩みを止めたものの、それに応じることはせず。美智子皇后は明らかに困惑し、一瞬、こわばった表情になったのがわかった。(~_~;)

 
 おそらく超保守系の議員が、行なったことだと察するのだが。<個人の仕業なのか。それとも、最初から安倍首相らと打ち合わせていたのか、それとも仲間うちだけで「やっちゃおうよ」と相談していたのかはわからないが。>

 
もしmewが、超保守の立場だとしても、これは容認できない行為だ。この式典への天皇の出席は問題になっていただけに、そんなことをしたら、天皇自身が困るということがわからないのだろうか?(`´)


 ところが、彼らは天皇信奉の思想を持ちながらも、本当の意味で、天皇の立場を思いやれず。
自分たちの勝手な思想ロマン&自己満足のためだけに、こういうあさはかなことをやってしまうのである
。(ーー゛)
<せめて壇上にいた安倍首相を含む三権の長は自制して欲しかったわね。^^;>


 まあ、そもそもこの式典自体が、安倍首相&超保守仲間の勝手な思想ロマン&自己満足のためだけに行なわれたものだとも言えるのだけど。
 この最後の万歳三唱は、この式典に疑問を抱いていた者たちに、さらなる反発や不信感を与えたであろうことは言うまでもない。(-"-)

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『政府関係者は「万歳三唱は全く予定になかったものだ」として困惑していますが、出席した沖縄県の関係者からは「政府からはお祝いの式典ではないと聞いていたのに、あれはいただけない」などと反発の声が上がっています。(TBS4月28日)』


公明党山口那津男代表は式典後、党本部で記者団に「憲法国民主権がはっきりと規定されている中で日本の独立が認められた日だ。その意義を十分に踏まえた行動だったか問われる」と疑問を呈した。(日本経済新聞4月28日)』


『韓国メディアは「天皇陛下万歳、安倍が軍国主義を叫んだ」「主権回復の日のイベントで安倍らが天皇万歳叫んだ」「日本政府の右傾化の動き加速、論議のなか『主権回復の日記念式典』を開催」などの見出しで伝えた。(サーチナ4月29日)』

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◎赤太字の所は私が最も共感するところです。自民党憲法改正案では「天皇を元首に」となっています。
だからと言って「天皇を敬う」気持ちはさらさらないということは、今回のことでも良くわかります。
靖国参拝にしても昭和天皇が何故靖国神社に行かれなくなったかという理由も汲み取る気がありません。
因みに、日経は2006年の富田メモをスクープした新聞ですので、この件については今回も「昭和天皇のお気持ちに反して・・・」という立場。また4/28の一面「春秋」欄では、「今上(きんじょう)天皇の沖縄へのお気持ち」から「2002年の50周年でも小泉政権に式典のアイデアは無かったのに、61年というキリの悪い年に唐突、日本が一つになってお祝いできないのに」と批判的。「富田メモ」について詳しくはコチラで:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E7%94%B0%E3%83%A1%E3%83%A2
また今上(現)天皇は2004年の秋の園遊会で、当時東京都の教育委員だった棋士米長邦雄氏が張り切って「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と発言した際、「強制になるということでないことが望ましいですね」とたしなめられています(蛙ブログhttp://d.hatena.ne.jp/cangael/20090924/1253768102)。
こういう昭和天皇今上天皇のお気持ちや言葉を意に介さず無視する人たちの「天皇を元首に」というのは、まさに戦前の天皇制の繰り返しです。天皇を利用して国民をコントロールするということ。これに尽きます。「不敬罪」で国民の思想信条表現の自由を奪い自分たちの政治的な目的実現のために天皇を徹底的に利用する。万歳三唱で唱和しない人を取り締まれるような時代を造りたいのでしょう。こんなたくらみこそ「不敬」です。
写真、舞台左の安倍総理のバンザイは、時代錯誤の日本を美しい日本として甦らせることを最大の政治目標としている 安倍さんの姿勢そのものに見えてしまいます。

◎上から二枚の写真は今朝がたの激しい雨の合間に、ジャーマンアイリスとイチハツ。後の写真は昨日の庭に咲く花々。