横須賀市長選結果と報道特集から南大隈町と東洋町(地方から変わる・変える!)

先週、自民党小泉進次郎氏の記事を読みました。
内容はお膝元の横須賀市長選を控えて、自民党の石破幹事長に「応援には来なくていいから、(自分を党務から自由にして)張り付かせてくれ」という内容でした。青年局長として何が何でも自民推薦の市長を誕生させるという意気込みを紹介する記事でした。(日経で読んだのか、読売だったか、探してみましたが分らず、ネットのニュースだったか?不明)。
ところが、月曜の朝、天木直人氏のブログで、自公推薦候補が負けたという結果を知りました。日経朝刊で記事を探したら、2面最下段に数行の記事を見つけましたので写真を。それにしても小泉君がらみのこんな大きなニュース、何処も取り上げずにシィ〜〜ンが確かに不思議です! 『自民党が負けたらニュースにしない』ことにでもなっているような。
天木氏のブログ「地方から日本を変えるしかない」(http://www.amakiblog.com/archives/2013/07/01/#002631)という内容を読んで、土曜日のTBS報道特集の内容を思い出しました。いつもこの時間は夕食の支度に取り掛かるるので背中でテレビを聞いている状態ですが、聞き捨てならないときは録画もメモも間に合わず、カメラで連写ということになります。この時も、鹿児島県知事と東洋町のことが気になりましたので写真で撮って、さて、没にするか…と思っていたのを、天木氏のブログを読んで思い直して、復活させることに。
まず29日の報道特集の内容を番組アーカイブから:

汚染土最終処分場の受け入れは?全国の知事たちに聞く (2013/6/29 放送)


今年4月報道特集で福島の除染活動で出る放射能汚染土の最終処分場について、水面下で行われていた立地交渉の実態を伝えた。
最終処分場は「福島復興の最重要課題」でありながら、今も建設のメドは立っていない。
この最終処分場について全国の知事たちはどう考えているのか、アンケート取材を行った。アンケートの結果から最重要課題が前に進まない理由を探った。

アンケートとその結果というこの日の番組内容自体は持って回った編集で余り…と感心しなかったのですが、4月放送された鹿児島南大隈町での汚染土の最終処分場引き受けで暗躍したX氏については丁度見ていたので、その後については、関心がありました。
結論から言えば、どんなに水面下で手をまわして電力会社と国と地方自治体の了解をとりつけようと、県知事が反対すれば実現は不可能だということです。

鹿児島のケースは、番組側の大胆な隠し撮りもあります。
このX氏は、昨年6月、政府の要人(細野豪志環境相(当時)や仙谷由人官房長官)にも直接会い、
東電勝俣恒久前会長(↓中)とも直接会って、森田俊彦南大隈町町長からは委任状もとっていました(↓左)。
それらの根回しの後、X氏は7月にいよいよ伊藤鹿児島県知事と会っています。

その席でX氏は「国から立地の正式な申し入れがあった場合”地元の判断を見守る”と答えてほしい」と話し、県知事は難色を示しました(隠し撮りの現場↑右)。それから2か月後の9月、伊藤知事は記者会見で、「最終処分場の危険性をその地域がなぜ負わなければいけないのか」と最終処分場の受入れに反対を表明しました(↓左)。
”どんなに水面下の工作で全てのお膳立てが出来ていても知事がOKを出さない限り国と言えども強制は出来ない、反対できるのだ”と番組ナレーションだったか、金平キャスターのコメントだったかに力が入っていました。
知事47人に聞く最終処分場の受入れアンケート」の集計では、「受け入れてもいい」は0、「受け入れられない」は13人、「選択せず」が33人でした。
理由は様々ですが、「安全性や方向性など国の具体的な方針が示されていない」という回答がありました。アンケートには「最終処分を福島県外でするという政府方針について」という項目があり、福島県稲場町の松本幸英町長は、「迷惑施設である最終処分場を引き受けていいかというアンケートに最初から賛同する都道府県は無いと我々も想像できる」、「国が(福島は)中間貯蔵と言っている限り」、「国が主体となってしっかりと汗をかいてほしい」と。

取材を受けた現政権の環境相井上信治副大臣は「国が細部を決定して情報提供するだとかに至っていない」と答える一方、「ぜひ国を信頼していただければ」と(←)。
(金平キャスターはこの言葉は「国民を愚弄しているように聞こえる」と怒っていました)
原発立地県の西川福井県知事は、「最終処分は電力消費地で」という、しかし、嘉田滋賀県知事は、「原発受入れの時に何の相談もなく、電力会社と地元との話し合いで進めてきたのに、事後に、どうして後始末だけ押しつけらるのでしょう」と取材に答えています。
さて、番組はここで急転。
電源三法交付金が今では効き目がない。お金で釣ろうというのは無理というお話になります。

そこで取り上げられるのが高知県の東洋町です。
私は、高知の友人から、原発事故のあと、この町のことは聞いていました。最終処分場に、10億円のお金目当てに当時の町長が内緒で応募して、それがバレて、大騒ぎになり、やり直し町長選で、お金より命の方が大事という反対派が勝利して・・・
ここは、Wikipediaに任せましょう:

東洋町 核最終処分場問題


 2007年(平成19年)、田嶋裕起町長(当時)が高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地選定に向けた文献調査を町議会に諮らないまま原子力発電環境整備機構(実際に最終処分場として受け入れるかは別として、調査を受け入れることによる補助金が目当てだった真相報道 バンキシャ!(日本テレビ系)及びワイドスクランブルテレビ朝日系)が取材で明らかにしていた)に申請していた。このことは「ワイドスクランブル」が最初に取り上げたことから発覚した。

 推進派と反対派で町政が混乱し、橋本大二郎高知県知事(当時)や、隣接する徳島県飯泉嘉門知事も反対し、機構理事長の山路亨に対し直接受理の撤回を求めるなどの状況のなか、田嶋が「町民の真意を問いたい」として辞職したことに伴う4月22日投開票の出直し町長選挙では、反対派の沢山保太郎が田嶋の2倍以上の票を得て初当選。4月23日に応募撤回を表明、原子力発電環境整備機構側もこれを受け、核廃処分場調査は白紙に。(後略)

高知県知事だった橋本大二郎氏は「最初から札束でほっぺたを張るやり方では進まない」と言う。
(←)松延宏幸現町長は「しこりはまだ解消されていない」と言い、当時矢面に立たされ、定年を待たずに役場を辞めた元東洋町企画商工課長の大場正弘氏は「最終処分場の問題がなければ・・・」と家族にも辛い思いをさせた当時を振り返りながら、「最終的には、カネの問題じゃない」。元東洋町商工会長の西岡尚宏町議は「うちの町長は当時もっと住民と話し合いをしたかった。人間の命の懸かる問題」だからと。


さて、5月28日には総合資源エネルギ―調査会/放射性廃棄物小委員会の第1回が開かれました(←)。委員長の前岩手県知事・増田寛也氏は、今までのような交付金頼みでは、「手を上げる所は過疎地に偏ってしまう」と。
この委員会は13人の委員で構成されていて、西川福井県知事もメンバーです。先に上げた意見(電力消費地で引き受けてほしい)はこの会議での意見でした。
報道特集(6・29)は、47名の知事へのアンケートの集計と意見を元に、事故後の今となっては、電源三法交付金でもどこも引き受け手のない最終処分場問題、その上、政府も無策、一体どうなるのか? で終わります。
この会議の議事録はコチラで:http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denkijigyou/houshasei_haikibutsu/25_01_giji.html
◆最初は没にしてもいいか…ぐらいにしか思っていなかった報道特集のこの番組、こうやってまとめてみると番組の本当の狙いは、地方が本気になって、国の方針に反対を唱えれば、押し切られることはないと鹿児島県知事と東洋町の取材を通して訴えています。
『市長として市民と一緒に町づくりを行なうことこそ政治だ、と熱く語って私の国政の誘いを一蹴した後、彼は言った。市長(つまり首長)として、できないと思った事はなにもない、住民と一緒に市政を行なおうとした時、国政はこれに反対することは出来ない、と。これこそが私が考えてきた「地方から国を変える」ということである』(天木直人氏のブログ:http://www.amakiblog.com/archives/2013/07/01/#002631)より。
日曜日の小泉家おひざ元の横須賀市長選での自公推薦候補の敗退を聞くと、参院選前の自民党支持下らず、好調とか、参院選も楽勝とか、参院選直前に流されるアンケート結果も、鵜呑みにしてガッカリしない方が良いかもしれません。もう一度引用してみます:

自民党参院選公約を発表した。メディアは安倍政権の支持率、自民党の支持率が高いと報じているが、信用できない静岡県知事選でも自民党推薦候補者には票がまったく集まらなかった。全国で行われている地方選挙で、自民党はまったく勝っていない。4月に実施された、青森市長選、名古屋市長選、小平市長選、5月に実施されたさいたま市長選、千葉市長選、八千代市長選などで、軒並み敗北、不戦敗などを喫している。安倍政権の暴走に対して、強い懸念を感じる市民が急激に増加しているように見える。」 引用元:蛙ブログ6月21日

◆加えて横須賀市長選です。都議選が異常だったのか(マスメディアの取り上げ方も?)、それとも国政は都議選並みなのか。
 地方から変化は起きている、ようです。変えましょう! とにかく、一票を無駄にしないことですね。
◆◆今朝の「日本がアブナイ!」さんはブログの中で横須賀市長選を取り上げてこう分析しています:

吉田雄人(37・無現)87,185、広川聡美(61・無新=自公推薦)76,961、岸牧子(56・無新=共支持)8,121 投票率は50・72%(前回45・22%)>


 今回、再選を果たした現職の吉田雅人氏は、09年、小泉純一郎元首相が押した候補に勝利。30台の若さや特定の政党の支持を受けていないこと、さらに既得権を打破して、市の財政・行政改革に取り組んでいる姿勢が、横須賀市民に支持されているという。<自転車で遊説を行なうなどして、無党派層の支持をかなり得たとか。>
 先に言えば、今回、吉田氏が自民党公明党の組織票のある候補の猛追を振り切って再選できた最大の理由の一つは、投票率が上がり、得票を伸ばしたことがある

詳しくはコチラ「進次郎、市長選敗北に落胆も、安倍は喜ぶ?+A猪木が「原発やめよう」と主張安藤美姫など」で:http://mewrun7.exblog.jp/20739752/