「利休にたずねよ」

いつもは誘われて二人で行く映画ですが、今日はお茶の千利休の映画なので夫が山に出かけている間に私一人で行くことに。
チラシ(↓2枚の写真)は先月のお茶のお稽古の時に貰ったものです。映画館の紹介サイトからストーリーを:

雷鳴がとどろく雨嵐の早朝、3千もの兵に取り囲まれた利休屋敷。太閤・豊臣秀吉の命により、今まさに希代の茶人・千利休は自らの腹に刃をたてようとしていた。死に向かう夫に対して妻・宗恩がたずねる。「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは…」その言葉が、利休の胸中に秘められた、遠い時代の記憶を甦らせていく。


利休……彼こそは「茶聖」とまで称えられた至高の芸術家。「美」に対する見識や独創性の数々には、かの織田信長豊臣秀吉でさえ一目を置いたという。もしも、その崇高なまでに研ぎ澄まされた美意識が、若い頃に体験した情熱的な恋に始まっているとしたら……?
大胆な仮説のもとに希代の茶人の出発点を取り上げ、第140回直木賞を受賞した山本兼一歴史小説利休にたずねよ』。それは、まさに美の本質に迫る極上のミステリーにして、心を焦がす究極のラブストーリー。もはや歴史小説の枠を超えた傑作が今、長編映画として新たな生命を宿す。

まぁ、書かれている通りの内容なんですが、ラブストーリーが成り立つためには、若き頃に出会った女性がやはり美しくなければなりません。この高麗美人を韓国のクララという女優さんが演じていますが、美しかったです。これでこの映画は半分成功?です。
国宝の千利休のお茶室、待庵(たいあん)のモデルというか原型が、高麗の田舎の百姓小屋だったという追跡番組をNHKでやっていたのを随分前に見た覚えがあります。天下人の秀吉の黄金の茶室と素朴な土壁の小さな茶室。
一国の財政を脅かすほどの名器を扱うかと思うと、魚捕りの魚籠(びく)をも見立て使いでお茶道具にしてしまう。千利休の天才ぶりは、成り上がりの秀吉には、その天才ぶりが分るだけに、敬愛と畏怖を通り越して、羨望と恐怖までかきたててしまったのでしょうか。
秀吉を演じた大森南朋さんが「利休を描くことは秀吉を描くことでもある」と仰っていますが、その通りです。伊勢谷友介さんの信長もカッコいいですし、何といってもお茶の師匠役の市川団十郎さんとの親子共演が上手くハマっています。

観終わって、甘いお菓子とお茶を一服戴きたくなります。

PS:ムクゲの花がよく出てきます。
槿(むくげ)は1日花で朝咲いて夕方にはしぼんでしまいますが、花付きがよくて、その1日花が無数に長く咲き続けます。そして、韓国の国花とも聞いています。高麗美人を象徴していて、利休の想い人を表していたのかも。