10月のお茶のお稽古


27日は10月のお茶のお稽古日でした。お一人が息子さんの引っ越しでお休み。風邪気味のお一人が私を一人にしてはと無理して出てきてくださったそうです。お陰様で投票日当日の裏話が聞けました。
9区は社民党服部良一、維新の足立康史、自民の原田憲治の三人が立候補。私は当日、緊急避難情報が何度も携帯に入ったので、山手の方は大変だったんじゃないの?と聞いたのですが、自民党支持者はそれどころではなかったとか。いつまでたっても当確が出ず、万歳ができなかった。票差が800数十だったので、足立陣営からクレームがついて票を全部数え直したのだとか。
足立康史といえば、「小選挙区で勝てなかったら比例は返上する」なんてことを言った人ですね。それで、困って?数えなおさせた?ようです。結局、当確が出たのは夜中の3時だったとか。その後足立氏は前言翻して返上せず、比例で当選となったようです。創業者?の橋下さんも維新の落ち目に当たるところがなく、同じ維新の若手の丸山穂高氏にツィッターで汚い言葉で当たり散らし、顧問も降りると言ったとか。一時の熱狂が覚めて止まるところのない退潮に嫌気がさして維新から足を洗うきっかけを探していたんじゃないの…と思います。

さて、お部屋に入ると、小さめの掛け軸に瓢(ひさご)の花器に秋の花がたっぷり活けてあります。
一番低い手前から薄紫のノジギク
両脇に白い穂のタデ、
真ん中にシュウメイギクのピンクと白、
左の黒く見えるのは濃い紫のホトトギス、中ほどに見たことのない小型のホトトギス
背の高いのはフジバカマ。そして尾花のススキです。
掛け軸の漢字は「歩〃起清風」。歩き進むと清風が起きる…?
立礼式の扇形のテーブルでお点前をすることに。
私からということで水屋へ。そこで、思わず大きな声をあげてしまいました。

菊花をかたどった薄青いお皿にオレンジ色の生菓子、それが可愛いカボチャのハロウィーン仕様?です。わぁ〜かわいい〜!と大きな声を出したもんだから、二人が水屋に入ってこられました。
「小学校のお茶の時間に、子供相手だから、こんなのも良いかなとちょっと遊んでみたんだけど、ついでにお稽古にもと余分に。こんなのもお薄のお稽古では許されるでしょ」と。「お皿は例の…」と言われたので「祇園祭ですね」「そう、菊水鉾で…」。菊の花を象ったお皿で毎年色違いが配られるそうです。
お皿には、干菓子も一緒に乗せてありました。「お干菓子は、有平糖(ありへいとう)と名前がついているんだけど、納豆飴。大徳寺納豆を飴にしたもので、味は黒糖と納豆味の混ざった感じ」とのこと。生菓子の餡には南瓜も入っているとか。

水指しは志野のどっしりとした感じ。
蓋置は梅と菊の花が描いてあり二シーズン使ええるもの、菊を正面にして。
棗(なつめ)は朱赤の漆に金彩でスズメ、群雀が描かれています。
お茶碗は、紀州和歌山の葵窯のドングリに松葉模様のお茶碗と、
米俵型のお茶碗を選びました。楕円形でラグビーボール型。
お茶を点てるときは横長にして置き、飲むときは45度ずらし縦の細い方に口をつけますので、飲み易いです。
私がお客様役に回った時は、柿の実の絵柄のお茶碗が使われました。
京焼と似ていますが薩摩焼。京焼より黄色みが勝っていて、貫入も細かいようです。

ここで、先生が表千家の機関紙のようなものを持ってこられました。そこに、英国のメイ首相をお茶で接待された様子が報告されています。これはニュースでも余り詳しくは紹介されなかったので、写真に撮らせていただきました。
どうも、安倍首相が裏ではなく表千家との関係があって、表でということになったそうです。

警備が大変だったとか、茶室には主だった人と通訳だけで、控えの間にお付きの人たちがたくさん入ったそうです。
お茶を点てる方は正座ですが、メイ首相ご一行はテーブル。先生は写真で見たときはなんとチャチナと思ったそうですが、実際に見ると手の込んだ作りでテーブル面は漆塗り、それも名のある塗師によるものだそうです。
写真で青い水指しが見えますが、アップの写真に二人で声を上げました。

なんと、ウェッジウッドの水指しです。
英国人なら、これを見たら、驚き、そして、喜ぶでしょう!
これは小林一三氏が先代の即中斎さんにプレゼントされたものらしいです。
阪急電車や百貨店、宝塚少女歌劇の生みの親、小林一三さんは茶人でもありました。
池田市に小林邸があり、今は保存されて使われていませんが、和洋折衷のお茶室もありました。
近くの逸翁美術館にはその茶室が縮小再現されていて、私もここで、お茶をいただいたことがあります。着物姿でお茶を点てるのは畳敷きの本格的な茶室。一方の柱を真ん中に二辺の下はコンクリートの床。椅子が置かれていて、靴のままで椅子に腰かけて出されるお菓子とお茶を頂きます。これを何十年も前に考えた小林一三さんはスゴイです。
私たちの先生も、海外旅行先で入手した西洋陶磁器を上手に見立て使いされています。
メイ首相も、お茶席でまさかウェッジウッドの器が使われているなんて思いもよらず、さぞ驚かれたことでしょう。またその意表を突くおもてなしに喜ばれたことでしょう。