”平成の琉球処分、100年以上忘れない”(そもそも総研1/23)

先週木曜日(23日)のモーニングバード、「そもそも総研」は、19日の名護市長選挙辺野古移設反対の稲嶺氏再選を受けて、沖縄でした。
テーマは、「そもそも、本土と沖縄との意識の差を沖縄はどう受け止めているのだろうか?」

◎市長選の新聞の見出し、本土では書かれていない「大勝」「大差」について、大差の要因は保守(自民党)の変化だと、前の琉球新報論説委員長だった先生の解説からです。

玉川キャスター:19日、名護市長選挙結果。辺野古移設反対の稲嶺氏が賛成の末松氏を破りました。全国紙では大差がついたと書いてないが?
前泊博盛教授(前琉球新報論説委員長/沖縄国際大学):名護は保守と革新、賛成と反対がそれぞれ1万6000前後の48%を基礎票として持っている。残り4%の1000票がどちらに付くかで勝敗を決めてきた。
玉川:ところが今回は、基礎票まで反対に乗っかった?
前泊:そうですね。賛成が1万6000に達してないから。
前々回の市長選から逆転し、反対が増えている。
保守が変化している、変わり始めている。
(ところで、この放送があった前日水曜日の関西テレビ「アンカー」では青山繁晴氏がこれと全く逆の解説。マスメディアが「圧勝」とか「大差」と騒いでいるが本当は逆だ。辺野古移設を薄ら笑いを浮かべて「大丈夫」と言った政権側へ驕りを戒める内容ですが、市長選結果の分析は自民党の事前の世論調査を基礎にしておられるところが間違いの元か?と思ったり。沖縄と都知事選についてのこの日の解説、興味のある方はコチラで:http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1507.html
翁長(おなが)雄志那覇市(元自民党県連幹事長):冷戦時代は私たちも心の半分は自由主義時代を守るんだという中で沖縄の基地を苦渋の中で理解を示してきた。
ナレーション:しかし、民主党政権の”迷走”が基地を容認してきた沖縄の保守を変えた。2009年9月鳩山政権誕生。
翁長:私たちは自民党以外の本土の方々は沖縄基地問題に関して理解があると思ったんですね。ところが民主党政権が出来て鳩山さんが県外移設になって1年もたたずして、やっぱり沖縄に基地を置いておけとい言うことになりますと、これは自由民主党とか民主主義とか、そういうことではなくてオールジャパンで沖縄に基地を置いておけという形になったんだなと。私どもは、どちらかと言うと、イデオロギーとか冷戦構造とかいうのを基地のある中で背負っていて、何とかそれを踏ん張って保守として頑張ろうと思ってたが、本土の方は簡単にオールジャパンでやっぱり沖縄だという話になったので、これからの沖縄の問題とか基地の問題を考えるときは、イデオロギーの問題じゃないと、沖縄の場合はアイデンティティ。沖縄がまとまってやらねば突き動かせられないなというのが。私はイデオロギーよりもアイデンティティーだと。

仲里利重元自民党県議会議員&議長(昨年自民党辺野古移設を容認した直後の11月離党):(自民党沖縄)県連まで辺野古容認に変わったもんだから、これ以上自民にいるわけにはいかんと。彼達は軸足を本土自民党に置く人たち。僕みたいなのは、あくまで沖縄を地元中心にする自民党。この二通りあると思ったわけです。
玉川:自民党は二つあるんだと?
仲里:本当の自民党は僕らだと僕は思っているんですよ。
経済界にも変化が表れている。
かりゆしグループ平良朝敬CEO(沖縄資本最大のホテルチェーントップ):米軍のいる状態の中よりも今の経済効果っていうのは数百倍の効果が出るわけですね。
玉川:平良さんは普天間の名護への移設、今の案ですね、これに関しては?
平良:今は絶対ダメですね、ゼッタイが付きますね、先に。
日米安保にたいしては、多分、47都道府県の中で一番沖縄の人が理解していると思うんですね。理解した上で、国防の意味において我々は貢献しないといけないという意味では、ある程度容認しないといけないという部分は持っていた。しかし、今の情勢を見てると防衛ラインもセットバックされて変って来たよね。色んな要素からすると、もう沖縄に米軍基地はいらないね.ということだと思うんですね。

ナレーション:平良氏は軍事技術の発達で沖縄に基地を置く必要性は薄れた、さらに沖縄経済発展のためにも米軍基地は必要ないと言います。
玉川:よく”本土で”という言い方をしますが、とはいえ、沖縄は米軍がいることで経済が成り立っているんだ、つまり依存しているんじゃないですかと。大変な目に遭っていると言っても、でも経済は米軍なしでは成り立たないでしょ.ということを言う人もいるんですが、どうですか?
平良:これは以前の話であって、現時点の経済状況では、それもあんまりないと思いますね。事例をあげると、那覇市にある新都心の開発であったり、あるいは北谷町という所のアメリカンヴィレッジを含めての街の開発を見ても、米軍のいる中の状態よりも、今の経済効果っていうのは数百倍の効果が出ているわけですね。雇用の方も何十万人って出てるわけですよ。そういう意味では沖縄の中にもう事例があるわけですよ。
玉川:コチラは那覇新都心という場所なんですが、かつては米軍の住宅施設だったんですね。それが返還されてショッピングモール、シネマコンプレックス、ホテル、それからオフィスですね、タワーマンションも建っているんですね。新都心と言う名にふさわしい街に変わったんですが、実はこちらの経済効果、以前の14倍になったということです。


ナレーション:那覇新都心地区は1987年に米軍から全面返還された。アメリカ軍施設があった頃の直接経済効果は軍用地等のおよそ52億円。返還後は施設建設費、サービス業収入など経済効果は735億円にも上り、およそ14倍に膨らんだ。また、北谷(ちゃたん)町でも返還後大型ショッピングセンターが出来、返還前のおよそ174倍の経済効果が出ている。
玉 川:米軍の施設があるよるりも、無くなって、沖縄でそこを開発した方がよほど経済効果があるということですか?
平良:物流で考えると北谷(ちゃたん)とか全国の品物を沖縄に集めて夜中にアジアに運んでいく、現状、全日空さんとヤマトホールディングさんがやってますね。こういった可能性がどんどん出てきた。
玉川:経済界としてどうなんですか?
平良:経済界もみんなそう気持ちになってはきてます。ただし、それを表だって自民党政権の権力を持っている人に立ち向かえないと。心の中ではみんな思ってますよ。ただ言うか言わないかの話です。
玉川:そうすると経済界の中で基地がなくても、逆に基地が無い方が沖縄の経済のためになるという思いを持つ人はかなり増えてきてる?
平良:僕は相当いると思いますよ。
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<スタジオ>
玉川:実は基地にどれだけぐらい依存している部分があるかと言うのは、5%くらいです。かつては10何%あったんです。今は5%しかない。経済的に、観光とかでもやっていけると自信がついてきているのを感じます。
←こちら、「沖縄と本土の意識のずれ
辺野古移設について同じ質問をすると、逆になる。
松尾:辺野古移設が普天間基地の問題の解決策であるという宣伝が、本土の人間は信じて、浸透しやすくなっているいるという点があるのか・・・
玉川:もう一つ、安全保障の問題で沖縄に米軍基地があることによって抑止力になっているでしょうとい言う風な論理があるわけですね。これについても伺ってみました。
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玉川:本土の論理なのかもしれませんが、とはいえ、米軍が沖縄に居ることで抑止力になっているんだと、だから沖縄に基地が集中しているんだけどもしょうがないじゃないかってことを考える、言う人が結構いると思うんですよね。
平良:この人たちは、じゃ、自分たちの自国を守る自衛隊を信じてないんですかね。国民で構成された自衛隊を信頼して、自国は自国で守るんだという気概を持たないと、じゃあ、いつまでアメリカのお世話になるんですかと。
日米安保はすべきですよ、これは否定しません。(日米同盟ね)

しかしなんでアメリカ軍が日本にいる必要性があるんですかってことですよ。
彼らもメリットがあるからいますよね。メリットって何ですかってことですよ

玉川:何ですか?
平良:タダで使えるからですよ。タダで他人の良いマンションに住めるわけですよ。電気代もガス代も、水道光熱費もタダですね。こんないい場所、世界にないですよね。
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抑止力のための基地の必要性について
玉川:米軍基地が沖縄から無くなったら沖縄が中国に取られるみたいなことを言う人がいるんですよね。こういう声に対してはどう思われますか?
翁長:よく、尖閣竹島と比較するときに、例えば竹島は「島根県を守るために竹島を守る」とは言いませんよね。日本の国境、つまり日本の国ものだということでやりますでしょ。尖閣に対してはですね、日本全体で守るべきだとは言わなくて、沖縄のために守るんだと言ってね沖縄におっ被せるようなものがあるわんですね。
抑止力と言う意味からしますと、ある意味で、別の考え方に立ちますと、沖縄は余りにも近すぎてですね、ミサイル一発で沖縄がやられる可能性が十二分にあるんですよね。本当の意味での抑止力と言うのは日本国民全体で日本の安全保障を考えるというところに中国は抑止力というのを凄く感じると思うんですね。
リスクは沖縄が背負って、日本国民全体で国防という意識を考えることなしに日米安保とか日米同盟というものを考えては、本当の意味での安倍さんが言う日本を取り戻すとか美しい日本ということにはなりえないと思うんですね。
ナレーション:一方、平良氏は本土の論理について胸の内を吐露します。その胸の内とは?
平良:本土のやり方は、もううるさいからお金あげるから一寸黙ってよということですよね、これって悲しいよね
玉川:本土の論理に対して沖縄人としてどう思われますか?
平良:やっぱり悔しいですね。もともと琉球っていうのはずっと我慢してきた国なんですね。終戦後も、要するに27年間の日本から離された部分も、ずっと我慢しながら来ているわけですね。この我慢に対して、お前らお金あげたら喜ぶだろうという言い方をされると何言ってるんだとなっちゃうんですよね。もううるさいから、お金あげるから一寸黙っててよっていうことですよね。これって悲しいですよね
玉川:そう思ってる方って多いんですかね?

平良:私は多いと信じます。ただ、その人がどういう立場にいるかによって声を出せるか出せないかっていうだけであって、みんな心の中では思ってますよ。だから、一番力のある石破さんが国会議員5名、これ沖縄の代表ですよね。それを横に添えて容認させました、あの場面、あの写真を見て、みんな悲しく思ったんですよ、本当の琉球処分だと、二十一世紀の琉球処分だなとみんな思ってますよ、これ。
あの部分は絶対許されないです。あの写真は100年以上沖縄で心に刻まれますよ。

そのことが本土は何もわかっていません。
あれは、やっちゃいけない行為ですよ。

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←今日の「むすび」はこれで