「加害と被害の戦争」の記憶について


◎昨日のブログのお隣日記に紹介されていた「ニュースワーカー」さんというブログで8月14日の大阪大空襲を取り上げておられました。
関西ローカルニュースでは敗戦の日の前日のこの大空襲は毎年のように放送されます。たった1日のことで死ななければならなかった人たち。戦争は酷いですね。このブログの中で、小田実氏のこの日の空襲についての言葉が引用されています。(引用元「1945年8月14日の大阪大空襲」http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20140814

▽戦争体験を継承するためには、あの戦争をもっと調べる必要がある。わたしは1945年8月14日の大阪大空襲を体験した。200メートル先に1トン爆弾が落ちた。米軍は日本語のビラも撒いた。それには「戦争は終わった」と書かれていた。翌日、本当に戦争は終わった。
終戦について通説はこうだ。8月6日広島、8月9日長崎に原爆が投下され、ソ連も参戦した。ようやく日本はポツダム宣言受諾の用意に乗り出す。一点だけ「国体護持」の条件をつけたが、連合国から返事はない。最後に聖断がくだった、と、通説になっている。
しかし真っ赤なウソだ。米国へ行って調べたら、米国では8月11日の新聞に「戦争は終わった」と出ている。「天皇制は維持されるだろう」と書いてある。翌日の新聞では「維持する」となっている。
新聞報道はスイス経由で日本に届く。米国は日本に通告していたのだ。しかし、日本政府は(終戦に)腰を上げず、業を煮やして米国は8月14日に空襲を再開した。政府がグズグズしている間に、死ぬのはわれわれだったのだ。戦争の真実はまだ隠されている。ヤマとある。

◎15日の金曜日、金曜デモをお休みされた「特別な1日」さんのブログでは毎日新聞の記事の紹介がありました。これは、読んでみると大変詳細な数字による戦争の実態です。タイトルは「敗戦記念日と映画『消えた画 クメール・ルージュの真実』」(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20140815/1408092649)です。この中で、SPYBOYさんは:

終戦記念日、もとい敗戦記念日の今日 毎日新聞が大変良い記事を出していた。『太平洋戦争の日本の軍人・軍属の死者230万人のうち、6割が餓死で亡くなった』というものだ。


戦後70年:数字は証言する データで見る太平洋戦争(1) - 毎日新聞http://mainichi.jp/feature/afterwar70/pacificwar/data1.html


つまり日本の兵士は敵ではなく味方に、正確には日本軍の上層部に殺されたということだ。こんなバカな軍隊は世界でも日本軍以外にない。亡くなった兵士にしてみれば死後も東条英機と一緒に靖国神社に祭られているなんて、今も侮辱されているのと同じではないか。これを死者への冒涜と言わなくて何と言えばいいのだ。この国は国民を将棋の駒のように扱う。必要に応じて捨て駒にする。太平洋戦争でも、フクシマでも同じことが繰り返されている。日本人が敗戦記念日という日に噛みしめるのにふさわしいのはこういうことだ。


◎SPYBOYさんも「この国は国民を将棋の駒のように扱う。必要に応じて捨て駒にする。太平洋戦争でも、フクシマでも同じことが繰り返されている」と書いておられますが、私も、こういう資料を見るにつけ思い出すのは「きけわだつみのうた」で読んだ特攻隊の手記に書かれていた「鉄砲の弾ほどの人の命」という言葉です。鉄砲の弾代わりに飛行機もろとも体当たりしろという命令は人の命の軽さ(兵隊は1銭五厘でいくらでも補充できると思っていたのか?)を思わせる作戦です。作戦自体がすでに負け戦です。それも、開戦の翌年には敗戦濃厚だったというのですから、無駄死にさせられた日本人はおびただしい数字になるはずです。日本人の数がそんなだから、戦場となった近隣諸国の人達にはどれだけの被害だったか。

先日、敗戦日前の民放で「軍人勅諭」を取り上げて「人の命は鴻毛(こうもう)よりも軽し」と教えられていたことを取り上げていました。

「恥を知る者は強し。常に郷党(きょうとう)家門の面目を思ひ、愈々(いよいよ)奮励(ふんれい)してその期待に答ふべし、生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿(なか)れ」で有名な戦陣訓は東条英機だそうですが、軍人勅諭の方は明治天皇です。こちらは陸軍では暗誦させられたようです。
その一節が:「世論に惑はす政治に拘らす只々一途に己か本分の忠節を守り義は山嶽よりも重く死は鴻毛よりも輕しと覺悟せよ其操を破りて不覺を取り汚名を受くるなかれ」(現代語訳:世論に惑わず、政治に関わることなく、ただ一途におのれの本分たる忠節を守り、義務は山より重く、死は羽毛より軽いと覚悟せよ。その志操を破り、不覚をとって汚名をうけることのないように)(引用元:WIKISOURCEの「陸海軍軍人に賜はりたる勅諭」)

8月15日、何の日? どこと戦争したの? 中国、韓国? アメリカ!! うっそ〜! 

今の日本人、戦争のことを知らない・・・というのが私の年齢では本当に信じられません。「被害と加害の戦争の記憶」とサンデーモーニングで言われていましたが、アジアの平和を築くために、日本人が戦争を学び直す必要が今ほど差し迫っていることはないと思います。「されたこと」も大事ですが、「やったこと」の方がもっと大事ですね、私自身も加害よりは被害の方に偏りがちなので自省を込めて。日本人が戦争を語るとき被害に偏る理由が、SPYBOYさんが書いておられた「日本の兵士は敵ではなく味方に、正確には日本軍の上層部に殺されたということだ」にあるわけですね。そして、このことを理解してくれた中国の指導者がいた時代もあったのですね〜
でも、された者はされた事を忘れませんが、遣った方は遣った事を忘れがちです。「自虐」などと言って加害責任を逃れることからは真の友好関係、すなわち平和は望めないと思います。
◎「るりとうわた」さんの今日のブログも毎日新聞を取り上げて「数字は証言する〜データーで見る太平洋戦争〜」です。コチラで:http://d.hatena.ne.jp/sasameyuki47/20140817/p1
◎もう一度おすすめです:
戦後70年:数字は証言する データで見る太平洋戦争(1) - 毎日新聞http://mainichi.jp/feature/afterwar70/pacificwar/data1.html