「解決は”謙虚さの門”から…」(報道ステーション”吉田証言”検証・終)

慰安婦問題」と日韓関係、解決の道筋どこに


西岡力教授(東京基督教大学)「日本政府は丁寧な説明をする活動をしなければならない。それをしなかったからこうなってしまった。一方的に相手方の言い分だけを聞かされていると日本側は謝っていますというと、それはひどいことがあったんだと(国際社会は)思ってしまう。
河野談話では大変不十分なので、あたかも権力による強制連行を認めたと誤解されて読まれているので。第一次安倍内閣の時に閣議決定もある。強制連行について文書が出てきていないと。そういう解り易い国際広報をやるべき。」


東郷和彦教授(京都産業大学/元外交官、条約局長などを歴任)「根っこは、やはり、河野談話が持っている一種の謙虚さなんです。この”謙虚さ”の門から入っていく必要はあるんです。韓国人の心理に立って、その韓国人の心理をおさめるために、ぎりぎり日本が出来るのは何かというところまで考えて、それへ踏み込む必要があると思います。日本が動ける範囲はまだまだあります。しかし、韓国も動いてくれないといけない。ここにこの問題の本当の難しさが今生じていると思います。」

河野談話の作成に関わった石原信雄元官房副長官「強制性の認定があったかなかったか、それは大事な話ですけれども、それを別にしてもああいう環境の下で女性が働かされたというのは、これはもう最大の人権侵害ですから、これについて遺憾の意を表すということは、私は決して間違ったことではないと思います。
世界中、常に戦争の犠牲になるのは子供であり婦人なんですよねだから、それは日本だけじゃないと言いう言葉は、そういう意味じゃ正しいけれどだから日本の行動が良かったというわけじゃないそう言うこと自身が非難されるべきであることに間違いないわけです。」

黒田勝弘客員論説委員産経新聞/韓国を30年以上取材)「朝日新聞というメディアの影響力の強さであって、実際に影響力もあったわけで、特に日韓関係においてはね。だから、その分だけ、そこにミスがあった、誤りがあったとなれば、その分]だけ批判は大きいと思います。それは影響力の裏返しね。それが一つ。もう一つね、もし朝日が誤った報道をしていなければ、慰安婦問題が存在しなかったか、ということですね。
僕はね、それは朝日が報道しなくても慰安婦問題は起きたと思いますから。丁度、韓国側は今この問題を国際的な女性の人権問題であると、普遍的な問題であるという風に、日韓問題じゃないんだと、国際キャンペーンをしているんで、そこを上手く利用、活用して、慰安婦問題を過去にこういう不幸なことがあったんだ、これを一つの教訓としてそういうことを繰り返されないように、あるいは戦争、戦時下の女性の人権を守るため、あるいは今後、女性の人権拡張のための、ある種の国際的な基金を作りましょう、慰安婦問題を教訓にして. というようなことで(解決に向けて)ひとつアイディアを出せるのではないかと思います。」
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惠村順一郎朝日新聞論説委員「誤りがあり、それを長く正してこなかった私自身もお詫びをしなければならないと思います。と、同時に目を背けてはならないのは、慰安婦問題は消すことのできない歴史の事実であるということです。旧日本軍の管理の下で自由を奪われて人権や尊厳を踏みにじられた女性がいたことは確かなことなんです。
来年、戦後70年、日韓国交正常化から50年、節目の年を迎える政治の役割は極めて大きいと思う。日韓の政府がともに、頑(かたく)なに譲歩を拒むことばかりしていたのでは、両国の国民の感情は更にささくれ立つばかりと思う。隣国である日韓両国が未来志向の関係を取り戻すためにも、今、55人、年老いておられる元慰安婦の方々への救済の手を一日も早く差し伸べるためにも、日本と韓国の政府が遣らなければならないことはたくさんある。」
○この後、古館氏の締めくくりの言葉でこの日の報道ステーション”吉田証言”検証、終わり。
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◎知らなければ知ることから、と思います。アジア助成基金の活動について、”デジタル記念館”というサイトでは、詳しく解説されています。項目を並べてみます。
★「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア助成基金」(http://www.awf.or.jp/1/index.html


日本軍の慰安所慰安婦 :この部屋では、戦争の時代に慰安所がどのような考えでつくられ、そこにどのようにして慰安婦が連れてこられたかを歴史資料に基づいて明らかにします。次に慰安所はどれぐらいあったのか、慰安婦の数はどれぐらいになるのかを考えます。第三に、慰安所での慰安婦の生活はどんなものであったかを明らかにします
日本政府の対応とアジア女性基金の設立 : この部屋では、慰安婦問題がどのようにして社会問題として取り上げられるようになったかをふりかえり、日本政府がどのように対応したか、慰安婦問題を認めて、謝罪を表明してから、被害者に対する償いの事業を構想する過程について説明します。
 また、1995年にアジア女性基金が設立され、どのような討論をへて、事業の内容が決められたかを明らかにします。
アジア女性基金の償い事業 :この部屋では、アジア女性基金が各国・地域で実施した事業の背景と内容を説明いたします。また、事業を受け取られた被害者の声や拠金者のメッセージ、事業にかかわった関係者たちの証言を収めています。 
慰安婦問題と償い事業をめぐる国内外の議論:この部屋では、慰安婦問題とアジア女性基金をめぐる国内外でのさまざまな議論と努力について説明いたします。関連する報告書や文書をダウンロードする事ができます。
アジア女性基金の女性尊厳事業:この部屋では、アジア女性基金の第二の課題である女性の尊厳事業について説明します。女性の尊厳事業は過去の過ちに対する反省に立脚して、女性の尊厳を傷つける現代世界のさまざまな問題にとりくむものです。

◎オランダにも日本軍の元慰安婦がいたという事は余り取り上げられないので、塩野七海さんも知らずに書いてしまったという事でしょうか?

★「生き生き箕面通信」さん10月7日、<「慰安婦問題」で安倍政権側に立った塩野七生さんと月刊誌「文芸春秋」に公開質問状>(http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/396d41702c8f91e7bbbe7f794c71b209


女性中心のある団体が、塩野七生さんと月刊誌「文芸春秋」に対し、「従軍慰安婦問題」について公開質問状を出しました。塩野七生さんが、「朝日新聞の”告白”を越えて――『慰安婦誤報』日本の危機を回避するための提言」と題する朝日バッシングの論考を、文芸春秋10月号に寄せました。その内容が、あまりにもひどい事実誤認にもとづくものではないか、と公開質問状を出したのです。


 ある団体とは、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)です。


 公開質問状は、「(寄稿には)重大な事実誤認あります。これを読む限り、『慰安婦』問題の基本情報についての知識がそもそも乏しいことがわかります」と指摘し、「確認の上、早急に訂正と謝罪文を貴誌にて公表してくださるようお願いします」と、訂正を求めています。

◎コチラは女性弁護士による政府の歴史修正主義的な取り組みへの反論です。
河野談話の検証、なぜ政府は秘密裏に進めようとするのか
by 伊藤 和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長(http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20140302-00033165/


この河野談話に書かれたことは、これまで何ら疑義のない、確定した歴史認識として通用してきた。

争いのない事実ばかりであり、国連人権委員会、小委員会からもこの人権侵害の事実については詳細な報告書が出されている(クマラスワミ報告、マグドゥーガル報告など)。

そもそも、政府が設置したアジア女性基金(慰安婦の方々からは強く非難されてきた基金である)自体が、河野談話の範囲の事実を認める事実関係を争いのない事実として明記しているのだ。


アジア女性基金ウェブサイト(トップに取り上げた”デジタル記念館”)


このように、いったん国として責任をもって調査を実施し、責任を認めた植民地支配、侵略の過程での人権侵害について、いまさら検証するということ自体は、極めて異例である。 そして、その責任を否定する方向で検証が行われるとすれば、あまりにも恥ずべきことと言わざるを得ない。

<庭に咲く秋の花、上から紫苑(シオン)、ホトトギス、フジバカマ>