2月11日の比良・武奈ヶ岳とその西南稜
頂上付近から西南稜を振り返る
◎先日の連休の11日に夫が出かけた比良山(滋賀県琵琶湖西側)武奈ヶ岳の写真を2枚。
先日、居間のテーブルの上に置いてあった山の雑誌「岳人」、表紙がとってもかわいいのですが、手に取ってパラパラめくっていると思いがけない人の思いがけない記事を見つけました。
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- メディア: 雑誌
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この記事の末尾の人物紹介をそのまま:
はたけやま・しげあつ
1943年{昭和18年)、中国上海生まれ。漁師。NPO法人「森は海の恋人」理事長。京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授。高度経済成長に伴う生活様式の変化で海が汚染され始めた時期、海の環境を守るためにいち早く行動を開始。牡蠣や帆立の養殖に従事する傍ら、植林活動や、子どもたちを対象にした環境教育を通して森と海の連環を伝えている。そうした取り組みが評価された2011年に国連が定めた「フォレストヒーローズ」の1人に選ばれた。
◎写真と記事で4頁、その内容をまとめてみると:
三陸沖は、暖流と寒流がぶつかって豊富なプランクトンがあり世界的な漁場の一つとして有名です。ところが、豊富なプランクトンは実はフルボ酸鉄のお蔭であり、その鉄分は川から供給されることが研究でわかってきました。平成二年{1990年)、北大の松永教授の研究により、森林や湿地帯で形成されるフルボ酸鉄が、沿岸域の生物生産に重要な役割を果たしていることが解明される。それが科学的根拠となって「森は海の恋人」運動が始められた。
また近年、北大低温科学研究所の白岩孝行先生との出会いで、ロシアと中国を流れるアムール川から供給されるフルボ酸鉄が三陸沖まで届いているとわかる。
そこで、いろいろな経緯を経て、畠山氏は昨年の5月、ハバロフスクのロシア極東で最大の大学、太平洋国立大学の環境セミナーで講演するというチャンスが。「三陸沖の漁場を守るには、アムール川流域の環境を守られねばならない。どうしたらこのことをロシアの人々に伝えられるか。」
- 作者: 畠山重篤,徳田秀雄
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小さな機体なので高度が低い。日本海から続く沿海州の広大な森がよく見える。春の訪れが早いようで,シラカバの新緑が目にまぶしい。
アムール川が見えてきた。オホーツクの河口から800キロも上流だというのに、中国国境まで20キロもある。冬は寒さが厳しくマイナス20〜30度の日が続き、川も厚さ二メートルもの氷が張る。四月末にやっと解氷になったという。とにかく尺度を大陸に合わせないとと思うのだが、そう簡単ではない。
いよいよ、太平洋国立大学での講演ですが、国連で表彰された「フォレストヒーロー」の効き目もあってか:
会場は環境部の学生を中心に百人を超えたという。今までで最も多いと学部長も喜んでいた。アムール流域の森林が北太平洋の生物を育てていることを説明し、それを守っているロシアの皆さんに感謝します、とまず語った。
はるか北太平洋まで4000キロも離れているのだ。初めて聞く話に会場はどよめいた。
翌日の植樹祭も今までで一番の参加者数だという。ロシアの大地にチョウセンゴヨウの苗を植えた。船でアムール川へ出た。間違いない、水の色はフルボ酸鉄の色だ。
思わずロシアの森に最敬礼してしまった。