初釜?と一寸いい話(会津電力と佐賀県知事選)


11日の日曜日は、今年初めてSさんを迎えて二人でお茶にしました。お昼過ぎ、お電話があって渡したいものがあるからと。丁度、朝早く夫はブナガ岳(タケ)(滋賀県の比良山系)へ若いお二人と出かけましたので、ゆっくりして行ってとお返事。
暮れに買っておいたお薄茶がまだ棗に残っていますし、お正月、東京の長男が今年は、大阪の千里中央駅じゃなくて東京駅で買ったというお土産の駅舎をかたどった細長い最中がありましたので、京都で何年か前、夫がどうしてもと言って買った細長い焼き物のお皿の上に置いてみました。薄緑の濃淡の釉薬がかかってガラス質になっているところやところどころ素焼きがむき出しになった部分もあって、ちょっと使いこなすには難しいので飾ってはいましたが、使うのは初めて。乗せてみると、いい感じです。

年末押し詰まってから扉三枚が入りましたので、玄関の雰囲気が少し変わっているのですが、Sさん、入るなり、木彫りの丸っこい一寸大ぶりな羊にくぎ付け。もう何年も前に植木の町・山本の大きな園芸パークのお店で見つけた羊の置物です。普段は階段を上がったコーナーに置いているのですが、今年は夫の年のひつじ年ということで我が家の羊を集めて赤い布の上に三匹並べておきました。残り二つは小さなブリキと練り物製、園芸店で買った100円くらいのものです。
さて、やおら取り出されたプレゼントというのが、短冊の半分ほどの短冊形の手作りお正月用お飾りでした。金銀交じりの和紙の台紙に厚手の絞りが入った真っ白な祝箸入れの紙。これにも金の千鳥模様が入っていて、奴凧と紐が乗っています。隅っこには赤い布の梅が張り付けてあります。廃物利用とはいえ、なかなか手の込んだお飾りです。本当にお上手!
ストーブの上に置いた薬缶をお釜替わりにお茶を一服。お茶碗をお湯で温めて、棗のお薄茶を茶杓で2杯。茶筅で掻き立ててお茶を点て、お出しすることに。この間、文字通りの立礼式です。私もお自服で一服点てて、一緒にお話ししながら、二杯づつ戴くことに。

それぞれお正月に息子たちが帰っていますので、その時の話を。土曜日は、下の息子さんが10年間毎月ボランティアで通い続けているという池田の障碍者のグループの方たちとの新年会に参加されたので、その時のお話も。長男さんはご夫婦で1泊のお正月帰省だったとか。我が家も二人が帰省してくれて、お互い、若い世代を取り巻く情勢や情報や意見を聞けたので、1年1度でもウレシイね〜という話になりました。
今年も新年始まって早々、沖縄の翁長県知事に対する見え透いた仕打ち、とSさんが話し始めて、二人で会って話し出すと、もうず〜〜とぼやき続けています。新しい教科書をつくる会ができたころからかな〜とか。今年はどこまで行くんやろね〜と。4時にお開きにしましたが小雨が降り出してビニール傘をお渡ししました。(書いた後で写真の取り込みをやってみたら、今回はできました! 今まで何でできなかったの?です)

◎ところで、昨日12日(成人の日)の日経新聞、最終頁の文化欄からちょっといい話です。
「交友抄」というコラムで「東北学」の赤坂憲雄氏が福島の友人を紹介されています。読んでみると地産地消型の再生エネルギー拠点「会津電力」を立ち上げた人物の紹介になっています。

壊れたダンプ  赤坂 憲雄


 年齢は私と変わらない。しかし、けた外れのパワーで、立ちふさがる岩でも樹でも何でもなぎ倒し、突進してゆく姿は圧巻である。脱帽せざるをえない。プレーキの壊れたダンプカーのような、突破者だ。
 佐藤弥右衛門三、福島県の喜多方にある大和川酒造の旦那である。ヤエモンさんと呼んでいる。どうやら同志のような存在だ。ただし、繊細さだけはかけらもない男なので、繊細を棄てきれずいるわたしとは、よくぶつかる。
 震災後につくづくわかったが、わたしには組織を動かしたり、何か事業をおこしたりするような能力は皆無である。3・11から1ヶ月も経たぬ頃から、「福島県を、再生エネルギー特区に!」と言い続けてきたが、わたし一人では何ひとつ始まらない。それを面白がって実践に移してしまったが、ヤエモンさんである。
 気がつくと、会津電力という会社を立ち上げ、人もお金も集めて、再生エネルギー事業に乗り出していた。会津はすでに、地産地消型の再生エネルギーの拠点として世界に知られつつある。逆風はあれ、この豪快な風雲児はかならず未来を切り開いてゆく。本業の際の「弥右衛門」は、下戸のわたしを酔わせる「日本酒」を世界に広めようと駆け回っている姿もいい。合言葉は地域の自立だ。
(あかさか・のりお=福島県立博物館館長)


◎もう一つ、ちょっといい話を。11日投開票だった佐賀県知事選挙の結果、農協VS官邸と言われるほど東京の安倍政権がテコ入れした佐賀県で、滋賀県沖縄県に次いで自公与党が推す候補が負けました。
「自民県議の一部や農業団体の支援を受けた総務省出身の山口氏{49}が、自民、公明の推薦を受けた前武雄市長の樋渡氏{45}らを破り初当選。安倍政権の農協改革に県民が「待った」を掛けた形。」
「山口氏は『佐賀のことは佐賀で決める。この思いが通じ、日に日に共感が広まった』」「保守分裂となった選挙戦で議論が深まらなかった九州電力限界原子力発電所の再稼働問題については、『再稼働の方向ではあるが、安全性の確認、県民の意見を聞くことの2点はしっかりする』と指摘。オスプレイ佐賀空港への配備は『現時点では全く判断をしていない。国から今一度計画を聴き、県民から意見を聴く』と強調した。」(12日の日経新聞より)
◎負けた方の官邸肝いりの候補者は「図書館をTSUTAYAにまかせる」と訴えていたそうです。わが市でも図書館活動の合理化の話をいろいろ聞かされて、新自由主義というか経済優先がこういう所にまで及んできているのを知ってぞっとしました。奪われるものには抵抗を示す。パリ市民の意思表示に見習わないと…とも思ったり。