シールズ関西女子大生のスピーチ(戦後教育の成果)と教科書問題


我が家のお盆はいつも通り、90代の両親と70代の娘夫婦が一緒に朝のコーヒーを飲み、娘と両親が午後の紅茶を楽しむという静かでちょっと寂しいお盆を過ごしました。16日になって昼間、東京の長男に、「お盆、どうしていますか? 声を聞かせてください」と携帯に留守電を入れて、そのまま少し早目に就寝。ビデオを見ていた夫の呼ぶ声がして階下へ。息子から電話です。
夫に変わって出た電話口。昨年あたりから少し落ち着いた感じの息子です。近況をたずねる私に、息子の方から、「戦後70年だしね」と。息子は、民放の戦後70年特集の番組宣伝の製作に関わっていたようです。15日は、私は別の民放の番組を見ていて、見逃していました。注目はしていたので、番宣は見ていたのに・・・残念。

その番宣製作過程で知ることになった若い女優さんや俳優さんを通して息子は、「今の若い人たちは自分で考えて自分の言葉にできる、しっかりしてるよ」と。そこで私も、シールズ関西の寺田ともかさんのスピーチが頭にあったので、そのことを話しました。「このままで一体日本はどうなってしまうのか?と心配してたことがあったけど、今は大丈夫かな〜と思えるようになった」と言うと、「任せて大丈夫でしょ。ただし、安倍は止めさせないとダメだけどね」と。
息子いわく、戦後の世の中は左がかっていて、僕たちの高校の社会科なんて(左寄りの)無茶苦茶だった、その反動で今度は社会全体が右寄りになって、今度は、いくら何でも無茶でしょと。今の若い人たちはそれを冷静に見て判断してるね。「あんたの年齢でもそんな風に感じる?」「感じるよ〜」と。「本当のリベラルが生まれてる感じがするね」と私が言うと、「そうだね」と。息子とこんな話が出来るとは本当に意外でしたが、とてもうれしい夜でした。

◎「shuueiのメモ」さん、<「スピーチ全文掲載】「戦争を拒否する強さをもった人間を育てるために戦後教育が行われてきたはずです」〜若者たちを「利己的」と批判した議員にSEALDs KANSAI女子が反論!>からです:


 8月7日、神戸で行われた「SEALDs KANSAI」の集会でのスピーチに立った女子大生の出口さんは、自民党の武藤貴也議員が「戦争に行きたくない、という利己的な主張する若者が出てきたのは、戦後教育のせいだ」と発言したことに反論。「あなたのような発言をする大人を生み出してしまったことこそ、戦後教育の敗北です」と厳しく批判したうえで、次のように続けた。


 「それでも私は、ここで、一つだけ断言できることがあります。私が今こうやって、社会で起こっていることを自分に引きつけて考えて、持ち得る想像力を総動員し、自分の意見を、言葉を持つことができているのは、紛れもなく、武藤議員が失敗だと言った戦後教育のおかげです


 以下、女子大生・出口さんのスピーチ全文です。(全文はコチラで:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20150817/1439755183

◎お終い部分をコピーします:

 安全保障関連法案は安全とか平和とか、そういう言葉でコーティングされていますが、この法案は地球上のどこでも他国の戦争へ参加できるようにする法律です。

 武力の行使の歯止めは曖昧で、政府の中でさえ認識は一致していません

 戦争を止めさせるための仲介ではなく、戦争に積極的に加勢して、人殺しの手伝いをするような姿勢を『平和主義』と呼ぶことを私は認めません。

 
彼らは今、国会の中で『核兵器は武器ではなく弾薬だから』とか『自衛のための戦争だから仕方ない』とか、言葉遊びのようなことばかりをしています。しかし、実際にその犠牲になってしまう人々にとって、武器の分類や戦争の大義名分は、一体何の意味があるというのでしょう。

 政府与党の答弁では、実際にそれを使ったらどうなるのか、人間にどんな影響が及ぼされるのか、という事実、現実が完全に抜け落ちているし、想像力が著しく欠如しているとしか思えません。



 私は人間です。

 『べ平連』(ベトナムに平和を!市民連合)の小田実さんの言葉を借りるなら、『権力や軍事力を行使する大きな人間ではなく、戦争の被害を真っ先に受けるような小さな人間』です。

 私はそんな小さな人間の一人として、この安全保障関連法案=戦争法案に反対します。


 今まで人類は何度も過ちを犯し、命を奪ってしまいました。過去に起きてしまったことは変えられません。でも、過去をどう捉え、意味づけするか、過去をいかにして自分に引きつけて考えるか、それは、今、現在を生きる私たちに決める余地があります。

 そして、過去を変えることはできないけれど、私たち次第で、この先の未来をいくらでも良い方向に変えることは可能です。


 70年前、多くの大人達が味わった後悔を、私はまた味わいたいとは思いません。

 70年前多くの人が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、憎しみを、痛みを、私はまた味わいたいとは思わないし、誰かに味わってほしいとも思いません。

 だから、私は絶対に止めたいんです。

 本当に止めなければならないと思っています。

 だから、私はどこにいても、毎日、声を上げ続けたいと思っています。

 一緒に頑張りましょう。

 2015年8月7日 私は戦争法案に反対します

◎一方で、この民主主義教育を敵視する現政権によって教科書の書き換えが進められています。
「生き生き箕面通信」さんの「・戦後70年の検証⑩ 教育を巨大な洗脳装置として活用する安倍政権


 「育鵬社版教科書を、大阪市教委が市民の目の届かないところで採択」という“事件”が今月8月5日、起こりました。市民の傍聴などを全面遮断して、教育委員だけで採択したのです。大阪市内の私立中学校全129校(小中一貫校を除く)で来年4月から4年間使われることが決まりました


 大都市ではすでに横浜市が先行して採択しました。今年8月は教育史では後世決戦月だったと位置づけられるのではないでしょうか。来年4月からの中学校の教科書、中でも歴史を含む社会科の教科書が4年ぶりに採択され直すからです

 安倍政権は歴史を修正しようとやっきです。そして子どもの教育の場から、歴史を塗り替えようと腰を据えて取り組んでいます。狙う教科書は、社会科(歴史、公民)です。


 安倍政権による教育界の支配は、着々と進んでいます。こんなシステムがすでに完成し、すでに動き出しています。教育再生首長会議→教育再生をすすめる全国連絡協議会→日本教育再生機構育鵬社)→日本会議→安倍・下村ライン。

 これらは、自治体の首長を抑え、教育委員会を勝手に利用して、教科書を、とくに社会科では「育鵬社版」を採択させようとするシステムです。一昨年から昨年にかけて、沖縄の竹富島で、育鵬社版教科書を採択させるため、執拗な工作が行われ、最後は下村文科相までがじきじきに現地に赴いて圧力をかけた“事件”もありました。竹富町は見事のその圧力をはね返しましたが。 <後略>

★全文はコチラで:http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/c8e70539e4c6b2f859211c9bc96d75d7
(写真は16日の芦原公園。いつもは砂浴びしているハトがこの日は石の上に。芦原池が水草でおおわれていました)