先週金曜日はお茶のお稽古日でした。一時は行けるか心配していましたが、大丈夫でした。先週から体調が戻ってきて楽しみに出かけました。
来月11月は炉開きがありますので10月は風炉釜でお茶を点てる最後の月です。
今年、わが家の庭のフジバカマは小さいのが3本ほどしか咲かなくて、アサギマダラは訪れてはくれなかったようです。先生のお庭の車庫から玄関口までのアプローチに咲くフジバカマはきれいに縮れています。
先生に掛け軸の字が読めますかと聞かれて、「山、呼ぶ…」。先生が続きを「萬歳の聲(ばんざいのこえ)」と続けてくださいました。山が勢いづいている5月のころと、紅葉が始まるまでの秋の山を表現しているので今丁度かけてもよい時期なんだそうです。初めてのお軸でした。
炉を開くと、花活けの籠は陶器になり、花は椿になるので、これも秋の名残の花をたくさん生けてもよい最後。いつもは3種類ほどです。花器はヒョウタンをくり抜いた瓢(ひさご)。お花は白い秋明菊、フジバカマ、ホトトギス、ススキ、白の姫タデ。
秋の七草:萩(はぎ)、尾花(すすき)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)
春の七草:芹(せり)、薺(なずな=ぺんぺん草)、御形(ごぎょう=ハハコグサ)、繁縷(はこべら=はこべ)<昔、鶏のエサ>)、仏の座、菘(すずな=かぶ)、蘿蔔(すずしろ=大根))。
この日は棚が置いてなくて、代わりに黒漆の大板の上に風炉釜が置いてあります。
少しでもお客様が暖かく感じるように少し右寄りに置いてあるそうです。普段は小板で、大板が使えるのは10月のみ。この大板は炉の大きさと同じで、畳半畳の4分の1の大きさ。畳が基準で大きさが決まるのは合理的ですね。
久しぶりに私が最初に水屋に入ることに。俵型のお茶碗と柿の実を描いたお茶碗を選びました。真ん中のお茶碗の絵柄は七宝つなぎというそうです。
俵型のお茶碗は楕円形で両端が俵を閉じた形、糸底は四角い升型をしています。
作法はいつもと同じですよと言われましたが、細かなところは先生の指示通りに。
最後の柄杓と蓋置の飾り付けが、棚の代わりに大板の上に飾るので、これは先生の指示に従って。
陶器の器に入った主菓子は先生手作りの柿をかたどった練り菓子。柿の色を二色で作るのが難しいらしいです。しっとりと甘く美味しくできていました。干菓子は稲穂の落雁、これも先生が型に入れて作られたもの。手前は沖縄の黒砂糖菓子。ピーナッツが入っていたかも。
風炉を使ったお点前を二人が終わった後、立礼式に移ります。先生が炭火の後始末をされ、扇形テーブルの左端の埋め込みに置いてある電気コンロの上に釜を移動。その間にNoさんがお点前の準備を。水差しの絵柄は狂言袴。白っぽいお茶碗は淡路島の焼き物で萩焼風。夏に使う平茶碗ほどではありませんが口が少し広め。真冬にはやはり使えないそうです。棗(なつめ)は朱色に金彩でスズメと稲穂が描かれています。
お菓子の追加がありました。娘さんが仕事でシンガポールに出張した時のお土産とかで中にパイナップルの餡?が入ったクッキーのようなもの。お茶に合いました。
二服点てたところで、先生から「おもやいで」と声がかかりました。「面合」と書いて、「もやい」と呼ぶそうです。一椀で二人分のお茶を点てて回し飲みすることを言います。これも初めてでした。お客さんのほうで、お茶を点てる人の手間を省く気遣いで「お面合でお願いします」と声をかけるそうです。
この日はおいしいお菓子とお薄茶三杯をいただいて帰りました。
追記:そうそう、この日、雨が降っていたのですが、この雨の中、庭に生っているミカンをNoさんがご主人に頼んで取ってもらったと、三人にビニール袋一杯の取り立てのミカンをNoさんから頂きました。高台にあるNoさんのお庭はかなり急な階段の上にありますので南の日がよくあたるはず。黄色いミカンのところどころのに青みが残っている美味しそうなミカン。帰って3人で食べましたが、薄皮の程よい酸味が残って、母も昔のミカンの味だとたいそう喜んでいました。初物の本物?のミカンを味わいました。