今年の終わりに


ブログを始めて6年目が終わります。
今年2015年は、イスラム国(IS)により日本人二人が人質となったニュースで始まり、また、ジャーナリスト一人が拘束されたというニュースで終わります。どちらも我が国の政府は人質になった日本人を見捨てるか無視して終わりです。こんな国になってしまっています。<PS★ハフィントンポスト(12/29)「安田純平さん拘束・身代金要求の発表、国境なき記者団が撤回」とのこと>こんな国でいいのか…と思いながらの一年でした。でも社会がおかしくなっているのは日本だけではない、世界がおかしくなっている今年でした。そんな中、若い人たちはどうしているの?と去年までは思っていましたが、今年はその若者たちの発言や行動に明るい兆しを感じています。世界が、そして、日本が、混沌の中から抜け出せるのか、こんなにスリルに満ちた時代を生きる巡り合わせを感謝したいと思います。
今年は、夏、父が99歳を迎え、三人娘家族一同白寿の会を箕面で、そして秋には、両親の孫娘の東京の自宅訪問、ひ孫たちの生活ぶりを見たり、神奈川に居る娘一家と会食出来たり、東京で働いている孫(わが息子)とも会えたりの楽しいひと時を持てました。

私は、妹のひとりが何日間か我が家に来て泊まってくれたお蔭で、安心してスペイン旅行に出かけることが出来ました。夫の親友ご夫婦との積立金が無駄にならないで良かったです。積立は今回で最後になりました。これからは、時機を見て、数日の夫婦旅行を楽しみたいと思います。
父が外へ出なくなったので、今年は、朝のコーヒータイムに加えて、お昼のティータイムに出来るだけ声を掛けるようにしました。夫が居れば声はかけますが、お昼は夫の好きにして、ダイニングテーブルで3人でお茶して、夫はサンルームで好きにしてるというケースも。こうやって、お茶して喋って笑っていられるのは、本当に幸運です。
先日、唐池公園でのこと。少し西に傾いた太陽が雲間から漏れると、スズカケの木に残っている紅葉した葉が一瞬輝きを取り戻して華やぎます。
今年もブログを訪ねて読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました。良いお年をお迎えください。
◎どうしても年内にメモしておきたいツィートを内田樹氏のツィート欄から:

内田樹さんがリツイート

山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · (12月27日)
<安倍政権3年>公約達成度、上昇…本紙・言論NPO(毎日)http://bit.ly/1Pqakwa 「安倍政権発足から3年間の実績評価」とあるが、完全に「首相官邸目線」に立つ評価で、第三者的・批判的視点からの総合的評価ではない。


(続き)総選挙時にTPPや原発再稼働で嘘をついて有権者を騙したことや、メディアに圧力をかけて報道の自由度ランキングを下げ続けていること、首相周辺の人間による差別や偏見の煽動など、負の面には一切触れていない。憲法学者による違憲の指摘を無視して、法案採決を強行した行為も無視している。


ジャーナリズムによる「安倍政権発足から3年間の実績評価」は、首相官邸側が提示する論点だけでなく、彼らが言及を避ける論点にも光を当てないと意味が無い憲法尊重擁護義務違反やテレビと新聞に対して繰り返された恫喝と干渉などに全く触れない「実績評価」は、与党の選挙向け宣伝に加担している。

◎沖縄は、日本の立場やアメリカとの関係を明らかにしてくれています。
それなのに、沖縄の特殊性だの地政学上だのと言い出すと、沖縄は日本じゃないのかと思います。

山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki ·ウ(12月27日)
沖縄抜き「全国戦災史」 国の調査、戦後70年行われず(東京)http://bit.ly/1Jaaarv
「太平洋戦争の惨禍を後世に伝えるため、戦災に関する資料を調査・収集した政府の『全国戦災史実調査報告書』から、激しい地上戦があった沖縄戦が抜け落ちたままになっている
沖縄県は今年、政府の責任で記録を残すよう求めたが、安倍政権はあらためて調査はしない方針」「沖縄返還(七二年)後の調査にもかかわらず、沖縄戦については一部の年表で『沖縄の守備軍全滅』などと簡単に触れるなどした程度。『四十六都道府県における戦災を対象に調査した』と注釈を入れた年も」



安倍政権と「日本会議」などの国家神道政治勢力にとって沖縄戦で露呈した「軍が市民を守らなかった」事実は、戦前戦中の「国の教え」と「実体」の乖離を物語る不都合な出来事であり、できれば自国の歴史から消したい。現代の沖縄県民に対する現政権の異常な敵意も、こうした歴史と無関係ではない。


・前に読売テレビ「そこまで言って」の沖縄問題特集で、沖縄を代表して出演した三人に対し、竹田恒泰氏や宮崎哲弥氏ら常連出演者が「東京大空襲や広島・長崎の原爆投下でも、大勢の市民が亡くなった。沖縄だけが特別のような発想はやめるべきだ」と言っていて唖然とさせられた。沖縄戦の実情を無視する。・東京や広島、長崎に爆弾を投下したB29の乗員の中に、日本軍人は当然いなかった。しかし沖縄戦沖縄県民を殺した軍人の中には、アメリカ兵だけでなく日本兵もいた。戦前戦中の国家神道の思想では、天皇以外の自国民や他国民の命は、尊重すべき対象ではなかった。日本軍人は沖縄県民を守らなかった。


安倍政権は何かにつけ「国を守るため」との言葉を政策正当化の方便として使うが戦前戦中の国家神道の思想では、守るべき国とは「天皇を中心とする国家体制」のことであり「国民の命」ではなかった首相が「国を守る」という言葉を使うたび、国民は「貴方のいう国とは何ですか」と問わねばならない。


◎今年、8月15日の首相談話と、昨日の慰安婦問題を巡る日韓外相会談の結果は、結局、村山談話を引き継ぐこと、慰安婦問題を認めて謝罪すること抜きには日韓関係の前進はないという事を示すものでした。安倍首相の本心が、”心ならずも…”なのか、アメリカとの安全保障や辺野古問題での取引?なのか、判りませんが、私は素直に喜べす、大いに疑わしいと邪推?しています。
●昨日の山崎行太郎氏のブログ「毒蛇山荘日記」からです:

さて、朝鮮人慰安婦問題ですが、安倍内閣慰安婦問題の対策と処理には驚きました。これが「安倍流政治的決着」なのでしょうが、正直に言うと、安倍内閣の面々があれほど批判罵倒していた「村山談話」以下だと思います。しかも、米国政府にオンブにダッコ。最悪です。これが、「長期安定政権」(?)のためには必要不可欠な「政治選択」なのかも知れませんが・・・。


「これが政治というもんだよ」と安倍晋三や、安倍晋三を支持・応援する保守論壇の似非保守思想家たちは、得意になって自画自賛するかもしれませんが・・・。

●お忙しい年末に少し長文ですが、おススメ記事です。
☆句の無限遠点☆(27日)さんの「朴裕河著『帝国の慰安婦』要約-忘備録」


本年初頭、立命館大学衣笠校舎で、朴裕河教授のシンポジウムに参加してから、朴教授の主な著書すべてを読んでみた。
それ以前に、ツイッターでの個人的やりとりから、深い哲学的造詣と日本文学思想への理解を感じて並々ならぬ知識人だと感じていたが、それを裏付ける鋭い論述であった。なかでも、留学中柄谷行人の影響を受けたと述懐しているように、それを裏付ける論旨であった。


朴教授の慰安婦問題への向き合い方が、日韓双方のナショナリズムへの批判を梃子に、日本の左派支援団体と韓国反日ナショナリスト団体が連携して、両者が自分のイデオロギー的政治改良運動に利用していることへの憂慮であり、慰安婦たち自身への解決を目指すものとはなっていないとする立場が、長年筆者が指摘してきた立場と近かったという点に共感したのである。

☆全文はコチラで:http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20151227/1451183026
◎またまた長くなってしまいました。それでは、いま一度、良いお年を!!
PS●内田樹氏のツィート欄で知った今回の日韓合意についての白井聡氏のコメント。少し長いですが、引用しておきます。急転直下の合意について、どう考えたらよいのか…がクリアになります。忙しい方は最後の処だけでも!!

白井 聡


13時間前 ·
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http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php
本件に関し、私は精通しているわけではないのですが、それでも少々言っておきたいと思います。


まず、多くの方々指摘していることですが、「最終的、不可逆的解決」を語れるのは、政府ではなく被害者の方々のみです(この論理を否定する立場は、自覚の有無にかかわらず国家主義であると私は思う)。それでは、被害者の方々は、何を基準に「解決とみなせる」と言っているのか。リンク先の声明によれば、「事実の認定、謝罪、賠償、真相究明、歴史教育、追慕事業、責任者処罰」です。今回の政府間「合意」は、後半四つの項目(真相究明、歴史教育、追慕事業、責任者処罰)に関し、何一つ言及がありません。この点で、今回の「合意」は致命的欠陥に冒されていると私は考えます。


ゆえに、残念ながら、日韓関係の棘であり続けてきたこの問題は、長期的にはまたもやさらにこじれることになるでしょう。合意内容によれば、今後の日本政府の義務は、10億円を払えばそれで終わりになります。例えば、教科書検定等を通じて歴史教育を放棄(より正確にいえば「禁圧」である)しても、文句をつけられるいわれはない、ということになった。他方韓国政府側は、「もう二度と蒸し返さない」ことを義務づけられた。特に難問は、ソウルの日本大使館前の慰安婦像の移動・撤去でしょう。支援者らがこれに抵抗すれば、強権的にやらざるを得なくなります。両国政府の負った義務の不均衡は明らかだと思います。


なお、「元慰安婦支援団体は韓国における極右的団体であり、彼らは〈反日のための反日〉を事としている」という見方があります。私の経験上、支援勢力の一部にそうした傾向があるということは、信頼できる(と私が思う)筋から聞いたことがあります。しかし、当たり前ですが、すべての支援団体がそのような勢力であるわけがありません。
思うに、日本における北朝鮮拉致被害事件をめぐる状況から推量が可能だと思います。同事件が表面化したとき、「救う会」は「北朝鮮政府を糾弾し、日本政府の不作為に抗議する」というそれ自体は真っ当な主張を展開しました。しかしながら、「救う会」が喧伝し始めたイデオロギーを見ると、「真っ当な主張」の動機が真っ当でなかったことが、明らかになりました。彼らの多くが、本当のところ被害者やその関係者の救済を望んでいるのではなく、一方的な被害者の立場を利用して思う存分ナショナリズム感情を満喫したいという動機に駆られているにすぎなかった。このことについては、蓮池透氏が様々な機会で告発しています。どの国でも、同胞が他国による著しく不正な行為の犠牲となったとき、こういうタイプの「愛国者」が必ず発生します。この現象を以って、「元慰安婦支援団体はみんないかがわしい」とする見方は、およそ公正ではありえないでしょう。


最後に、今回の合意に関してポジティブなことがあるとすれば、次のことでしょう。まず、安倍晋三氏は、「国家の関与は証明されていない」といった類の妄言を二度と口にできないであろう、ということ。このことは、この世の中から不快なことをほんの少しだけ取り除いてくれる。それからもう一つは、今回の「合意」形成の経緯から、「日本の歴史修正主義者が歴史を修正できる範囲は、アメリカが決める」という構図があらためて周知されたことかもしれません。自国の歴史もアメリカ様から与えてもらう「愛国者」! この惨めな現状がさらされたことは、一つの前進かもしれません