1月のお茶のお稽古

17日、阪神淡路大震災の日の午後が今年最初のお稽古日でした。生徒の3人のうち2人が箕面市民、お一人は池田市民。先生含めて3人が午前中黄色いハンカチを外に出しました.

お独り暮らしの先生は前日からハンカチを出して忘れないように気を遣うそうです。出していないと心配されて声を掛けられので・・・と。

1年に1回だけの黄色いハンカチの出番ですが、一回きりの出番で済んでいるのが何よりです。

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掛け軸は「彩凰舞丹宵」(さいおう、たんしょうに舞う)。意味は、彩り鮮やかな鳳凰が夕焼けの空に舞うというおめでたい光景を表しています。つやのある黒い陶器の花瓶の花活けにはスイセンと蕾の椿と黄色い蝋梅が生けてあります。

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さて、お部屋に入ると棚が小ぶりで可愛いし、横から見ると細い足の真ん中と一番下の六角形の板の横にも朱が入って華やかでもあるし。初めて見る棚です。それもそのはず、日本に61個しかない貴重な棚。即中斎(表千家家元の祖父)が60歳の還暦の時に考案されたもので61しか作らせていない。その一つが金沢で手に入ったそうです。亡きご主人が金沢で仕事をされていた時に出会ったもので購入されたとか。今度2月のお茶会で使われるそうです。

『宝来卓(ほうらいじょく)』という名前があり、3枚の板は六角形で亀甲(亀の甲羅)を表し、朱色の入った細い柱は鶴の脚を表しているそうです。

棚に置いてあるのは木目がくっきりと美しい茶色の平棗(ひらなつめ)。模様は三角形の鱗(うろこ)模様に鶴が書かれていて「鱗鶴」というのだとか。いつもの縦長のナツメ型の棗とはと違って平棗は横に大きいので左手の手のひらで受けて扱います。

水屋に入って、お茶碗を選んで水につけてある布巾を絞って畳んでお茶碗の中に入れて茶せんを載せ、節のある茶杓を選んで仕組みます。建水には、松の葉模様が抜いてあり中が緑色に塗ってある蓋置を置いて準備。

喰籠の中をのぞくと花びら餅が三つ入っているので、水につけてある黒文字のお箸を拭いて蓋の正面に置き、お客側が正面になるように持ち替えて部屋に出ます。(干菓子は松竹梅をかたどった落雁がお盆に乗せてありました)それから仕組み茶碗と替え茶碗を持って部屋に入り宝楽卓の前に座って棗を下ろし、お茶碗をその横に置いて、水屋に引き返し今度は柄杓を置いた建水を持って部屋に入り、一度建水を置いて襖を閉めます。お点前スタート。

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↑松の絵のお茶碗は和歌山県白浜の葵窯。日の出の太陽に鶴の絵は京焼。

時々先生の注意が入り、はっと気づいて直したり次の手順に進んだり。以前のように、なんで止められたのか、次に何をするのか全くわからないという状態ではなくなってきました。体や手が覚えている状態に近づいてきました。月一度のお稽古、家で復習せずでも年数が経つと少しは身についてくるようです。

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最後に立礼式。この扇形のテーブルも特殊なので、先生でも、これを持っていないと膝が悪く正座できない人のためのお稽古は出来ないですね。

2月2日は先生がメープルホール初釜の担当。当日も私は洋服で裏方ですが、着物のお二人のうち足の悪い方は受付、もう一人は初めてのお茶運びなので練習。私がお客役。引き返す時の向きとか、お茶碗を引き取る際、両手で持ち帰る時の持ち方など少し練習。

最後に祝い扇を飾る竹製の衝立が1つだけあるのでと私が先に頂くことに。手作りのごま竹製で1500円でした。上手に工夫されています。

早速家で飾ってみました。

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何かで読んだ日本料理の料亭の女将さんのお話ですが、お客さんで来られて席に座って腕時計と指輪を外されるのを見ると、いいお客さんだなと思うのだそうです。そういえばお茶席では、陶器や漆器の大事なものを傷つけないように時計と指輪は厳禁です。