10月のお茶のお稽古


今月も第一週の金曜日がお稽古日。
朝方は冷え込みますが、日中は暑いような。風邪気味の私は、半そでの上に七分丈のカーディガンを羽織って出かけました。
お部屋に入ると先生は涼しげな半袖。私も歩いてきたのでカーディガンを脱いだのですが、やはりちょっと寒い?ような。
でも、釜に火が入っていました。
私が真っ先に水屋に入って支度をしていたのですが、先生が、練習のため? 10月だけど風呂釜をやめて炉にしましたとお話しされていたような。
そういえば、11月の最初の日曜日が先生の月釜当番(「箕楓庵」の)でした。
まず、掛け軸は、「利休100首」として伝えられている教えの言葉が書かれていました。夏は涼しく、冬は暖かく……と読めます。


先生のお話では本当は数は少なかったのを弟子たちが足して100になったのではないかと。
お花は籠に秋草が盛りだくさんに挿してあります。秋のお花は残花(ざんか)といって沢山活けてもいいのだそうです。

ススキ、フジバカマ(右下)、八重のムクゲ(一番下)、小さいピンクの花が高砂芙蓉(左上)、濃い紫の花はノダケ(真ん中)、赤い水引草(左横)、小さくて赤い豆粒が細い茎の先端にくっついているのは星の滴(しずく)?
これで、7草ですね。(濃い紫のノダケ➡)
ところで、「星のしずく」という草、そういえば、植木鉢の隅にひとり生えで小さな丸い粒を付けたのを見たことがあります。花が咲いたのを見たことがなかったので、この丸い粒がツボミという意識もありません。ネットで調べてみると、名前がたくさんついていて、花の咲く時間が決まっているようです。


「三時草」(サンジソウ)、「三時花」(サンジカ)
「午後三時の天使」「三時のあなた」「三時の乙女」「三時の貴公子」
ここまでは、このお花が午後3時頃から咲くことから名付けられました。
ほかにも、
「江戸の花火」「おしんそう」「星月草」「コーラルフラワー」(珊瑚礁の花)
「花の雫」「夕日草」「ヨヨノホシ」など(もっとあるのかも)。

わたしが教えてもらったのは、「星の雫」(ほしのしずく)。
お茶席で茶花名として、こう呼ばれていたそうです。


水屋の棚に用意された主菓子の入った陶製の器に、
水につけてあった黒文字のお箸をつけてお客さんにお出しします。
建水に蓋置を選んで柄杓をうつむけて乗せて置きます。
お茶碗は、志野焼き風ですが、先生によると”草花(そうか)紋の唐津”の大振りのお茶碗を選んで、茶巾を絞って茶筅茶杓を添えて仕組み茶碗に。
替え茶碗には、京焼の薄手のお茶碗ではお茶をいただくとき熱いので、ぼってりとした楽焼の写しを選びました。
二段の棚に棗〈なつめ〉が飾ってありましたので、仕組み茶碗と変え茶碗をもって出ます。
次いで建水を持って出て、お点前を始めます。
炉ですので、炉の左の内角(うちずみ)を正面に合わせて座りますので、お客さんからすると斜めに見えます。
風呂釜の作法と違いますので先生の助言が頼りです。

朱塗りの棗の蓋には3羽の羽を広げた雀が、胴体には稲穂が描かれています。
雀が稲を狙っている図ですね。まさに10月のお道具です。
蓋置のはっきりした絵は、たばこの葉という説明があったような。
そのあと、お二人のお点前でお茶を2服と、お菓子をいただきました。
先生が白内障の手術を受けて、残る一方の目の手術が中旬に控えているとか。母がその翌日に白内障の手術の予定だというと、95歳で!とお二人がビックリされました。先生は、受け答えがハッキリされているから手術できるのよと。手術中に指示された通りのことが出来ないといけないそうです。あれは、6月中頃、父が最初の訪問医の先生の診察を受ける日がちょうど母の市立病院眼科の診察日でした。かかりつけの目医者さんが紹介状を書いて市立病院の予約を入れてくれたので断るわけにいかないと母が言い出しました。代わりに私が訪問医の先生に父の病状を説明することにしたその日、手術日が10月の母の誕生日と決まりました。帰りの車の中で母が、「お父さんはそのころまで生きておれるかね〜」と独り言を言ったら、運転している夫が「無理やろな〜」と言ったそうです。その日を父も元気に迎えられそうです。