「国民怒りの声」と立憲主義を語る小林節氏講演会

(「除染土再利用と・・・」についで、2つ目です)

6月8日水曜日、午後7時からメイプルホールで小林節氏の講演会がありました。数週間前に、Sさんにチケットをお願いして入手していましたので、この日までに風邪を治してと目標にもしていたのですが、なんとか、出かけました。
先に「みのお9条の会」の黒田悠紀子さんのご挨拶があり、テレビでお見かけするご本人の登場です。早口で気短かな江戸っ子堅気とお見受けしました。
質問コーナーでの質問に答える形で参院選には出馬することになるだろうと、そして最新のお話をされたのが、民進党と連合との決裂のお話でした。以下、東京新聞で・・・

民進との共闘を小林節氏が拒否 連合会長と協議決裂

2016年6月7日 東京新聞 朝刊


 連合の神津里季生会長は六日、政治団体「国民怒りの声」代表を務める小林節慶応大名誉教授と東京都内のホテルで会談し、参院選比例代表での民進党との共闘を提案した。民進党の比例名簿に小林氏らを登載し、比例票の底上げを図る狙い。小林氏は「民進党とは目指すところが違う」として拒否した。複数の出席者が明らかにした。


 出席者によると、神津氏は会談で「全野党が一つになって戦うべきだ。民進党の名前に結集してくれないか」と打診した。これに対し小林氏は「政策を打ち出せない民進党と一緒にやっても意味がない」と述べ、協議は決裂したという。


<関連記事ピックアップ>小林氏ら団体設立 反安倍、でも野党不信の「あきらめ票」発掘狙う(5月10日)

◎講演会は、9条の会の方の挨拶から。
2009年に”戦争を知ろう”という戦争展を「みのおピースフェスタ」として企画。
昨年、6月4日、国会で安保法案は「違憲」と長谷部氏が発言されたことから、反対が盛り上がる。また小林節氏も「安保法制は違憲」と明確に発言されてきた。しかし9月19日、強行採決された。憲法違反の法律である。私たちは「ママの会」の主張「だれの子どもも殺させない」平和を求めます。
続いて「立憲主義を語る小林節さんの講演会『今こそ憲法が活きる日本を!』」です。

まず、先に挨拶した黒田さんさえ、戦争法である安保法を「安保法」と言ったと云う指摘から始まりました。
安保法=安全保障法制を、敢えて「戦争法」というのは、安倍政権が、今まで現憲法下では戦争は出来ないとしてきた解釈を、全く翻して、戦争は出来るとするもので、文字通りの戦争法である。
国と国の衝突は国際法の問題となり、軍人が民間人を殺せば人殺しだが、戦争で、軍人が軍人を殺せば、相手の位が高ければ英雄にもなり勲章ももらえる。
9条の二項は明確に軍隊はもたない、交戦権は行使できないとなっていて、憲法は戦争を拒否している。
その戦争できないはずの国が、戦争に行く手続きのできる国になった。安保法は戦争法である。
それなのに、戦争法と言えないのは、情報統制であり、言葉刈りであり、言論の自由に反する。
自由と民主主義というのは、全員が違うのが前提。異なる意見を自由に議論し合って、理解が高まった時点で決めるというもの。
それなのに、自分たちと違う意見を許せないというのはナチズム。自由と民主主義をはき違えた自民党を公明という名の党が平然と見ている。今闘わないと後悔するという思い。


集団的自衛権行使容認で同盟国アメリカを助けるのは、愚策である。
中東の混乱は900年の背景を持つ十字軍であり、キリスト教イスラム教の原理主義同士の泥仕合
アメリカの二軍は英国、日本がアメリカの第三軍になったとして、イスラム教徒を敵に回すだけ。
感じの良い平和大国日本というブランドを自ら捨てるリスクは大きい。一国が損得考えるのは当然。
アメリカは戦費破産の国。孤立感から日本に「ショウtheフラッグ」と言ってみたりする。

中国の南シナ海でのやり方を見ても、あれは明確な国際法違反。しかし、やる。
国際司法裁判所に訴えても、ヤダで、逃げる、大国の楽な方法で決着する。国際社会は未だ未成熟。
そんな中、日本は国連第二のスポンサーで、ドイツに次いで経済大国、そして技術大国。戦争しない国としての独自の存在。

それなのに、安倍首相は国連で「積極的な役割を果たしていく」と演説、その上、国連で「安保常任理事国になりたい」と。
ロシア、中国に拒否権があるというのに、本気か? それよりは、非戦の大国として、6番目の平和のクッションとして、大国が行き詰ったら”もうやめたら”と止め役を務める方が戦略的にも賢い。

3回の国政選挙で自民党が勝てたのは、選挙制度の所為。一人区の選挙区では野党が一つになって初めて勝負になる。昨年、共産党の山下氏と話した時、「ファシスト自民より、傲慢な民主党の方がまだよい」と話した。その後、共産党は変わった。
比例区については死票対策が必要。4〜5割が棄権しているから自公の存在感が上がる。
民進党が政策面で自民党と変わらないので、自民を選ぶ人が居る。仕方がないので第3の旗を挙げた。
「どうせ変わるわけがない」、「入れる政党がない」人たちが棄権する。
今回は、俺の一票で変わるかも知れないと思う人が野党共闘に入れる。世の中の一割の人に分かればいい。
山下さんも「小林さんにも参政権があるから」と最後に言ってくれた。


今大変なことが起きていると思う。
憲法学者として立憲主義を教えて来なかったと反省したが、よく考えてみると、刑法の教授が授業の前に、犯罪は犯してイケナイなんて言うだろうか? 債権法の教授が、借りた金は返さないとイケナイなんて言って授業を始めるだろうか? 憲法学者が、憲法は権力者を縛るもの、権力者は憲法を守らないとイケナイ、なんて言わなくても小学生でもわかること、と思い直した。

徳川幕府から明治維新を経て、独立国家の体裁を整えるために外国の憲法をお手本に作った。しかし、告文、私は「お告げ文」と呼んでいるが、があって、125代の天皇が背後霊のようにいる。民衆が勝ち取った憲法ではなかった。しかし、作った伊藤博文たちはよくわかっていた。この人たちがなくなった後、天皇は、現人神(あらひとがみ)になってしまった。神であるはずがないと言うと右翼から電話があるが、酒を呑めば有耶無耶に終れる。
そして民衆の身に着かない憲法のもと、あの戦争、そして敗戦。今度はマッカーサーによる新しい憲法。当局者たちには押しつけだったかもしれないが、国民にとってはありがたい。しかし、今度も、民衆が勝ち取った独立でも憲法でもなかった。

日本は、アベノミクス行財政改革の失敗、言論統制表現の自由を奪われ、戦争法で高級兵器を買わされている。
現与党が選挙に勝てば、確実に、平和の反対方向へ行く。
自由と民主主義を守るため、公明な政治を守るため、立場が違っても賢い選択を下さないといけないと思う。
    XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

この後、質疑応答がありました。
この中で、「戦争法」について、箕面市の女性が質問。
<戦争法で正しいと思うが、駅前で訴える時、ためらうことが。ある時点から、言えなくなった。
「戦争法」と言うだけで、自公の支持者を排除しているのではないかと考えた・・・>
小林氏は、<言論統制に負けてるから、そうなってしまうのも仕方がない。アレルギーがある人もいる。
私はそういう時、新安保法制と言う。「新」て何?となれば、そこから話が出来る。>
また、共産党と政策が同じなら共産党から出馬できないのか、という質問には、出来ません、入党を勧められたが、自由が好きだからどうしても少数意見の方にいってしまうとも。大きな組織の中では生きていけない、根っからの自由人・慶応人に見えました。

   VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV

講演の中で、小林氏は、メガネはメガネであって、他の名前ではない、と言われました。安保法制は、今までできなかった戦争を、180度変えて、戦争できるようにする、まさに「戦争法」なんだというお話は、裸の王様を「裸」と言って何が間違いだという話に通じます。
安保法制に反対する人たちの間でも、デモで「戦争法反対」と言えないとか、デモ隊が「戦争法」というのは、聞くに堪えないとか言われることがあります。小林氏は放送局で「戦争法と言わないでください、言ってるのアカハタくらいです」と注意を受けたそうですが、そういう規制があるから、そう思うのか、それとも、戦争法だと思わない人を排除する気があるから「戦争法」は良くないのか。


考えるに、元はと言えば、政権側が「戦争法」である本性を隠して「安保法案」としてひっくるめて提出したのを、国会では、社民党福島みずほ氏が最初に「戦争法」と呼んだと言われています。が、あまりにズバリで、政権側は、戦争法と呼ばれることを嫌い、メディアで使わないよう圧力をかけだした。それに「負けて」、戦争法といえば、ある政治勢力をイメージするようなムードが醸成された。それで、「戦争法」と言えば、そう思わない人たちが思考停止して、レッテル張り(昔ならアカ攻撃)に回る可能性が出てきた。その結果、「戦争法」と呼ぶと、対話拒否、議論拒否、と反対する側でも意識するようになった・・・これぞ、言論統制!?!
小林節氏の今立たねば…と云う危機感がどれだけ共有されるか・・・ご本人は、1割の人が分かればと仰っていましたが。
終って、カンパの封筒を預けようとスタッフの一人に声を掛けたら、直接どうぞと言われ楽屋への扉を開けて。中で、お渡しするとき、クラウドファウンディングが出て来ず、ネットで出来なかったので直接…と云いかけたら、小林さんも「僕もあれ出来ないです」と仰って「元気が出ます」と言われました。野党共闘の邪魔になるという見方もあるようですが、今のままでは民進党にまた民主党の時のように裏切られたくないという思いの人たちも多いと思います。選択肢が増えれば投票したい人も増える可能性があります。ご健闘を祈ります。