8月はお稽古がお休みだったので、9月に入ってすぐの今日がお稽古日。それに、9月は何かと行事が多く、お一人の方が忙しくなるので、早目の今日に。朝晩はすっかり涼しくなりましたが、日中の2時前、外の日差しはさすがにまだまだ夏。日傘をさしていても強烈な晩夏の熱線を感じます。
少し早めに着いて、冷房のかかったお部屋に一人。簾(すだれ)を巻き上げた状態で鉤状の金具で止めてある状態と、簾を下した処がありましたので、写真を撮ってみました。
この大きな釣り針のような鉄製の鉤(カギ)がもう手に入らないと先生が仰っていました。ふとお部屋の中の簾の上部を見ましたら、こちらにも、カギ状の飾り彫りの入った金具がついていました。さすがにスダレ部も飾り紐も金具も優雅にできています。
掛け軸は「江月照松風吹」で、読んで字の如く、湖に月が煌々と照っていて、松林を風が吹き抜けている様でしょうか。
お花は、アケビの形の竹籠、”あけび籠”に、細かくて白い花がタデ、ピンクのシュウカイドウ(秋海棠)と、白くて真ん中が赤い花は木槿(ムクゲ)。
今日は棚が置いてなくて、陶器の蓋物、丹波焼の水差しが畳の上に直に置いてあります。
これでいいの?という感じですが、先生が、「今日は棚なしです」と言われて、初めてだったかな〜と思いながら、水屋へ。
どっしりとしたお茶碗に藍染の水墨画模様が大胆に描かれているお茶碗。
これは木米(もくべい)かなと思ってお茶碗を引っくり返して見たら、
赤い筆で「木米」とありました。木米写しです。
ついでに大ぶりのサーモンピンクがかったお茶碗、萩焼らしいのを選びました。
蓋置は竹製のものしか置いてないので、節のあるのを選びました。
畳に直置きの場合は、蓋置は竹製のものを使うのだそうです。
冬になって、釜が大きくなると、合わせて蓋置の竹も大ぶりのものを選ぶとか。
節の位置が真ん中に来たり、上3分の1とか、下3分の1辺りにあったり、
竹のシミ?を模様に見立てて、景色の良い方を正面にしたり、
さまざまに趣向を凝らして、自由に使って良いんだそうです。
二服お茶を点ててから、お客さんに回りました。
ガラスの蓋物の菓子入れに出されたのは、
よく冷えた葛を使った夏菓子、小豆の色が美しく映えます。
二度目は先生手作りの水羊羹でした。
こちらも程よい甘さで美味しい。
出された京焼のお茶碗は
金彩の大きな満月に桔梗の絵柄でした。
もう一つは、珍しいブルー地にウサギ。
干支のお茶碗ですが、長月の9月にも使えます。
お茶碗の内側にも波頭が描かれています。
波頭に白ウサギ、これは、”因幡の白兎”! 先生にお尋ねすればよかった…
立礼式のテーブルの上で使われた水差し。
鮮やかなブルーの濃淡と黄色が美しいですが、イタリア製。
朝、BSテレビで関口知宏のイタリア列車の旅を見ていて、そうそうイタリアのお土産の水差しがあったと思って取り出されたそうです。
お部屋に入ったとき、真っ先に目につくほど派手ですが、お茶の道具としても立派に通用しますね。