日曜日の4時過ぎ、といえば、テレビをつけるなんてことは滅多にありませんが、4日の日曜日は、たまたま、つけたところが、こんな感じ。とてもNHKとは思えませんが、先月の真夜中、これもたまたま見たNHK解説委員のライブ討論番組の司会をやっていた委員長のお顔がありました。これ、NHK!? 民放によく出てるタレントさんも出てるし、なになに、在日米軍基地のことで渋谷でインタビュー。呆れ状態でカメラで記録?しながら最後まで見ました。写真は最後の場面で、千秋さんたちは頭を下げていますが、全体がよくわかるので最初に載せてみます。
NHK総合1
午後4時00分〜 午後4時45分
「在日米軍基地」
「この問題のそもそもは?」…ニュースを見ているとふと感じるギモン。そんなモヤモヤをスッキリさせるべくNHK解説委員が奮闘する番組。第3弾のテーマは在日米軍基地。
去年成立した安保関連法、普天間基地の移設問題、米軍関係者による事件など、日米安保とその根幹に横たわる在日米軍基地をめぐって日本は揺れ続けている。街頭インタビューやスタジオゲストからはさまざまなギモンが噴出。「なぜ日本に米軍がいるのか?」といったそもそものギモンから、現在の課題、そして基地の将来のゆくえまで。ギモンの数々に答えながら、「日本の中にある米軍基地」という特殊な存在について考える。
【出演】中田敦彦,藤森慎吾,佐藤栞里,千秋,ぺえ,NHK解説委員長…西川吉郎,NHK解説委員…安達宜正,津屋尚,西川龍一,【語り】沢城みゆき
◎ブログ仲間のmiyotyaさんも、「ほのぼの日記」に、その日のうちにこの番組を取り上げておられます。
番組内の「ギモン」についてはmiyotyaさんがシッカリ数字を挙げて書いておられますのでぜひコチラを(http://d.hatena.ne.jp/miyotya/20160904)。
私は、ちょうど、沖縄の「瀬長亀次郎を知っていますか?」という動画の書き起こしブログ(「ウィンザー通信」さん)のことが頭にありましたので、どうも、沖縄、基地、安保のあたりに重点が行ってしまっています。いつもながら私なりのまとめ方で私の疑問を:
◎真ん中にいた中田くんと藤森くんが、解説委員の堅いお話と、”わかんない、いっぱい、いっぱい”というぺえさんや、とぼけているのか本当にわからないのか微妙な千秋さんたちの間に入っていい役回りでした。
解説委員の一人が渋谷の交差点に立って若い人たち(相当数、百人かそれ以上?)に質問していましたが、米軍基地といえば沖縄で、日本には130ほどもの米軍基地があることを知らない人たちがいて、これは意外というか、(ニュースにならないことは知らないで当たり前?)……驚きました。質問した解説委員の方も驚いていました。
それで、日本は第二次世界大戦でアメリカに負けて、
その後アメリカに占領されていた時代があったというお話に。
若い人たちにはこんなところから話していかないといけないんですね。アメリカと戦争していたの?という若い人がいるそうだ、とは聞いていましたが・・・。
で、占領時代を経て、日本は、そろそろ独立したいということに。そこで、アメリカの世界戦略の説明です。
アメリカは、自国のはるか外へ出かけて、
紛争地の危険の目を摘み取って、
自国の安全を考える国で、
基地代わりの巨大航空母艦を持つことに。
その空母の拠点として日本を使っていた。
◎さて、日本が独立することと同時に結んだ日米安全保障条約ですが・・・、
◎さて、ここから沖縄問題です。
なぜ、沖縄に日本のアメリカ軍基地の70%以上が集中しているのか?
まず、1951年のサンフランシコ講和条約を結んだとき、セットで調印した日米安全保障条約で、沖縄は日本から切り離され、そのまま米軍の占領下におかれた。(本土の基地反対闘争などもあって)米軍人が沖縄に移ってきた。
それから20年後の1972年の沖縄返還の時にも、基地は本土並みという沖縄の願いは叶わなかった。
(さすが、この沖縄の二度にわたる悲劇には、皆さん、声を失ったかのようで・・・)
そもそも、米軍が上陸して地上戦が行われた沖縄では、戦後、住民は強制収容所に入れられ、住居を壊された跡地に米軍が飛行場や基地を作った。
(勝谷誠氏が「そこまで言って委員会」でいつも口汚く「あいつら勝手に基地の近くに住みやがって」と発言しているのは、このことを知らないで言っている。)基地内に先祖のお墓を取り込まれた人たちもいて、お墓詣りは基地内へ入らないとできない人も。
◎なぜ米軍人による犯罪が多いのか?
◎犯罪を犯した在日米軍人はどうなるのか?
米軍人、軍属、家族は、平和と安全を守るために日本にいるのだからと日米地位協定により、特別な地位を与えられている。
米軍基地内は治外法権。それに、軍人は入国審査なしで本国と行き来ができるので、基地内に軍人がどれだけいるのか分からない。公務中であればどんなことをしても日本の法律では裁かれない。
1995年(平成7年)、沖縄米兵少女暴行事件では、犯人の身柄拘束ができなかった。
沖縄の怒りに火が付き、地位協定見直しを要求。
この事件から地位協定の見直しはしないが、運用(使い方)を改めることに。
犯人は日本側に引き渡し、日本で裁判をすることに。
◎次に、世界で一番危険な基地、普天間飛行場。
「1996年当時では、5年から7年以内の返還を目標としていた。様々な候補地を検討した後、1997年(平成9年)には、名護市辺野古付近に固まり、その後も工法と建設の是非を巡って色々な出来事があった。2002年に計画案が固まったが、その計画はうまくいかなかった。」
「2004年(平成16年)に沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件が起きたことで地元の返還要求は強まった。折からアメリカ軍は世界規模の再編を実施中であり日米政府はこれに普天間移設を絡めることで、基地の移設のみならず、沖縄本島に駐留する海兵隊の削減を盛り込んだ。削減される海兵隊はグアムに移転することになり、グアムでも移設に関わる動きが始まった。計画案自体も再検討が行われ、辺野古周辺で各案を比較した後、2006年(平成18年)に2014年(平成26年)までに代替施設を建設し、移転させるというロードマップが決まった。(Wikiより)」民主党政権のもとでは、県外移設の話も。
◎最後に、これからの在日米軍基地についてです。
千秋さんが、アメリカが引き揚げたら安全じゃないのと聞いていたようですが、
解説委員長さんの、空白ができるとやられるのは歴史の教えるところと「抑止力」説明にあえなく沈没。
それでも、「納得できない、誰も解決策を答えていないじゃない」と食い下がってはいましたが。
解説委員さんたちは、安全保障の問題を考えれば、で立ち往生の解説。
自衛隊で守るのも選択肢と委員の一人が言えば、すぐ別の委員が、安全保障は今は一国で考える状況ではないと反論する。
委員長さんの説明に私もギモンを持ちました。安保条約は日本を守ることを条件として米軍基地を置いているという説明が一寸オカシイと思いました。まず、アメリカの第二次大戦後の世界戦略の説明をするときに、冷戦時代に触れていないのもオカシイ。
そもそも、1951年、吉田茂は、安保条約を結ぶのに、一人でこっそり出かけてサインしています、サインさせられているような状況で。
旧安保条約では、「日本を守る」という米軍の義務はなかったのですから、この時の安保条約の目的をもっとはっきり説明すべきだったと思います。これは、日本の敗戦と同時に入った冷戦時代にアメリカが共産主義の防波堤として日本を位置づけ日本を防衛基地としていたアメリカの国益のための基地使用であったと思います。(当時の日本では、全面講和や自主憲法や永世中立を求める声もあった)
60年の新安保になってくっつけた「日本を守る」というのは、時の政権は「日米対等に近づける」という目的だったようですが、米軍にとっては基地使用続行のための方便にすぎないと思います。
少なくとも旧安保は「日本を守るため」ではなかった。新安保になって付け加えられたと、こういう経緯を抜きに在日米軍基地=日米安保条約は「日本を守るためにある」と、こうまでハッキリ言いきるのは、オカシイ?・・・という疑問を持ちました。そこまで言い切るのは、”安保”の存在自体が抑止力と思っている人たちが期待していることであって、アメリカでそう思っているのはトランプさんぐらいじゃないでしょうか。
そのトランプさんが日本からアメリカ軍を引き上げると言っているが、という質問には、アメリカにもメリットがあっての在日米軍基地なので議会が反対するので実現しないという委員さんの話も。
西川委員長は後で、こんな風な言い方もしています。日米安保が発動してよかったという事態になることは避けるに越したことはない。
そして、一人の委員さんは、安保条約で守ってもらってるからと言って、アメリカの言いなりになる必要はない。
西川委員長の締めのことばがこれでした。
「それ」って何だったかな〜
自国の安全を守るためには、という意味だったかな…
若い人たちのギモンや意見は意外とマトモだなと思ったり、
説明に、大いにギモンを感じたり、考えさせられました。
ギモンと言えば、アメリカが沖縄の基地問題(辺野古移設)を日本に任せているのに、なぜ「日本はアメリカの顔色をうかがわざるを得ない」という解説ができるのかもギモンです。以前、沖縄の海兵隊をグアムに引き上げるのを日本の外務省が引き留めたという話もありました。日本の、沖縄住民の意見より、一部の沖縄基地(安保条約)があることで利益を得ている本土の人たち(「安保ムラの住人」と呼ぶ人もありますね)の意向の方が大事なのでは?と思わざるを得ません。「言いなりになる必要がない」のなら、政府が腹を決めて、住民の側に立って、沖縄基地撤去、少なくとも辺野古基地”移設”(=新基地建設)反対をアメリカ政府に訴えるという方法もある、と解説してほしいものです。
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ブログを書き終わって、思い出しました。
春名幹男氏の「仮面の日米同盟」(文春新書)
帯のキャッチコピーは「『アメリカが守ってくれる』は幻想だ!」最後まで読み終わらずでしたが、読み直してみようと思います。
◎miyotyaさんが、ご自分のブログのコメントの中で、安保条約は日米が対等で結んだものでなく、そこがいろいろ問題を引き起こす原因だというように書いておられますが、そうなんですね。そこが問題なんですね。
◎この問題について、もう一冊の本を紹介です:
★山本昭宏著「教養としての戦後<平和論>」(イースト・プレス)
「戦争」と「平和」の語り方はどのように「更新」していくことが可能か? 保守の「安全保障論」VS 革新・リベラルの「9条護憲論」がもたらしたものとはーーー『核と日本人』(中公新書)が話題となった新進の歴史社会学者による意欲作
PS:
テレビプレス
テレビ放送全番組をリアルタイムで抄録
2016/09/04 NHK総合 【ニッポン人のギモン】
在日米軍基地のギモンを解消!日米の安全保障・米国とのつきあい方
去年9月、安全保障関連法が成立。
米軍などが攻撃を受け日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合などに限り、自衛隊が武力行使できるようになり、日米安保は新しい局面に入った。
今後、日本の安全保障はどうなるのか?。米軍は攻撃、自衛隊は防御、両方そろって抑止力となる。
一つの国で自分たちの安全を守ることは難しい現状がある。
沖縄に基地がたくさんあり負担が多いことは日本政府がしっかりモノを言っていくべき。
それを守るためには外交関係、経済政策なども安全保障の武器に仕える。憲法に言及有。
NHK解説委員(軍事)・津屋尚、千秋、NHK解説委員(政治)・安達宜正、オリエンタルラジオ・中田敦彦、NHK解説委員長・西川吉郎のスタジオコメント。
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