「地位協定」と「日米合同委員会」(報道ステーション)

6日(火曜日)の夕方、10時台の番組表をチェック。報道ステーションに『「地位協定」と「日米合同委員会」』とありましたので、今ごろ何で?と思いつつ録画をセット。それで、ドラマの「逃げるは恥だが、役に立つ」を見ることに。珍しく茶の間のテーブルに夫が座って妙な顔でテレビを時々見るので、これはまずい、録画のセットを逆にすべきだったと思いながら「報道ステーション」に変えました。ちょうど、番組表のテーマに移りましたので、リアルタイムで見ることに。なかなか力の入った内容になっていました。
番組の中で、長年、米中露相手の交渉に携わってきたという元外務官僚の話が出てきます。その言葉に、つくづく日本の外務官僚というのはアメリカのために働く下僕、アメリカ植民地支配の露払い役だと思いました。アメリカの言うことは100年経っても正しいと思える・・・??
後藤謙次さんの最後の締めくくりの言葉はそっくり安倍首相に届けてほしいですが、聞く耳、ないですね。真珠湾訪問で、対ロ交渉がうまくいかなくても支持率は上がって、来年早々の総選挙もあり得ますね。野党が共闘して安倍さんを下ろさない限り、今度は、本当に憲法改悪のとどめかも。そうならないように、何ができるか・・・ついつい横道に。久しぶりに、書きおこしを:(写真が取り込めず残念、全てネットからの借り物です)
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★2016年12月6日(火)夜10時 報道ステーション

『日米合同委員会』謎のベールに迫る

富川悠太キャスター:「日米合同委員会」という憲法を超えることまで決められる組織をご存知でしょうか? 月二回、会合が行われているんですが、メンバーを見てみると:アメリカ側:在日米軍司令部副司令官・在日米大使館公使・在日米軍司令部第五部長・在日米軍司令部参謀長・在日米軍司令部副司令官・在日米軍司令部参謀長・在日米軍司令部参謀長、と米軍幹部
日本側は:外務省北米局長・法務省大臣官房長・農林水産省経営局長・防衛省地方協力@@@・外務省北米参事官・財務省大臣官房審議官、とエリート官僚。この委員会は現在すべて非公開。今日は、この日米合同委員会の様々な問題についてです。」


東京港区にある米軍施設「ニューサンノー」。9月1日、物々しい警戒の中、車列が。この日、合同委員会が開かれます。かつては会議の冒頭を取材できた時期もあったのですが、現在は全く非公開。我々はアメリカで日米合同委員会に関する資料、「在日米軍司令部・司令官命令」を発見。ここには「会合は隔週木曜日、11時に開かれる」「公式議事録は両政府にとって公式な文書とみなされ、相互の合意なしには公開されないものとする」「合意に達した事項は両国に拘束力を持つ」などとされている。

◆さらにウィキリークスが公開した外交資料・米大使からの公電には、アメリカ側が議会で合意内容を公開したことに対し日本政府が抗議したことが明らかにされている。
日本政府が過敏な反応を示すのは、国会で野党に対応するため。もし公開されれば政治的に大変なことに(Politically Explosive)なるだろう」とある。
2009年、政権交代で総理などに就いた鳩山由紀夫氏:「秘密裏に月に2度ほど、米軍のトップクラスの方々と日本の高級官僚の方々が議論しているという実態は総理の私にも一切知らされていませんでした。

外務省安保課長時代、合同会議に何度も出席していた元外務審議官丹波氏:「合同委員会で公表しないというのは、都合の悪いようなことがあったかもしれない。たとえば基地の移転でことをやっていると地元がそれを聞きつけて反対運動をやるとかね。だけどね一義的に合同委員会が常に秘密裏なことをやっていたという言うことは、それは全く記憶にない。」


◆世界一危険とされた普天間飛行場。そのすぐわきにある沖縄国際大学。大型ヘリコプターを指して「落ちたやつと同型機CH53. オスプレイよりおおきですよ、CH53の方が。」合同委員会での密約が形になって表れたのは、米海兵隊の大型ヘリがが医学構内に墜落炎上した2002年のこの事故でした。(写真の引用元「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故写真集」http://porque.sakura.ne.jp/falldown/
この時、私有地や公道にもかかわらず米軍が周辺を封鎖、記者やマスコミの立ち入りを許しませんでした。


沖縄国際大学教授前泊博盛氏:「現場は大騒ぎでした。その間にも米兵たちが中に入ってきてですね(防護服姿で)一生懸命何か調べているんですね。最後はその放射性物質が入っていたといわれている5つのカプセルの一つがないという話になって、そして最後は土をごっそりとはぐような形で周辺のものを全部持ち去ってしまいました。」
◆その根拠とされたのは

「(合衆国軍隊の代表者が合衆国財産の保護をなすために事前の承認なくして公有又は私有の財産に立ち入ることが許されるものとする

          (1953年合同委員会「合意事項」)

日本政府は60年経った2013年、はじめてこの合意を公表した。

沖縄返還(1972)や、日中国交正常化交渉(1972)やエリツィン・橋本会談(1997)にも同行した丹波實氏(今年10月、78歳で死去)は、外交で最も難しいのは裁判権の問題だという。

日米合同委員会」裁判権の密約に迫る


丹波氏:「公務中の軍人の地位というものはね、他国の裁判の対象にならないというのはね、もう100年以上昔からね、一般国際法上確立された原則なんですよ。米軍が何か例えば横須賀に入ってきてね、何か事件を起こしたときにね、アメリカはね、日本に裁判させないというのはね、一般国際法上確立されたことなんですよ。」
アメリカで長年国家安全保障にかかわったモートン・ハルペリン氏(元米国防次官補代理、元大統領特別顧問):「アメリカ軍は駐留する国の側に裁判権があるところに軍を駐留するのを非常に嫌がりますアメリカはイラクから完全撤退しました。イラク政府がその点での権利をゆずらないからでした。」

◆問題は公務外での犯罪における密約です。沖縄などの基地のある所に多発する米軍関係者の問題。
今年6月、米軍兵士たちに殺害された女性を追悼する「沖縄女性殺害事件に抗議する県民大会」の場に一人のオーストラリア人女性の姿があった。
キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん。1980年代に来日し、モデル活動などをしていたが、2002年4月、横須賀基地の近くで米海軍の兵士にレイプされた。

ジェーンさん(日本語で):「ここ々の近くの駐車場でレイプされちゃったんですね」「米軍基地に行って、日本の警察官が来た。で、ここのところで加害者が入ってきたんですよ」「”見つかった〜この人ですよ”って言ったら、その後に地獄が始まっちゃったのね」

◆ジェーンさんは神奈川県警横須賀署に連れていかれ、深夜に男性警官に囲まれ、長時間事情聴取を受けました。
証拠保全のために病院に行かせてくれと頼みましたが断られました。
「なんで病院、行かせてくれないんですか?」って言ったら、「あなた怪我していないの、怪我していないんだったら見せろ」って言った。「レイプの被害者に体を見せることが出来るんですか」
◇証拠を消さないためにトイレにはいきませんでしたが、まるで加害者のような聴取が4時間も続き、ついに我慢ができなくなりました。
ジェーンさんは涙ながらに語り続けます:「あの神奈川県警の汚いトイレがあってさ、自分で何か(証拠を)保つことができるものがないかなとか思ってみるからなくて、トイレに入ってドアをしめて、その神奈川県警の中で一番安全な場所がトイレの中だったんですよ」
◇さらに警察は現場で再現写真を撮るというのです。ジェーンさんは「私がレイプされている車の中にもう一回入ってそして警察官をもう一回やってくださいということは絶対できませんといったんですよ」

◆ジェーンさんは事件発生から12時間たってようやく解放された。それから3か月後の7月、横浜地検は理由を明らかにしないまま加害米兵を不起訴処分にした。公務外の犯罪は日米地位協定17条で本来日本側に第一次裁判権があることになっています。しかし・・・

「日本にとって著しく重要と考えられる事例以外は

第一次裁判権を行使するつもりがない           1953年 刑事部会日本側部会長の声明

このようにアメリカ側に表明していたことが2008年に明らかになっている。
我々が外務省に確認したところ、この表明について:

「否定するものがないので
     今も効力がある
          外務省北米局日米地位協定

不起訴に納得のいかないジェーンさんは東京地裁に民事裁判を起こします。地裁は2004年11月、暴行の事実を認め被告に300万円の賠償を命じたが、加害者は審議の途中、軍隊の指示でアメリカに逃亡してしまった
ジェーンさんは10年をかけて加害者がミルウォーキーにいることを突き止め、現地で起こした裁判でついに勝利を手にした。ジェーンさんは今レイプ犯罪根絶のため24時間態勢の緊急支援センター設立を呼び掛けている。

◆日米合同委員会について、日米双方の出席者の問題が指摘されている。
鳩山氏:「本来日本の役人が、高級官僚が出席するんだったら、こちら側もアメリカの高級官僚が出席をして、そしてディベートするはずですよね。そうではないですよね、アメリカの方は軍人であって、日本側の方は高級官僚である。まさにこれは占領されているのに等しいと思います。」

[日米地位協定」改定を阻む事情とは

地位協定を変えることは出来ないのでしょうか?
元外務官僚丹波氏「結局、地位協定というのは、ご承知の通りアメリカが日本とだけ結んでいるものではないんですよ。NATO諸国とも結んでいるしね、ほかのアジアの国とも結んでいるでしょ。日本がアメリカに変な変え方をするとね全部波及するんですよ。」
◇実は、日本がジブチに設営している自衛隊拠点で同じ内容の協定をジブチ政府と結んでいる。
沖縄国際大教授前泊氏地位協定をいじろうとすると(日本も)ほかの国と結んでいる、お前たちも同じように結んでいるじゃないかという風な指摘さえ受けかねない、そういう状況になっています。これもちょっと地位協定問題をまた複雑にして知っている要因だと思います。」

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富川キャスター:どうですか?

後藤謙次:合同委員会の問題になっているが、合同委員会というのは手続き機関なんですよ。
その根幹にある地位協定そのものをどうするか、という問題がある。
日本が変えるとほかの国に影響するという話がありましたが、実は、韓国やドイツはアメリカと交渉して改定している。
ところが、日本は、1995年、沖縄を反基地運動に巻き込んだ大きな痛ましい事件があったんですが、
この時ですら、当時の外務大臣は、地位協定の見直しをアメリカに要求せずに
運用の見直しということで事を濁している。
それ以来、ず〜っと、運用の見直し、見直しで来ているのが、今日の日米関係なんですね
ところが、トランプ次期大統領は日米安保条約そのものの見直しに言及していますから、
むしろ日本側も、地位協定そのものを根幹から見直そうじゃないかという議論を迫力をもって日米首脳会談に臨む、あるいは2+2の会談に臨むという覚悟が非常に必要になってきますね
これをやらない限り、今の悲劇がどんどんどんどん繰り返される
しかも、拡大再生産されるという事態になりかねない
富川大きなチャンスがやってくると
後藤:そういう風に理解されると思います。
富川あと我々の生活に大きくかかわってくることですからやっぱり情報公開していただきたいと思います。(終わり)
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PS:アメリカ本土ではできない危険な訓練を沖縄で。「地位協定でも認めていない」のに政府が認めているのだとか。

山崎 雅弘さんがリツイート
布施祐仁 ‏@yujinfuse 12月7日

米本土では絶対にあり得ない訓練。防衛局は抗議したというが、日本政府が提供区域の外でも事実上訓練の自由を認めているのが最大の問題そんなことは地位協定でも認めていないのに

宜野座民間地でオスプレイつり下げ訓練 防衛局長が米軍に抗議
琉球新報 12/7(水) 7:30配信


 宜野座村城原区の集落周辺上空で6日午後、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがつり下げ訓練をしていたのが確認された。集落付近でのつり下げ訓練は重大事故を招く危険性が高く、県はこれまで強く自粛を求めていた。中嶋浩一郎沖縄防衛局長は同日夜、在沖米海兵隊訓練作戦部(G3)のテイラー大佐を直接訪問し、「常日頃から危険な訓練をしないよう申し入れているのに、このような訓練をしたのは許しがたい」として強く抗議した。


 中嶋氏は同日、當眞淳宜野座村長を訪ね、直接謝罪した。謝花喜一郎知事公室長にも電話で謝罪した。関係者によると、つり下げ訓練が確認された際には、騒音被害の確認のため現場を訪れていた沖縄防衛局の職員も目撃していた。

 つり下げ訓練を巡っては1965年、読谷村でトレーラーが落下し、小学5年生の少女が死亡する事故が起きている琉球新報社http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-00000006-ryu-oki


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki

山崎 雅弘さんが布施祐仁をリツイートしました
▽「米本土では絶対にあり得ない訓練」これが、沖縄の外国軍基地問題の本質の一つだろう米国本土で米国市民の住む場所では法律上行えないような、民家の至近での実戦に近い米軍訓練が、沖縄では行える。本当の愛国者なら、これに怒らないとおかしい


布施祐仁 ‏@yujinfuse

日米安保の諸々について在日米軍幹部と外務官僚が非公開で協議して決める日米合同委員会は占領時代の残滓で歪な関係イタリアでは軍と軍で協議する。そしてイタリア軍司令官が訓練の承認や立ち入り権限など米軍基地に対しても強い権限を持つ。日本の合同委員会は米軍のやりたい放題を保証する機構。


日本では、米軍基地上空でも提供空域でもない空を、米軍戦闘機が自由に低空飛行訓練している。住宅地上空だろうと関係なしに、だドイツやイタリアでは協定上そういうことは原則できないようになっている日本の地位協定にも「できる」とは一言も書いていないが、日本政府は認めてしまっている。