1月のお茶のお稽古


昨日は今年初めてのお茶のお稽古でした。Naさんが、1月のおしまいのほうが良いということで決めた日でしたが、2時前、外に出ると、猛吹雪!? 傘をさして歩きだしたら道の先が見えなくなるくらいでした。珍しいほどの雪降り。先生のお宅について車庫を見るとまだ車はありません。

玄関の前のマユミが雪をかぶっています。玄関に入って先生に声をかけているうちにNさんがご主人に送ってきてもらったといって入ってきました。Naさんは普通タイヤの車でNさん宅まで来たもののこの雪では帰りが危ないのでお茶はお休みして今のうちに家に帰っておくとのこと。山麓線を池田市に入ってバス道から山側に少し入らないといけないので用心をしてということでした。玄関の正面に普段は花器だけが置いてあるのですが、お正月だからか南天、千両、万両などの実モノがざっくりと生けてあって素敵でした。
ふすまを開けて日本間に入ると空気が温かく炭のいい香りがしました。
掛け軸は「彩鳳舞丹宵」。「さいほう、たんしょうに舞う」と読み、彩(いろどり)の鮮やかさ華やかさがお目出たいお正月を表しているようです。お花は蝋梅と椿。先生のお話では、本当は蝋梅は12月のほうが良くて、1月は梅だそうです。


お点前に入る前に、先生が甘酒を作って御馳走してくださいました。
熱いものは熱くが基本。熱々のお茶碗を両手で包んでまず手を温めて、ショウガを利かせた甘酒をいただきながら新年のお喋りです。
それぞれのお正月を聞かせていただいて、しばらくしてから、私が水屋へ。
お棚は、上の段が赤茶色の丸い松の板、下は同じ松の四角の板。支えているのは竹。右の節は2つ、左の節は3つ。足して5、奇数にしてあるとか。上の板から少し下がったところに短い枝が2本出ています。ここに柄杓を掛けるようになっています。そして、上の棚の厚みのところに金彩で描かれているのが梅の花です。これで松竹梅がそろって、『三友棚(さんゆうだな)』です。飾ってある棗(なつめ)には金で松が描いてあります。

主菓子を入れた蓋つきの菓子鉢(喰篭/じきろう)が用意されています。水に浸してあった黒文字のお箸を拭いて蓋の上に乗せてお出しします。それから、蓋置は、松の絵のもありましたが、松に松に松が重なるのも…と思って、明るい黄色に線描で立鶴を描いてあるものを選びました。お茶碗は、鶴を描いた青磁風の京焼のお茶碗と、松に雪を描いた雪松というお茶碗にしました。
しゅんしゅんと湧いているお釜の蓋を畳んだ袱紗を使って蓋のつまみを掴んで蓋置に置きます。この時、私は、直線コースで置いてしまって注意されました。「男性は真っすぐ置いてもいいのだけれど、女の人は少し回り道をとって置くように」。他のところでもよく”男の人はそれでもいいけれど”と言われますので、私は女らしくないのかな〜なんて思ったりします。思い当たらないでもない……ので、こんなところで出るのかも?

さて、Nさんの立礼式のテーブルでのお点前に移ります。膝を痛めておられるので水屋の準備は私がすることに。お茶碗は同じものを使いたいということでした。蓋置は松を選ばれたのですが、先生の「重なりすぎだけど…」という声が聞こえます。松の絵の棗に雪松のお茶碗に松の蓋置が重なりすぎということのようです。

主菓子は小倉餡を巻いた白い村雨の上に一筋の赤。
これがトリを表すとか。
鶏冠(とさか)の赤のことですね。
お干菓子は「千家松葉」と書いてあって
袋を開けると太い松葉の形のクッキー味のお菓子でした。
私も最初に使ったお茶碗↓、鶴の絵が描いてありますが、高台は角ばっていて六角形、これが亀を表して、鶴亀のおめでたいお茶碗。鶴は羽を広げていて天辺が赤い鶴の頭は高台の近くの下側に。

水差しは、沖縄の壺屋焼。色と艶が何とも言えない良い感じです。

私が二服いただいた後、先生にもお茶を点てたNさん、今度はご自服でと言われて、自分で点てたお茶を、三つ目のお茶碗、藪コウジの絵が描かれた厚手の小ぶりのお茶碗にお喋りしながら柄杓の湯を全部淹れてしまい、薄くて丁度良いと言いながら。

三人で5時過ぎまでおしゃべりしました。
それでも日が長くなったおかげで未だ明るい中を家路に。
雪はあの時だけでお天気になっていました。
最後の写真は先生が新しく手に入れられたお道具のようです。
箱書きを見せて、写真に撮ってと言われました。
平棗(ひらなつめ)で、折鶴という銘がついていました。
次回にでも入手の謂われをお伺いしようと思っています。