12月のお茶のお稽古

いつもの「特別な1日」さんの金曜デモのルポはお休みですが、ブログは書いておられますのでコチラで:

「『今週のニュース3つ』と日本の成れの果て:映画『ビジランテ』」より
「寒くなりましたねー。今週 ボクは忘年会で官邸前抗議はお休みです。今日の参加者は650人だったそうです。」
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20171215/1513336994

12月は早い方が良いということで、2週目の金曜日の昨日がお稽古日でした。

前日の朝は雪がうっすらと積もっているほどの冷え込みでしたが、昨日は寒さは和らいでいました。
お部屋も暖房が効いているのと、炉の炭火のおかげもあってほんのりと暖かでした。
掛け軸は、ちょっと考えて、読めました。「貴人」が読めたので後は思い出せたということですが、『無事是貴人』(ぶじこれきにん)。
「何ごともないことが一番尊いこと」という意味かな。先生が来られたので、「やっと読めるようになりました」と言うと、「これを知らないで読むのは無理よね、『無事』がなかなか読めないわね。それにしても、何にも無いなんてことはないわね、このごろ」と先生が。「本当に、毎週のように何ごとかありますよね」と私も。

暮れにお茶席で使われる『無事是貴人(ぶじこれきにん)』の解釈は、これで合っているかもしれませんが、禅語では少し意味が違うようです。「無事」とは、求めなくてもよいことに気付いた安らぎの境地であり、そういう境地を心の底から実感した人こそ、老若男女・貧富地位の別を超えて本当に貴い尊ぶべき人であるということだそうです。深いですね。

お花は、赤い蕾の椿と、美男かづら。
「別名はサネカズラ(実葛)で、こっちが本当の言い方かな。美女カズラなんて聞いたことないし」と先生は言いながら、お庭の一角に隣の木と塀に絡みながら伸びている美男カズラを、あれが、そう、と指さして、教えてもらいました。
上の方の実はほとんど鳥に食べられたらしく、下の方に赤い実が一つ残っていました。
元は青くて、それが黄色になって12月になると赤くなるのだとか。よく見ると複雑な形をしています。
口には出さなかったのですが、クリスマスカラーですね。
時間になってNさんが一人で。
Naさんは遅れてくるとのこと。
私が水屋に入って準備をすることに。

棚には平棗(ひらなつめ)が置いてありました。
津軽塗だそうですが、先日、赤と黒津軽塗の棗をいただいたところでしたので、地味な色の同じ手法の棗なのかと思いました。
ぼってりした形の持ってもかなりの重量感のあるお茶碗と、平茶碗のように浅いお茶碗を選びました。松の木に雪がのっかっているお茶碗は雪松。金彩がところどころに入っていてなかなか豪華な感じです。
蓋置は水色の甕形に灯窓の周りを金彩でふちどりがしてある「夜学」の蓋置を選びました。日暮れが早く夜の長い時期に灯りをつけて勉強するときのものです。


平棗の作法は今までと少し違います。いつものより横幅があって平たいので、左手は棗の底にあてがって下から受けるような感じになります。その間、茶杓を持った右手で平棗を指でつまんで支えています。安定したら、茶杓を持った右手で蓋を開けていつものようにお茶碗の上で一度目はたっぷり、二度目はその半分のお薄茶を掬(すく)ってお茶碗の底に重ねて入れます。棗は膝の上に戻して、茶杓で均(なら)してからお茶碗のふちでたたいてお茶の粉を落とします。そして、右手の茶杓を持った手で蓋をして今度は棗の底を受けていた左手を逆に回して棗をつまむようにして元の位置に戻します。茶杓は蓋の上に置きます。

水屋には主菓子が置いてなかったので先生にお聞きしたら、お善哉を用意しているので3人そろったところで出しますとのこと。
先にお干菓子をだすことに。
先生が型を使ってご自分で作られた黄粉(きなこ)のお菓子、「苫屋(とまや)」という名前がついています。
それで、お菓子をよく見ると、逆向きに出したことに気付きました。

私が2服めを点てようとするころ、Naさんが到着。お客さんに回ってNaさんの点てたお茶を戴いていると、今度はNさんが用事があるので4時には出たいということで、Nさんの立礼式は省略して、先生がお善哉の支度にかかってくださいました。
善哉の蓋物と昆布(塩昆布ではなくて佃煮でした)と煎茶を入れた茶碗を載せた黒塗りの四角いお盆を先生が持って出てこられて、その受け方、頂き方を教わりました。

蓋置は箕面焼き。杉と黒文字でちぐはぐのお箸は、間違いではなくて、考えがあるのだとか。
食べ終わったら杉のお箸は折るとか言われましたが、そんな作法があるんですね、初めて聞きました。
北海道の小豆がちょうどよい甘さで、柔らかいお餅も美味しくいただきました。最後に全員でお箸を落として音を立てると控えの方がお盆を下げに出て来るそうで会席の時と同じです。最後に、お盆の返し方とお辞儀を教えていただくことに。
3人そろって先生心づくしのお善哉を戴いて今年のお茶も無事終わりました。
来年のお稽古の日を決めて、みんなでよいお年を・・・でした。