心配なトランプ大統領と安倍首相の本当の関係「ジャイアンと仲良くしているがために、狙われるスネ夫」(想田和弘)

今週の金曜デモは土曜日に大きな抗議デモがあるのでお休みとのこと。代わりに少し長くなりますが、マガジン9条の想田和弘氏のコーナーに掲載された日米関係についての記事と、トランプ大統領の訪日についてツィターをあれこれ並べてみます。
まず、想田氏の記事はトランプ大統領と安倍首相の関係をドラえもんの漫画の「ジャイアンスネ夫」に擬(なぞら)えての心配です。海外でも、二人のトップの親密度は異常に映るようです。ワシントンポストの記者は「安倍さんがトランプさんの”手下”役を演じている」とタイトルをつけて辛口の記事を書いています。

内田樹さんがリツイート
舩田クラーセンさやか‏ @sayakafc
この記事全体がすごいわ。。。日本・安倍さんの手下&忠犬ぶり(そして空振り)が、これでもか、これでもかと延々と事例を踏まえつつ書かれている。ほぼ全部のダメダメ加減に引用と前記事があり。それぐらいバカにされる「外交」だったのだが、日本のメディアは何をみてるんだろう…。読んでみて↓

想田和弘
@KazuhiroSoda
ワシントンポスト紙「日本の指導者・安倍晋三、トランプの忠実な手下役を演じる」→Japanese leader Shinzo Abe plays the role of Trump’s loyal sidekickhttps://www.washingtonpost.com/politics/japanese-leader-shinzo-abe-plays-the-role-of-trumps-loyal-sidekick/2017/11/06/cc23dcae-c2f1-11e7-afe9-4f60b5a6c4a0_story.html?tid=ss_tw&utm_term=.4449b2a8295a


想田氏の記事は、『日本がアメリカの51番目の州だったら』という出だしで始まります。最後の方のトランプ大統領と安倍首相とのやり取りはこの↑ワシントンポストの記事の内容と重なります。全文コピーです。(引用元:http://maga9.jp/soda171108/)因みに、想田和弘氏はアメリカ在住の映画監督です。

第58回:ジャイアンと仲良くしているがために、狙われるスネ夫想田和弘
By想田和弘2017年11月8日


 ずいぶん前のことになるが、友人のAくんとこんな会話をしたことがある。
 A「日本はアメリカの51番目の州みたいだって、揶揄する文脈で語られるけどさあ、本当に“州”だったらすごいよね。日本はむしろそれを目指すべきだよ」
 僕「え、なんで?」
 A「だって州なら日本州出身の大統領だって出せるわけでしょ。1億人も人口がいるんだから、実際あり得るよ」
 僕はAくんの一見突拍子も無い「冗談」にガハハと笑いながら、いや、冗談じゃないぞと深く深く考えさせられたものである。
 実際、Aくんの言う通りである。
 もし日本が米国の州であったなら、私たちには米国大統領を輩出する可能性がある。
 のみならず、沖縄に集中する在日米軍基地も、日米地位協定などという日本や地域住民にとって著しく不公平な取り決めではなく、米国の法律にのっとって規制されることであろう。また、鳩山由紀夫・日本州知事が「州外移設」を唱えただけで、州政府内部や連邦政府から多大な圧力がかかって失脚するなんてことは、ちょっと想像できない。米国の州には高度な自治権が認められているからである



 日本は米国の州ではなく、属国なのである。少なくとも軍事や外交面においては
 しかし沖縄を除く日本人の多くは、この「米国の属国」という地位を、あんまり嫌っていない。それどころか、ずいぶん心地よく感じているように見える。むしろ多くの日本人は、日本が宗主国と良好な関係を保っていくことこそ、国際社会でサバイバルしていくための、生命線のように感じているのではないだろうか。
 だからサミットなどでは、全体での記念撮影の際に「日本の首相が米国大統領とどのくらい近いポジションにつけたか」とか、「首相が大統領と何分話したか(そしてそれが中国と比べて多かったか少なかったか)」といった「問題」が、メディアで大真面目に議論される


 ドナルド・トランプ大統領が来日するとなると、これはもう大変だ。彼が本国やヨーロッパでどんなに評判が悪かろうが、デモクラシーの破壊を試みる専制的大統領であろうが、ネオナチや白人至上主義者を擁護するレイシストであろうが、女性を侮辱してばかりのセクシストであろうが、おかまいなし国を挙げて歓待するそして安倍晋三首相がトランプ大統領とゴルフをプレーし、仲良くハンバーガーをほおばっている様子をテレビで眺めながら、安堵の息をもらすのである。

 「ああ、これで我が国も安泰だ。北朝鮮からも中国からも守ってもらえる」
 安倍晋三はこうした国民感情を正しく代弁する指導者である
 トランプが昨年の選挙で勝利してまもなく、安倍が各国の首脳に先駆けてトランプ・タワーへ馳せ参じたのは有名な話だ。彼にしてみれば、選挙中、日本について厳しいことばかり言っていたトランプが当選してしまって、死ぬほど慌てたのであろう。そして日本の運命を救うつもりで、まだ大統領に就任もしていない男のところへ駆けつけた
 そういう意味では、彼も必死なのだと思う。そして日本の主権者の多くは、そういう安倍にむしろ「頼もしさ」や「安心感」を抱いているのである。


 しかし多くの人が気づいていないことがある。
 「ジャイアン(米国)と仲良くしていればスネ夫(日本)は安泰」という冷戦時代の構図は、もはや成り立ちにくいという事実である。むしろ「ジャイアンと仲良くしているがために、狙われるスネ夫」という図にさえなりつつある。 僕が念頭においているのは、ほかならぬ北朝鮮問題である。

 そもそも北朝鮮核兵器や長距離ミサイルを開発している理由は、「米国に攻撃されて金王朝を転覆させられるかもしれない」という恐怖からである。北朝鮮による度重なるミサイル発射実験や核実験は、日本ではなく米国に対する威嚇行為であり、本来ならば日本は「蚊帳の外」のはずだった
 しかし日本には米軍基地がある。北朝鮮からすれば、米国本土までミサイルを飛ばすのは容易ではないが、在日米軍基地なら射程距離内だ。北朝鮮は銀行強盗よろしく、近くにいる米国の同盟国・日本を人質に取ることを考えたわけである。
 そういう北朝鮮にとって都合がよいことに、「生き延びるためにはジャイアンと親密になるしかない」という戦略しか持たない日本は、自衛隊を米軍との共同訓練に参加させたりして、一体化をアピールしている。要は自ら標的になることを買って出ている
 そんなこんなで、日本はいつのまにか対立の「蚊帳の外」から、「ど真ん中」に入れられてしまった


 共同通信によると、トランプは東南アジア諸国首脳らとの会談で、北朝鮮が日本列島上空を通過する弾道ミサイルを発射した際、日本は「迎撃するべきだった」と語ったという。そして「武士の国なのに理解できない」とも言ったという
 そもそも宇宙空間を飛ぶミサイルを迎撃することは不可能だし、トランプがどれだけ本気なのかもわからないが無視できない発言である。
 なぜなら、もし迎撃しようとミサイルを発射しようものなら、その時点で日本と北朝鮮は戦争に突入する。そうなれば日本にもミサイルが降って来て、街は破壊され人が死ぬだろう。東京などの大都市や原発が攻撃されるかもしれない。そのまま戦争がエスカレートすれば、日本は終了である。

 懸念されるのは、対米従属ひと筋の安倍晋三が、トランプに無茶な要求をされても、いまさらノーと言えないのではないかということだあるいはトランプが北朝鮮を先制攻撃しようとしたときに、諌めることができないのではないかということだ
 東京で開かれた日米首脳会談後の記者会見では、二人の主従関係を象徴するような場面がみられた。
 トランプは記者会見で「日本は世界でも有数の経済を作り上げ…」と言いながら安倍を一瞥し、「でも俺らの経済の方が上だよな? これからもそうだ。お前らは2番とアドリブで言った。安倍はそれを笑顔で黙って聞くしかなかった。
 そしてトランプの「ミサイルを迎撃すべきだった発言について記者が安倍にコメントを求めると、あろうことか、トランプは安倍が答える前に割り込んでこう言い放った 「首相の代わりに答えるとな、アメリカからもっと武器を買えば撃ち落とせるんだよ
 どうだろうか。これでも日本の皆さんは「ああ、これで我が国も安泰だ」と思えるであろうか。
 僕は祖国の行く末が本気で心配である。


内田樹氏は、ちょうどトランプ大統領が日本から韓国を訪問する頃、韓国滞在でした。その時の北朝鮮ミサイルについての反応をこんな風に報告されています。日本から見ると北と陸続きの韓国は北朝鮮脅威の最前線?なんですが・・・

内田樹
 @levinassien 11月7日

韓国に着いてすぐに「北のミサイルについての市民の反応はどうですか?」と訊いたら「は?」というリアクションをされました戦争の危機を煽っているのは日本政府とトランプだけのようです4回あった会食の間、北朝鮮が話題になったのは「北はビールが旨いんだよね」という一回だけでした

◎ということは、北朝鮮危機は? アメリカ大統領が日本に来て首相と最初にやることがゴルフなんですから、脅威でもなんでもなかったわけですね。

内田樹さんがリツイート
kaz hagiwara(萩原 一彦)‏ @reservologic 11月6日

kaz hagiwara(萩原 一彦)さんがAkiyoshi Komaki 駒木明義をリツイートしました
米国にはもう兵器以外に日本との貿易不均衡を是正するために売るものがないみたいだなあそして買ったら使えと言っている消費してまた買えってことだよね今まで米国がオブラートに包んで日本国民に気づかせず、日本政府も曖昧にしてきたことをトランプ安倍のコンビは全部表に出してきたエグい


横田基地はず〜と前からありますが、アメリカ大統領が日本を訪問するのに今までは使ったことがなかった。トランプ大統領になって何故? 儀礼も遠慮も配慮もかなぐり捨てて…むき出しで付き合っても安倍首相なら文句を言わないということかもしれません。見くびられたか…これが、"loyal sidekick"ということですね。(「sidekick」には相棒とか親友とかいう意味もありますが、想田氏は、「loyal=忠義な、忠誠な」という形容詞がついていることと、書かれている内容から「手下」という言葉を選んでいます)

◎その言葉が間違いではないと思えるのが、次のアメリカのテレビ番組です。取り上げられているのは白いキャップのサイン。二人のサインを自慢気に掲げる首相。これも、真ん中にトランプ氏がサインしたので安倍さんは隅っこに斜めでサインするしかなかったと。そうか、普通なら二人並べて同じ大きさを空けておくのが礼儀ですが、トランプさんは真ん中にサインを書いてしまいましたね。こんなところまで見てるのか…と思いましたが、確かに対等の友人同士ならこんなことにはならないでしょうね。

山崎 雅弘‏ @mas__yamazaki 11月9日
津山恵子「欧米メディアが冷笑する日本のイヴァンカとトランプ報道」(ビジネスインサイダー)https://www.businessinsider.jp/post-106908 


「『シンゾーは、ドナルドに特別なものを用意していた』という書き出しで、ロサンゼルス・タイムズは、両首脳の接近ぶりをトランプ大統領来日の初日(米時間11月4日)に書いた。安倍首相がトランプ氏に贈った『ドナルド&シンゾー 同盟をもっと素晴らしいものにする』と縫い取りがある野球帽のことだ
安倍首相がいくら努力しても、合同記者会見での日本経済に関するトランプ氏の発言は、一瞬にして両者の『上下』関係を浮き立たせた。『日本経済は、米経済ほどではない。そうではないと自分は思う。そうだろ(OK)? あなた方(日本)は、2番手であり続ける』」
「オーストラリアのABCニュースは、この場面について、『トランプ氏は、いじめっ子のようにみえた。安倍氏は、微笑んでごまかすしかなかった』と書いた

あのキャップは、米国のテレビ番組で笑い物に