3月9日の4つのニュース「森友文書」「近財職員自殺・佐川長官辞任」「原発ゼロ法案と廃炉」「米朝会談へ」

9日の金曜日は大変な1日になりました。まず、いつもの金曜官邸前再稼働反対デモについては、3・11の日曜日に大きな集会があるのでお休みだったそうです。いつもの「特別な1日」さんから11日の集会のお知らせの写真をお借りしました。


(1)朝日新聞が、前日の毎日新聞のスクープ(16年の森友文書)を受けて、第二弾の記事を発表。
森友と財務省の契約当時の決裁文書と、その後、国会議員に開示された文書には違いがある。2016年の売却契約時の文書で、1頁余りにわたって記された「貸し付け契約までの経緯」という項目が、その後の文書では抜けている。この項目には、財務省理財局長の承認を受けて特例的な契約を結ぶ経緯が記されていた。
(2)お昼過ぎだったか、テレビを見ていると近畿財務局職員自殺のニュースが飛び込んできました。山本太郎議員のあの質疑の言葉が本当になってしまいました。3月5日、参院予算委員会での山本太郎議員(自由党)の安倍首相に対する質疑の中で、山本議員は「安倍内閣のために、たくさんの工作にかかわった官僚の皆さん」に、「命を大切に、情報を出して、ちゃんとした国づくりのために力を合わせていただきたい。あなたは、この国を立て直すために必要な人材なんです」と訴えていました。

この内閣についていく、そのつもりでたくさんの工作に関わっていたとしたら、
官僚のみなさん、もうやめたほうがいいですよ!
価値がないです。いっしょに沈む気ですか?


情報隠しのために、このまま自分のいのちまで奪われかねないような状況にになったら、もったいなさすぎる。
あなたは、この国に生きている官僚のみなさんは、
この国をもう一度立て直すために必要な人材なんですよ。


今もっている情報があったら、ぜひ出していただきたい。
そして、ちゃんとした国づくりのために力を合わせていただきたい。
決して自分のいのちをムダにするようなことはしないでいただきたい。

●山崎雅弘氏のツィッターからです:

山崎 雅弘
@mas__yamazaki 3月9日
森友学園への不当な国有地払下げに深く関わっていた近畿財務局の職員が昨夜、首を吊って自殺していたことが分かった(田中龍作ジャーナル、2018年3月9日)http://tanakaryusaku.jp/2018/03/00017711 …「自殺したのは赤木俊夫・上席国有財産管理官。赤木氏は、払い下げの価格交渉で汚れ役を一身に背負わされていた池田靖統括官の直属の部下だった。


・氏の自宅となっている神戸市内の国家公務員宿舎には『改ざん前の原本』と『遺書』があったとされる」「赤木氏は問題の文書改ざんに直接関わっていた、いわば“実行犯”の一人と目されていた。遺書には組織に対する恨みが綴られているという。上司の実名を挙げて『●●からやらされ(書き換えを命じられ)た』と書かれているとの情報もある」「赤木氏は昨年後半から休職中だったが、国会で大問題となったことを受け、一昨日、登庁していた。その翌日、自らの命を絶った」政治家が地位を失っても、命は残る。政治家の地位と公務員の命、どちらが重いのか。


●そして、このニュースを消し去るように大騒ぎで伝えられたのが佐川国税庁長官の辞意です。国税庁長官が今頃!?
昨夜の麻生財務相の会見でも、無責任極まる態度と返答。任命責任を感じていないのは勿論のこと、理財局長当時についても仕事ぶりを評価しているとのこと。世論鎮静化のために退職金から減給20%・3か月分を差し引くのだとか。悪い奴ほどよく眠る。下っ端ほど責任を負わされて・・・
次も山崎雅弘氏のツィッターから:

▼首相や大臣の不正を隠すために、議員秘書や下級役人が自殺するほど、理不尽なことはない。人生がそこで終わってしまうのだから、将来の出世と引き換えの打算的な取引ですらない。ただ一方的に、強い側の人間が、自分の地位を守るために、弱い側の人間の命を、直接的であれ間接的であれ、奪い取るだけ。




NHK午後7時ニュースのトップは「政府 佐川国税庁長官の辞任を認める」。近畿財務局職員の自殺ではない。結果として、前者に強い光を当てることで、後者のインパクトを弱める効果をもたらしている。

同じ不正疑惑に関連して、一公務員の役職辞任と、一公務員の自殺、どちらがより重い出来事なのか。


▼ KoichiroKOKUBUN國分功一郎
ハンナ・アレント曰く、伝統的な政治思想によれば暴政とは「みずからについての説明をまったく要求されない統治」のことを言う。
そのような「暴政」を絶対に認めてはならない。世論もマスコミも断固として説明を求めていかねばならない。

布施祐仁
@yujinfuse
財務省の佐川国税庁長官が辞任の意向と速報。しかし、佐川氏には国会の場で説明する責任がある。防衛省の日報問題の時の稲田大臣のように辞めて幕引きは許されない。


フジサンケイグループのFNNニュースや夕刊フジは、数日前から「麻生財務相辞任」というワードを流して、それで幕引きにするシナリオを進めている模様だが、首相を守る事実隠蔽のために、関係職員が自殺する事態になっても、安倍晋三氏はまだ首相の座に居座るのか。財務省の官僚もそれで平気なのか。

(3)9日、国会では原発ゼロ基本法案」が立憲民主党と共産、自由、社民の4党共同で衆院に提出されました。
朝日新聞で、今年に入って2か月で衆院予算委員会脱原発を取り上げた議員数と時間が、昨年同時期の倍近くになっているという記事です。
論点は2つ。原発のコストと再生可能エネルギーの送電費用の負担問題。
「政府は、いまだに原発が1キロワット時の電気を作るコストは「10.1円以上で、低廉な電源」としているが、立憲の菅直人氏は「事故炉の廃炉費用などを含めると201円の試算もある」と見解が分かれる。もう一つが、再エネ普及の壁として、送電線を持つ電力大手が「空きがない」と主張して送電線増強の費用を負担を求めている問題がある」
●昨夜は、報道ステーション廃炉問題を取り上げていました。

2018年3月9日 (金)
原発事故から7年〜廃炉を考える

原発事故から7年。国と東電は福島第一原発廃炉を2041〜2051年までに終える方針だ。しかし、原子炉という巨大で複雑な機械の塊から“燃
デブリ”をどう安全に取り出すのか模索が続いている。かつて福島第一原発と同じようにメルトダウンを起こしたアメリカ・スリーマイル島原発を取材。そこで、燃料デブリ取り出しに立ちはだかる3つの壁が見えてきた。国の方針通りに廃炉にできるのか検証する。



アメリカの廃炉経験から、福島の廃炉がとてつもなく危険であること。たくさんの現場で作業する労働者の被曝の犠牲が伴うこと。「工程表にこだわらず、困難を認めて100年そっとして放射線量が低下するのを待つという考えもある」と後藤正志さんが。元原子力規制委員長の田中氏も、「廃炉が何時迄にできると言うことが、結局、信頼を失う結果になる。なぜ簡単には出来ないデブリの取り出しにこだわるのかわからない」と。
ところが、世耕経産相は、工程(ロードマップ)の枠組みは維持する。現場の最高責任者(東電「廃炉推進カンパニー」)は「工程の時期の科学的根拠は?」と聞かれても、「放置するリスクも考えて、とにかく計画通り進めることが大事。やれば出来ると思っている」と。

スタジオでは「精神論ではだめ」と言っていましたが、本当に変わらないですね。現場の作業員が「危なくても、福島の人のためにと思って…」と答えていましたが、戦争中の頃と変っていない日本を感じます。お国のためなら命を捨てても・・・が、今は福島のためなら放射性物質も怖くないと教え込んでいるのか、思い込んでいるのか。

「スリーマイルでは廃炉作業が冠水工法でできたからよかった、炉が壊れている福島第一では気中式、デブリの取り出しは出来ない」とアメリカの経験者が言っていますが、それを「やろうと思えばできる」という責任者の下で働く人たちは特攻隊と変わらないですね。
自嘲気味に「使い捨て」と言っている人たち、結局、被曝値が高くなったら、働けなくなって、別の仕事を求めて去っていくので、被曝による影響も分からなくなってしまいます。放射性物質が原因で病死してもわからないということに。本当に、また、繰り返されています…命を大事にしない日本。


(4)「米朝首脳 初の会談へ」。
韓国大統領の五輪を切っ掛けにした外交努力が実りそうですね。
昨日は又パラリンピックの開会式も。韓国伝統の芸能や色彩にあふれた開会式の様子を見ながら、韓国の人たちの方が民度?も政治力も?高いかもね、民族分断の戦後をしたたかに生きて、腐敗政治は弾劾裁判をやって出直して、なんとか北朝鮮アメリカを話し合いの場につかせるまでおぜん立てをやってしまう、とちょっと感心してしまいました。「東久留米日記」さんのブログで見つけたBBCニュースのソウル特派員による記事:

米朝首脳会談 21世紀きっての政治的な大勝負/2018年03月9日」(http://www.bbc.com/japanese/43341188)

米朝首脳会談が失敗すれば文氏は政治的に傷つくだろうが、彼にとって大事なのは、政治的な点数稼ぎではない。文氏は大統領選中、米誌タイムに「母は(本人の家族の中で)1人だけ、韓国に逃げてきた。その母は90歳だ。彼女の妹はまだ北朝鮮で生きている。母の最期の願いは妹との再会だ」と語っている。
一連の会談は、内情が読みにくい国との大博打(ばくち)だ。しかしもしも、文大統領がその成功に貢献すれば、核戦争の脅威は遠ざかる。文氏はノーベル平和賞を受賞するかもしれない。失敗した場合は、これまでの瀬戸際政策に戻るのみだ。

アメリカがどうして急転直下、北朝鮮との話し合いに応じたのか、昨日の「特別な1日」さんの”新聞に出ないニュース”によると、ある事情があるということです。アメリカの利益ファーストのトランプさんのことですから、ICBM(大陸間弾道弾)さえ飛んでこなきゃOKで合意されると困りますので、本当の意味での朝鮮半島の非核化が実現されるよう、日本も頑張ってほしいのですが・・・「新聞に出ない理由」はコチラのブログ「特別な1日」さんで:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20180309/1520584886