NHKのドラマ「花へんろ・特別編」と「透明なゆりかご」とカンテレの報道ランナーSP

週末ごとの台風で10月最初の三連休もと思ったのですが、だんだんお天気が良くなって三日目の月曜日は秋晴れになりました。連休初日は台風でお天気が悪いのを覚悟。いつもしないことですが、新聞のテレビ欄で番組チェック。午後からはテレビで三姉妹のドラマや、樹木希林さんの番組を見たり。そして4時から5時時半までNHK早坂暁最後のドラマ。6時過には母を呼んで夕食なので、先におでんを一鍋用意して、4時から居間のテレビで見ることに。

花へんろ・特別編」春子の人形「早坂あきら最後の作品」と番組欄には書かれていました。

早坂暁といえば、桃井かおりの「花へんろ」、吉永小百合の「夢千代日記」が最高でした。
この番組は、お遍路さんの「花へんろ」の番外編? 早坂暁さんの自伝? 
途中から夫も加わって最後まで、部屋が暗くなってもそのままで見終わりました。
田中裕子の母親、尾身としのりの父親、江田島を受験する息子を坂東隆汰、その妹を芦田愛菜
戦争と原爆を描いていますが、さすが早坂作品。田中裕子さんの母親の思い、息子の思い。拾いっ子であることを知る衝撃と、だから好きになっていいのよという喜びを同時に受け止める妹。それを告げる母の思い。いろんな人のいろんな思いを丁寧に描いて、あの戦争と前後の時代を浮かび上がらせるドラマでした。いい時間でした。
NHKの番組ホームページ(https://www.nhk.or.jp/dsp/hanahenrosp/)を訪ねて、昨年88歳で亡くなられた早坂さんの遺作だと知りました。
今年8月、BSで放送され、地上波の再放送でした。

昨年暮れ、88歳で急逝した脚本家、早坂暁の最後の作品。昭和の名作「花へんろ」の特別編。自らの体験をもとにした、兄と妹との心揺さぶる物語。


昭和初期の四国、松山。お遍路道に沿った商家の軒下に、人形と一緒に赤ん坊が置き去りにされていた。生活苦のお遍路さんらしい・・。この女の子は春子と名づけられ、少年・良介の3歳違いの妹として仲むつまじく育てられた。やがて戦争が始まり、16歳の良介(坂東龍汰)は、海軍兵学校に合格して瀬戸内の海を渡った。思案した母親・静子(田中裕子)は初めて春子に事実を告げた。「本当の兄妹ではない」と。兄にほのかな恋心を抱いていた春子(芦田愛菜)は無邪気に喜び、それを兄に伝えるために広島へ向かった。その翌日・・・原子爆弾が、上空でさく裂する。
終戦後、故郷に戻った良介は、信じるものもなく、妹を亡くした喪失感にさいなまれる。やがて苦悩する良介は、ある決心をする・・・。


13歳で亡くなった妹のことを、早坂はずっと書くことができなかった。しかし、数年前から“これだけは未来のために書き残したい”と脚本に向き合い始めた。病と闘いながら執筆を続けたが、途中から冨川元文にバトンタッチ、冨川が原稿を書き終えた2日後、この世を去った。人間の本質と社会を鋭い洞察力で描きつづけた早坂暁のいわば「人生の原点」を鮮やかに示す、遺作ともいうべきドラマ。

◎いいドラマといえば、これも終わってしまった連続ドラマですが、備忘録のつもりで、「透明なゆりかご」を。
NHKの番組ホームページの紹介文を張り付けておきます。(https://www.nhk.or.jp/drama10/yurikago/

・透明なゆりかご』とは?

町の小さな産婦人科医院を舞台に、ひとりの感性豊かな少女の目線で、“命とは何か”を問い、見つめてゆく物語。
累計325万部超、20〜30代の女性を中心に圧倒的な共感を呼んでいる、沖田×華さんの漫画作品をドラマ化。脚本は、NHK総合で初執筆となる安達奈緒子さん。主演は、これがドラマ初主演となる清原果耶さん。物語は幸せな出産ばかりでなく、中絶や死産といった産婦人科の“影”の部分にも向き合いながら、時に明るく、時に切なく、主人公たちの命への“祈り”にも似た想いをつむいでゆく。観ていてどこかほっこりする、でも心の底までズドンと来るような、そんなドラマをお届けしたい。


原作者のことば…沖田×華

最初に「透明なゆりかご」がドラマになると聞いたときは、まるで現実感がありませんでした。「妊娠」「中絶」という重いテーマを描いた作品なので、原作通りに作ることは不可能だと思っていました。しかし安達奈緒子さんの書きあげた脚本を読ませていただき、プロデューサーさん、監督さんはじめスタッフの皆様の作品を大切にしていただいている想いに触れるにつれ、不安は期待へと変わっていきました。そして撮影現場で、当時の想い出がまざまざと蘇るセットの中で演じられている「命のドラマ」を体験して、「この作品は原作以上のものになる」と確信しました。主演の清原果耶さんの人間味が溢れる演技は本当に素晴らしいです。清原さんの演技を見て私は思わず泣いてしまいました。漫画を描いていても泣いたことがないのに。今は傑作が生まれる現場に立ち会えている喜びでいっぱいです。涙無しでは観ることが出来ない「透明なゆりかご」、是非ご視聴いただければ幸いです。


・脚本家のことば…安達奈緒子

・制作にあたって…須崎岳


演出にあたって…柴田岳志

「命ってなんだろう」
「命には、望まれて生まれてくるものと人知れず消えていくものがある。輝く命と透明な命…わたしには、その重さはどちらも同じに思える」これは、主人公の高校生・アオイの心の声です。
この物語には、望まれて生まれてきた子だけでなく、一見望まれなかったと思われる子も多く出てきます。でも、望まれた子も、たとえ望まれずに生まれた子も、そして生まれなかった子も、命の重さはみんな等しく同じものなんだ…そんなアオイの目線を大切な心の軸にして、この物語すべての登場人物の胸の内を、ひとつひとつ愛おしんで演出しています。
誰もが感じたことのある、でも普段は忘れている、命に対する儚さや切なさ、そして愛おしさの感情を思い出すきっかけになってもらえたら、とてもうれしく思います。

◎9月21日(金)の最終回の内容は出産前に胎児の病気が分かり、出産すべきか中絶すべきか悩む夫婦と先生や看護師たちを描いています:

由比(瀬戸康史)は初産の妊婦・辻村灯里(鈴木杏)のお腹の胎児に、重い病気があると気づく。産まれても長生きするのは難しいと知った灯里と夫・拓郎(金井勇太)は中絶をも考えるが、榊(原田美枝子)や紗也子(水川あさみ)らが見守る中、産むことを決意する。大学病院の協力も得て、誕生後の対応や積極的治療の準備が進められていく。だがある日、灯里はアオイ(清原果耶)に、それまで秘めていた悩みを打ち明ける…。

◎これを見た後、私はたまたま9月24日(祝日の月)、カンテレの報道ランナーSP「2人のママにひまわりを」(3:50〜5:53)という1年間のドキュメンタリー番組を見ました。
男性不妊の夫婦が特別養子縁組で子供を育てるのですが、産める体の女性の側で自分で産まないと決意するときの葛藤。産まないと決めて養子縁組で子供を育てつつ、生みの親をもう一人のママとして子供に伝えます。このあたり、小さい子供が受け止めかねるのではないかと見ていても心配です。
そして、迎える二人目の子供にはダウン症があることが分かりますが、それでも養子縁組をして子供として迎えます。もし自分のお腹に宿った子がダウン症だったとして殺すのかと迫られているのと同じと母親の彼女は考えます。NHKの「透明なゆりかご」最終回のケースと全く同じことを夫婦二人は決断し、周りの心配や反対があっても自分たちの覚悟を貫きます。ママがかかりっきりの妹に少し嫉妬を覚えるいっちゃんですが、普通の子よりゆっくりした成長の妹を優しくかまってやります。自分で産まなくても育てることでママになるのですね。こんな肝っ玉ママややパパが若い人たちの中で生まれているのを知って本当に感心・感動しました。(番組案内:https://www.ktv.jp/document/