国際女性デー(3/8)と「伊藤詩織さん・佳子さま・安倍昭恵氏」

 3月8日は国際女性デーでした。28日の朝日新聞論壇時評の小熊英二氏、「この30年の日本 世界の変化になぜ遅れたか」の出だしです:

 日本の女性議員比率世界193ヵ国中165位経団連の正副会長19人の構成は、全員が日本人男性で最も若い人が62歳(2018年6月「日経新聞」)」。同性婚とそれに準じる制度は、01年のオランダが最初、その後18年で急速に広まり、G7で導入していない国は日本だけ死刑廃止も、91年の死刑廃止国際条約発効後の28年で急速に広まり、世界の3文の2が廃止か執行停止している。 

小熊氏は「なぜ日本の変化は遅れたのか。一つの答えは、国内市場が大きいからだ」と。だから、海外への関心がなくても済む。故に日本語だけでも就職できる。故に政財界の多様性は低く、閉鎖的な自国基準を見直す機運も薄く、新興極右政党の台頭もない。

もちろん日本でも若い男性は権威主義女性差別を嫌い、同性婚LGBTに寛容だ。こうした傾向は、アメリカの「ミレニアル世代」の共通する。アメリカのSNS世代が、多様性や公正を求める社会運動に結びついた。その一例が世界に広まった「#MeToo]の性暴力告発運動だ。ところが日本では、他人に干渉せず寛容だが、権力にも寛容で「抵抗するよりも受け入れてしまう。」「傷つくのも傷つけるのも嫌」なので、政権を攻撃する野党の方が「偉そうに批判ばかり」と映る共感と寛容という世界の若者共通の傾向が、日本では現状維持に働くのだろうか。(略)

◆国際女性デーのみの引用のつもりが、つい長くなってしまいました。女性問題についてツィッターから3つ並べてみます。

【1】カルバン・クラインが、ジャーナリストで準強姦被害を訴え、本も出版した伊藤詩織さんをキャンペーン映像に起用というニュース。日本の企業と違って?女性の評価の仕方が粋ですね。サイレンスブレーカーというネーミングも良いし・・・リテラの記事です:

 カルバン・クラインは伊藤さんを「映像作家(ジャーナリスト)/サイレンスブレーカー」と呼び、このように紹介している。

伊藤詩織は、すべての女性のエンパワメントをサポートしています。ドキュメンタリー映像作家であり提唱者である彼女は、小さな声を世界中に届けることに挑んでいます。自分自身を、そして彼女の内なる真実を信じて、現実に対して勇敢に挑戦し、暗闇に光を届けています。

【2】「東久留米日記」さんが、「えっ…… 国民の怒りが爆発? 私は怒ってないけど……そうか、怒らない私は非国民ということか。リプ欄が怖すぎる。崇拝と侮蔑は裏表か」と書いておられましたが、読んでみると、佳子さまを非難する人たちの勢いがすごいですね~。戦後・昭和の日本ってそんなに天皇一家や皇族に執着していましたっけ?象徴天皇で、テレビがファッションを取り上げたり、女性週刊誌の話題になるぐらい・・・でしたよね。

リテラが、「まさに“一億総小舅・一億総小姑”状態」として、佳子さま発言擁護の記事を書いています。
ここでも、28日の朝日の「文化・文芸欄」の記事がピッタリでした。

タイトルは「天皇『脱出の権利』改めて考える」。

「皇室は身分制の飛び地」という見出しでは:14年前、憲法学者奥平康弘・東大名誉教授(2015年死去)が著書「『萬世一系』の研究」で「天皇にはその地位を利出して普通の人になる『脱出の権利』が保障されねばならない」と提起した。

そして「共和制に移行し自由を」という見出しでは、社会学者の橋爪大三郎東工大名誉教授の解決策を紹介。「本人の自由意志が認められない世襲制。職業選択も婚姻も不自由。そんな不合理に皇族を縛り付ける国は、人権と民主主義の国ではない。橋爪さんはそう批判したうえで、本当に皇室を敬うのなら象徴天皇制に幕を引き、共和制に移行すべきだと論じてきた。」続きは記事写真へ。

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◆大正生まれの母は、皇室の方々のことをいつも『可哀そう』と言って、特に民間から入ったお二人をとても気の毒がっています。大正デモクラシーの”申し子””と母のことを感じるのも、この時です。敗戦をきっかけに得た自由や人権を、天皇一家は保障されていない、本当にお気の毒、天皇制はなくてもいいんじゃないのと言っています。夕食の時、母の意見と同じことを書いている人がいるからと、この記事が載っている頁を母に渡しました。佳子さまのことで非難している人がいるのも知っていて「今時、おかしい」と。

【3】最後に、安倍昭恵氏。同じくリテラが取り上げています。東京で開かれていた国際女性会議「WAW!」。マララさんの出席が話題になっていましたが:

・なんと、閉会の挨拶に立ったのは、安倍昭恵氏だったのだ。
 外務省HPの会議報告でも「内閣総理大臣夫人」という肩書きが記されていることからも昭恵氏が首相夫人として登場したことがわかるが、政府主催の国際会議で閉会のスピーチを担うこの人はどこからどう見ても「公人」だ。あらためて「首相夫人は公人ではなく私人である」という閣議決定のデタラメさには憤りを感じざるを得ないが、しかし、さらに驚いたのは、そのスピーチの内容だ。
 報道によると、昭恵氏は〈性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動に触れ、課題の解決には1人1人が声を上げることが必要だと指摘。「皆さんがつかんだひらめきを周りの人と共有し、必ず行動に移してほしい」と呼び掛けた〉というのだ(日刊スポーツ24日付)。

人間の尊厳を奪う性暴力を告発する女性の声には耳を傾けず、自分や自分の夫を庇ってくれるジャーナリストの主張に「いいね!」と賛意を示す──そのような人物が、女性会議で“1人1人が声を上げることが必要”などと指摘し、「必ず行動に移してほしい」と挨拶するとは。とんだ恥さらしではないか。

◆◆◆びっくりしました。加害者が被害者を訴える!? ”司法も安倍のモノ”の今の内、今なら勝算あり、という計算?でしょうか。

内田樹さんがリツイート

立川談四楼

@Dgoutokuji 3月28日

山口敬之氏、伊藤詩織氏を反訴」に目が点となった。「彼女は性被害ビジネスに私を利用した」として1億3000万円の損害賠償を請求したのだ反省の日々を送っているものと思ったらこれだ。看過できないのは「性被害ビジネス」、どこまで腐ったらこんな言葉が吐けるのか。盗人猛々しいにも程がある。

◆森友問題は安倍昭恵氏が証言すれば解決する問題です。夫の失言を認めて、知っていること関わった事実を正直に話せば、一人の命が失われることもなく、公文書の改ざんや破棄もここまでひどくはならなかったはず・・・罪なことです。

 内田樹さんがリツイート

Dr.ナイフ

@knife9000 3月25日

自分や妻が関わっていたら総理大臣も議員も辞める

その場の感情、思いつきで大失言をした結果後始末を押し付けられた罪のない職員が自殺し、国政を大混乱に陥れたのに、いまだに総理大臣も議員も辞めず、妻は日本女性の代表のように振る舞う。

改めて文章にしたら怒りに震えます。

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