沖縄復帰の日、富国強兵の為の増税反対、続く審議拒否、危険な五輪工事現場、そして「令和おじさん」に見る『衆愚政治』

5月15日は関西では京都の葵祭の日でしたが、『47年前の今日は、戦後27年間、米軍に統治された沖縄が日本復帰を果たした日』でした。

山崎 雅弘さんがリツイート

沖縄タイムス

@theokinawatimes 5月15日

◆経済学者の浜矩子氏の増税反対論です:

内田樹さんがリツイート

 但馬

@wanpakutenshi 5月16日

浜矩子教授「“富国強兵”のための消費税の増税には反対です」(女性自身)

不測の事態に陥ったとき、国民や企業をレスキューするのが、国の役割です。そのためにわれわれは税金を払っているのに、現状では、むしろ国が苦しいからといって、国民がレスキューを強いられる

 ◆選挙を前に国会で野党の追及を受けたくない与党。審議拒否が続いています: 

内田樹さんがリツイート

 蓮舫立憲民主党(りっけん)

@renho_sha  5月14日

自民党の審議拒否が今なお続いています

参議院予算委員会では参議院規則に基づいて1/3の予算委員による署名で委員会開催を求めています。委員長は「開かなければならない」とされているのに、自民党が出席しないと明言し頓挫。引き続き開会を求めています。

東京オリンピックに向けて突貫工事が続く現場。労組国際組織が「危険」と警告:

内田樹さんがリツイート

平尾 剛

@rao_rug  5月16日

◆「戦争で取り返す」発言の丸山穂高氏、国会議員はやめないとか。憲法に照らし合わせて、どこが間違っているのか?まだ理解できていない?

 内田樹 Retweeted
想田和弘

@KazuhiroSoda 5月15日
丸山氏はなかなか議員を辞めないと思うよ。だって「ナチスの手口をみならえ」をはじめとした数々の暴言を放った副総理は未だに辞めてないし、「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と言い放ったかつてのボスも辞めずに済んだ。「なんで俺だけが」と思っていると思うよ

山崎 雅弘
@mas__yamazaki 5月15日
この国会議員の「戦争肯定発言」をテレビ番組が「失言」として扱う状況は理解しがたい。どれほど重大な問題なのか、番組制作者は理解していないのかと思う。現職国会議員が「国権の発動たる戦争」を肯定する発言をしたこと。現職国会議員が一般市民に戦争を唆していること失言という軽い話ではない。

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 ◆公人の発言についてお二人のツィートのやりとりです:

内田樹
@levinassien 5月15日

お稽古前にAERAの原稿900字をさらさら。どうして政治家の言葉がこんなに軽くなってしまったのかについて書いてみました。これは資質の問題ではなくルールの問題なんです。「公人には私人には許される言い訳が許されない」という古代からのルールがこの6年半で消滅したのです。

山崎 雅弘

@mas__yamazaki

私もそう思います。公人や公的役職者は、ただ単に選挙で票を取れば誰でもなっていいものではない。そこに求められる倫理規範をクリアしない人間は、どれほど大衆的人気があろうと、公人や公的役職者になってはいけない。そんな約束事が、社会で忘れられ消えたように感じます

◆新しい元号を掲げた官房長官の菅氏を「令和おじさん」ともてはやすプチブームから、映画監督の想田和弘氏が『衆愚政治』と読み解きます:

想田和弘さんがリツイート

鮫島浩

@SamejimaH 5月16日

·令和おじさんブームは官房長官を知らなかった国民が多数いたことを物語る。彼らはモリカケも公文書改竄も望月記者質問制限も知覚していまい。一方で安倍首相と会食するTOKIOの写真や安倍首相に見えないイケメン武士のイラストを見て内閣に好感を持っていく。恐ろしや

h-onishi

@aitoshiba 5月16日

「令和おじさん」なんて聞いたときは衝撃だった。安倍政権を維持させているのは、右翼思想の安倍応援団なんかじゃもちろんなくて、圧倒的多数の無関心層ということをわかりやすく指摘している。

上原 丘

@hllluehara 5月16日

·まったく同感、世論調査で、何もしてないのに安倍の支持率が上がる事がよく示している、多くの人は政治ニュース見てないし、見てもニュース内容ではなく「安倍の顔」しか見てない。今の世論調査は、支持率ではなく接触度にすぎないと感じる。

 

めばる

@CTd1EQFQceusCRf

政治に無関心な人だけでなく、関心のある人さえも、マスコミを飼い慣らして手段選ばず洗脳しにかかっているのだと思う

久しぶりに実家に帰ったら、ずっと反自民だった父親が支持派になっていて、これ以上ない程ショックだった。一体何に、誰に騙されたのか

 

山崎 雅弘さんがリツイート

らくーん

@chasingraccoon 5月16日

本当に悲しいけれど想田氏の指摘する通りだと思う。多くの人が政治に関心ないから元号変わったりアイドルと会食しただけで支持率も簡単にアップしちゃう。暗澹とした気持ち。

 ◆それでは、マガジン9の記事を全文引用です:

第76回:「令和おじさん」プチブームから見えるもの(想田和弘

By 想田和弘 2019年5月15日 

 

 天皇の代替わりと新元号をめぐるお祭り騒ぎの中で、地味に驚愕させられたことがある。それは、新元号を発表した菅義偉官房長官がネット上などで「令和おじさん」と呼ばれ、「可愛い」「笑顔がいい」などと人気を博し、知名度を急上昇させた(らしい)ことである。
 菅氏といえば、記者の質問に対して超絶不機嫌な顔と態度でぶっきらぼうに答える姿ばかりが目に焼き付いている。だから「可愛い」という形容詞が使われたことに、まずは不意をつかれた。
 だが、それよりも驚かされたのは、彼がどうも「令和おじさん」として初めて日本国民の間に広く認知された(らしい)ということである。つまり菅氏が新元号を掲げる姿を見せるまで、その存在を知らなかった人々が大勢存在した(らしい)のである(だって、でなければ、まるで初めて表舞台に登場した人のごとく「令和おじさん」なんて命名されないですよね)。
 これはよく考えるとかなり重大な発見であり、深刻な問題だ
 第二次安倍政権が誕生して、すでに6年以上が経過している。その間、菅氏は常に安倍内閣官房長官として、日本政府のスポークスパーソンを務めてきた。ニュース番組を見ていれば、ほぼ毎日のようにテレビに映し出される顔だ。首相の次くらいにはメディア露出度の多い政治家だと思う。
 その菅氏の存在を知らないということは、その人はほとんど日本の政治に関心がないし、ニュースを追っていないということだ。つまり安倍政権がどんな政権で、何をやってきて、何をやろうとしているのか、ほとんど知らないということであろう。
 そういう主権者が、日本には大勢いる。その実数はわからないが、少なくとも菅氏が「令和おじさん」と呼ばれ、プチブームになる程度には、政治に無関心な人がたくさんいるわけである。

 僕はこのことが、実は日本の政治の最も根本的な問題なのではないかと思っている。
 デモクラシーとは、国王や皇帝が政策や方針を決めるのではなく、主権者である民衆自身が決めるためのシステムであるそれが適切に機能するためには、民衆一人ひとりがある程度政治に関心を持ち、情報を集め、勉強することが不可欠である。でなければ国の方向性や政策の良し悪しを判断したり、自分たちの代表を適切に選んだりすることなど、不可能だからだ。
 そういう意味では、今の日本の状況はあまりにも多くの主権者が主権者としての責任を放棄した状態であると言わざるをえないもっと厳しい言い方をするなら、「衆愚政治」に陥っているとしか言えないのではないか。
 安倍首相や自民党は、そういう状況をよく理解しているのみならず、歓迎しているのだと思う。そして人々が政治に無関心であることを、自らの権力を維持するために積極的に利用している
 例えば、自民党が夏の選挙に向けて若者をターゲットに立ち上げた「#自民党2019」というプロジェクトには、そのことが典型的に現れている。
 このウェブサイトには、人気ゲーム「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインなどで知られる天野喜孝氏が描いたイケメン武士に、「第二十一代・第二十五代 自由民主党総裁 安倍 晋三」とのキャプションがつけられている。
 その厚顔無恥さに、ソーシャルメディアでは呆れる声が上がったが、首相の行為を厚顔無恥だと思う人は、政治に関心を持ち、安倍政権の危険性や酷さを知っている人であるだが、政治に関心がない人で、ファイナルファンタジーを好きな人は、ほぼ間違いなく自民党や首相に対して好感度を上げるであろう。
 そして好感度を上げる人は、好感度を下げる人よりも、たぶん多い。いや、少なくともそう睨むからこそ、自民党はこのようなサイトを立ち上げたのである。 また、5月12日、首相はTOKIOの人たちと食事をする写真とともに、次のようなツイートをした。  「TOKIOの皆さんと再会しました。福島 復興のために頑張ってくださっています。話に花が咲き、本当に楽しいひとときを過ごすことができました!」
 TOKIOファンのなかに菅氏を知らなかった人、つまり政治に関心がない人がどのくらい存在するかは知るすべもないが、TOKIOファンという分母が大きいことを考えれば、ここにもやはり、かなり多くの「政治無関心層」も含まれていると想定してよいだろう。彼らにとって、大好きなアイドルと仲良く写真におさまる安倍首相の好感度が上がることは、ほぼ確実だ。
 これも実に効果的なイメージ戦略であり、選挙運動だと思う
 
けれども、当然のことながら、安倍自民党が良い政治をするかどうかは、天野氏やTOKIOと仲が良いかどうかとは全く関係がない。そういう意味では、安倍自民党の戦略は、政治の本質とは全くかけ離れた部分で得点を稼ぐ「騙しの戦略」だと言える。しかし当の主権者が政治に関心を持たない「衆愚」であれば、それが詐術であることを見抜くことはできまい

 

 日本のデモクラシーは、かなり重篤な病気にかかっているのだと思う。それは独裁的な首相の首をすげ替えれば治るというようなものではない。なぜなら主な病巣は、私たち主権者にあるからである

 (文中の安倍首相とTOKIOのメンバーとの会食の写真は,どなたかのツィッターからコピーしたものを貼り付けました)