「サタデージャーナル」上田晋也氏最後の挨拶と映画『新聞記者』

◎TBS系列の朝の番組「上田晋也のサタデージャーナル」が打ち切りになると報じられて初めてこの番組のことを知りました。「東久留米日記」さんが、6月29日の最終回のくりぃむしちゅー上田晋也氏のコメントを掲載した記事を紹介されていました:

www.huffingtonpost.jp

 HUFFPOST

NEWS

2019年06月29日 11時10分 JST | 更新 10時間前

上田晋也がサタデージャーナル最終回で語ったこと 「政治、世の中を変えるのは、我々一人一人の意識」(コメント全文)

ラスト70秒間、カメラから一度も目をそらさず、自分自身の言葉を紡ぎました。

 

中村 かさね (Kasane Nakamura)

TBS公式

上田晋也のサタデージャーナル」公式サイトより

くりぃむしちゅー上田晋也さんがMCを務める「上田晋也のサタデージャーナル」(TBS系列、土曜午前5時半〜6時15分)が6月29日で最終回を迎えた。

上田晋也のサタデージャーナル」は、とあるジャーナル紙の編集会議をイメージしたスタジオで、上田晋也さんが編集長となって毎週ピックアップされたニュースの背景や解説を専門家と話し合う。

2017年4月に始まり、初回のテーマは「森友学園」。上田さんの本音コメントや政権批判にも踏み込んだ内容が注目を集めてきた。

6月22日の番組では、他のニュース番組があまり取り上げていない自民党の謎の小冊子「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」についても取り上げた。

最終回のテーマは「なぜ忖度は止まらない?」。ゲストの片山善博・元総務相らとともに、モリカケ問題をはじめ、これまでに取り上げてきたニュースを振り返った。

ラスト70秒、一度もカメラから目をそらすことなく…

<中略>

上田さんのメッセージ全文は次の通り。

今日が最終回ということになりました。

世の中の様々なことについて、世の中の皆様にほんの少しでも問題提起ができればいいなという思いで、毎週お送りしてきました。

あくまで私個人の考えになりますけれども、今、世界が良い方向に向かっているとは残念ながら私には思えません

よりよい世の中にするために、今まで以上に一人一人が問題意識を持ち、考え、そして行動にうつす。これが非常に重要な時代ではないかなぁと思います。

そして、今後生まれてくる子どもたちに、『いい時代に生まれてきたね』と言える世の中をつくる使命があると思っています。

私はこの番組において、いつもごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。

しかしながら、一方では、その当たり前のことを言いづらい世になりつつあるのではないかなと危惧する部分もあります。もしそうであるとするならば、それは健全な世の中とは言えないのではないでしょうか。

最後に、また当たり前のことを言わせていただこうと思いますが、私は政治、そして世の中を変えるのは政治家だとは思っていません。

政治、世の中を変えるのは、我々一人一人の意識だと思っています。

みなさま、どうもありがとうございました。

◆6月22日の番組で取り上げられた「謎の小冊子」について: 

山崎 雅弘 Retweeted

 小川一 @pinpinkiri Jun 29

五十嵐仁法政大名誉教授の指摘です「こんな誹謗中傷の冊子を党本部が配るなんて昔の自民党だったら考えられない。長期政権の弊害で『安倍さんバンザイ』という個人崇拝が強まり野党やメディアを攻撃してもかまわないという雰囲気がまん延して議会政治の節度が失われている」
 冊子は「フェイク情報が蝕(むしば)むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」と題され、6月に入り、自民党所属の国会議員事務所などに配られた

◆さて、↓の写真は、金曜日の朝日新聞夕刊の映画の広告です: 

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キネマ旬報(6月上旬特別号)

権力と闘うジャーナリストを描く外国映画を見るとこういう映画は日本では無理かと思ってしまうが、そのあきらめを打ち消してくれたのが、この『新聞記者』だ。取り上げている数々の政治事件が何を指しているかは一目瞭然。現在の大手映画会社にはおそらくできないだろう。観客に多くのことを問いかける力作である。

 

是枝裕和(映画監督)

これは、新聞記者という職業についての映画ではない。

人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ。

◆写真↓は映画館の前に張り出されたはポスター: 

想田和弘 Retweeted


東京新聞労働組合 

@danketsu_rentai

Jun 28
この作品に参加したら
テレビの仕事がなくなる」と
製作会社2社が依頼を断った…
と映画のプロデューサーが明かした。
政権のメディア支配は極めて深刻。
#東京新聞 6月27日朝刊

◎だいぶ前のこと.慰安婦問題を扱った映画「主戦場」を誘ったら夫に断られたのですが、今回はOKでした。夫が山へ行けない雨の日狙いで、前日にネットで予約して行くことに。

大雨の日曜日、12時05分から上映の劇場は69人収容でしたが、終わって入口のポスターの写真を撮ろうとしたら別の作品になっていました。出口へ向かう途中で写真を見つけたので近づいてみると、109人が入る劇場に代わっていました。よかった~

この時期にこの内容で公開される(制作自体は昨年暮れあたりから)映画を作る側、出演する側の勇気と決断、それに応えて観客数も増えてほしいと思います。

主演の男女二人の迫真の演技が素晴らしいですし、内調トップの田中哲司氏も憎々しげです。どれも、ここ数年のあの事件、この事件、あの事、この事と思い当たります。しかし、それにとどまらない、スリルとサスペンスのエンターテイメント映画です。 この映画がヒットすること自体が安倍政権がやってきたことへの批判になります。

・「最初に脚本を読んだとき、『こんなに攻めた映画を作るのか』と衝撃を受けたことをよく覚えています。

・映画『新聞記者』は、東京新聞・望月衣塑子(いそこ)記者の同名ベストセラーを原案にしたサスペンス・エンターテインメント。日本で起きている現在進行形の事件をモデルにしたドラマが、生々しく展開していく。事件の真相を追う記者を演じるのは、韓国の若手演技派、シム・ウンギョンさん。松坂さんは、「国民に尽くす」矜持を持った内閣情報調査室(内調)のエリート官僚という役どころだ。

◎いつも一本映画を見た気分になれる映画レビューを毎週発表しておられる「特別な1日」さんも、2本の日本映画のうちの1本に、この「新聞記者」を取り上げておられます。辛口のレビューですが、映画評の前の「変わりたくない人々」が選挙を控える今の日本の在りようを見事にとらえています。これをぶち壊すような選挙結果を期待したいですが、その前にこの映画「新聞記者」のヒットも期待です。

「東久留米日記」さんのメモによりますと、公開後、映画のホームページに反響が寄せられてパンク状態とか。とにかく政権やメディア批判をこの時期堂々と映画でやってのけるというのは日本初の試み。至らぬ点にも目をつむらないで、つづいてほしい次回作がより優れた映画になるように、厳しい批判で応援したいです。こちらで: