「即位の礼」と『蜜蜂と遠雷』と母の誕生日とラグビー

◎1時から憲法に則った国事行為である「即位の礼」が行われました。税金による一大行事ですので見なきゃ損(?)ぐらいの気持ちで二人で見ることに。祝日だったんですね。毎日が日曜日の私たち、気づくのが今日になって、それも次男にラインで確かめて…「休みです。東京、警官が多いです」とか。

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宮殿や前に広がる広場、並び立つ幟。基本的には中国の紫宸殿や琉球王国の宮殿と同じですが、やはりここまで装飾を削いでスッキリと日本的なものになっているのには感心します。大正生まれの母がいつも「天皇制、無くすわけにはいかないの。かわいそうに、プライバシーもなにもないじゃない」と口癖のように言っているのを思い出しながら見ていました。男子皇族はたったの3人(1人は未成年のため参列せず)、あとは十二単姿の女性皇族ばかり。どうなるのか、早くみんなで議論が必要な課題です・・・

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◎雨の日は箕面の山へ行けないので、家にいて読書かDVD鑑賞という夫に、以前から映画の「蜜蜂と遠雷」とリクエストしていました。天候と私の体調を見て先週の金曜日、9時半に生協の集配が終わったらすぐ車を出して映画館へ。直木賞本屋大賞のダブル受賞のこの小説、東京の息子から何年か前、「音楽が言葉でわかるように表現されている、お母さんならもっとよくわかるんじゃない」とお勧めの電話。息子が15歳の冬、俄かクラシックファンになった私のことをそう思ったようです。読み終わったのなら送ってと頼んだら、人にやっちゃたという。小説の評判を耳にしながら、そのまま。その後、「夕月」は送ってくれて読みました。今年に入って、「蜜蜂と遠雷」が映画化されたことがわかり楽しみにしていました。カメラを忘れて出たので、入口のポスター写真の代わりに公式サイトからの写真をコピーです。

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音楽映画といえば、数年前に見たノダメカンタービレ。主演を演じた上野樹里さんもピアノの運指は吹替なしということでした。今回も4人のピアニスト役の俳優さんたちは全部自分でこなしたとか。日本の役者さんも大したものです。ポーランドで上映したら、本当に俳優が演奏しているのかと聞かれたとか。ピアノ演奏自体は4人のプロのピアニストの演奏が流れているそうですが、ピアノを弾いているのは俳優さんです。素晴らしい出来。プロコフィエフバルトークの協奏曲、ドビュッシーの月の光とか、この映画のために作曲された課題曲と4人分のカデンツァ。音楽映画そのものでした。

109シネマズのホームページからストーリィをコピーです:

3年に一度開催され、若手ピアニストの登竜門として注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。かつて天才少女と言われ、その将来を嘱望されるも、7年前、母親の死をきっかけに表舞台から消えていた栄伝亜夜(松岡茉優)は、再起をかけ、自分の音を探しに、コンクールに挑む。そしてそこで、3人のコンテスタントと出会う。岩手の楽器店で働くかたわら、夢を諦めず、“生活者の音楽”を掲げ、年齢制限ギリギリで最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石(松坂桃李)。幼少の頃、亜夜と共にピアノを学び、いまは名門ジュリアード音楽院に在学し、人気実力を兼ね備えた優勝大本命のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)。そして、今は亡き“ピアノの神様”の推薦状を持ち、突如として現れた謎の少年、風間塵(鈴鹿央士)。国際コンクールの熾烈な戦いを通し、ライバルたちと互いに刺激し合う中で、亜夜は、かつての自分の音楽と向き合うことになる。果たして亜夜は、まだ音楽の神様に愛されているのか。そして、最後に勝つのは誰か? 

 松岡茉優さん熱演です。16歳の風間塵を演じた鈴鹿という新人さん、かわいい顔にモジャモジャ頭がデビュー当時のソ連のピアニスト、キーシンに似ていました。コンクールで競い合うというよりピアノが楽しくてたまらないという・・・演奏を終えてアンコールを延々弾き続けたというキーシンの逸話が残っていますが彷彿させる感じでした。演技の上手な少年がいたものです。これは、いつか小説も読まないとと思いました。満足して映画館を後にしました。 

◎翌日の土曜日は母の98歳の誕生日でした。糖尿病もちの母にケーキはダメなので、母のリクエストで夕食はステーキにすることに。夫が買い出しに行ってくれて、ヘレ肉を私と母で半分にすることに、夫はサーロイン。外食すると3倍はするからと久しぶりの贅沢をすることに。赤ワインで乾杯。98歳、オメデトウ!に、母は、「おめでたくもないけど、もう十分生きたのに、仕方がない」と。

 夫が、「お父さんの102歳まで、まだ4年ありますから」には、「いろいろ病気持ちだから、そこまでは生きられないし、生きたくはないけど、でも、生きているからにはボケないで元気でいないと。迷惑かけてるのに、これ以上は・・・」「そうよ。お父さんも、たった2週間入院しただけだから、ピンピンコロリみたいなもんだったし」「そうね、お父さんは上手に逝きはった。私もPPKで。幸い、今のところ認知症でもないみたいだし」「我が家ではお母さんが一番冴えてます」と夫も。
 お皿の上のヘレ肉の半分を残して私に「貧血に効くから食べなさい。お婆さんが大食してはいけないから」と。私自身も一度に食べきれず、少し残しました。翌日の夕食に少し炙って出したら、一日経っても美味しいね~でした。

 ラグビーのワールドカップが始まって、夫が、サッカーより面白いと、すっかりラグビーファンになって、テレビ観戦。大声で声援を送っているのを見て、そんなに楽しいものかと思ったのだそうです。母も隣で一人でいる時、ラグビー観戦を始めました。
ついこの間まで、取っ組み合いが乱暴で…と言っていたのに、最近は、面白いね~と言って日本代表の試合を応援するのを楽しみにしています。お昼の番組で紹介される各選手の名前や特徴まで覚えていて、髪の毛を編んでいるのは何とかさんとか言って夫と話しています。98歳でも新しい楽しみを見つけるメリーウィドウです。

 さて、日曜日、夫は山仲間3人と朝早く箕面の六個山へ出かけました。母と2人で朝食後のコーヒーを済ませて、一人になってから、さあ、洗濯(我が家の洗濯機はまだ二槽式)をして、信号向こうのスーパーまで足りないものを買い足しに出かけました。帰ってからは気になっていた換気扇の下の油汚れの掃除をすることに。
 これだけすると、ちょっとボ~としてきたので熱を測ると37度台を越えています。休憩、休憩とソファに横になっていると、今度は足がつってきました。筋肉が弱っていたので少し歩いたのが堪えたのだと思います。3つは多かったかな・・・と思っていると、2時過ぎに夫が山から帰ってきました。「元気か~?」に、どう答えようかと考えましたが、正直に答えるしかありません。「やり過ぎ~」。そうですね。焦ってはいけませんね。

内田樹 Retweeted

安田登 @eutonie 10月20日

ネトウヨの人たちは「純粋な日本人」の重要性をよく叫んでいるけれども、「純粋な日本人」以外の選手が多いラグビー日本代表の試合などは「けっ」と思っているんだろうか。それとも宗旨を変えたのだろうか。周囲にネトウヨの人も差別主義者もいないからわからない。

  ◎月曜の朝、10時半ごろ隣へ顔をのぞかせると、訪問医の先生と看護師さん相手に、母が前日のラグビー日本代表の南ア戦の感想を話していました。「残念やったけど、ここまで来れたら立派、立派」と。「お誕生日も赤ワインで乾杯、ラグビーの試合も応援して、ずいぶん元気になりましたね」と先生が、「はい、おかげさまで」と私。 

(写真は午後3時頃、薬局の帰り、芦原公園を通り抜けた時のもの)