木立性ベゴニアと映画「戦場のピアニスト」を見て・・・

◎昨日の朝、駅向こうの従弟から、今から10分ほどで行くけどいい?と電話。コーヒーカップを出してテーブル周りを少し片づけているうちにチャイム。入るなり、「Aちゃん亡くなったことまだ信じられなくて力が抜けて・・・」と。従弟は母の妹の末っ子で私と10歳違い。岐阜にいる彼の姉は、9日に亡くなった私の末の妹・A子と同い年、兄が私の真ん中の妹と同い年。電話で連絡したら皆え~っという感じでまだ信じられないと。そういえば、末の妹は5歳年下の従弟が叔母さんに連れられて家にやってくると弟が出来たように喜んでこの従弟を連れ廻って可愛いがっていました。

「ごめんね。闘病中のことは誰にも話してなくて、突然だったものね。去年の今頃の京都での父の一周忌と箕面の風の杜で食事会をした、あれが元気な姿の最後だったものね」と私。しばらく、いとこ同士の昔話と結婚してからの妹の話や、妹の『家に帰りたい』という最期の願いを叶えるのに一生懸命だった妹の孝行娘や息子たちの話を。

ひとしきり話をしたあと夫が写していた妹の遺影の写真を持って帰りました。夫も、亡き妹を偲んで話しに来てくれた従弟の優しさを有難いと言っていました。コロナで面会叶わぬ母(彼にとっては伯母)について私の知る限りの様子も伝えましたが、入院して大変なところに娘に先立たれるなんて可哀そう・・・と。

昨日の夕方の雷雨で今朝は少し秋めいた空気を感じました。

🔲NHKのBSで放送され録画していたロマン・ポランスキー監督の映画「戦場のピアニスト」を見ました。戦場のピアニスト : 作品情報 - 映画.com

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評判の映画だったのに今頃初めて。「戦争」を描いた名画ですね。人間はかくも残酷、残虐になれるものか、と同時に、人間はかくも優しく・・・とも。2時間半ほどの内、2時間はユダヤ人のピアニスト、シュピルマンがドイツのユダヤ人狩りから逃げ回る姿が描かれます。助けると言って裏切る人もいるし・・・そしてドイツ人将校との運命の出会い。

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その出会いを結ぶショパンピアノ曲。同じポーランド人で若くして国を追われ望郷の思いをピアノに託したショパンの名曲が緊迫した逃亡劇を彩ります。これが実話で原作があるというのが本当に信じられないくらいです。この時の演奏曲は、バラード第1番ト短調作品23(原作ではノクターン第20番)。

ドイツ人将校は屋根裏に潜むシュピルマンにパンとジャムそして缶切りを届けます。

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退却する最後の日、ドイツ人将校は「戦争が終わったら?」と問いかけ、「ラジオ局のピアニストにもどる」と答えるシュピルマンに名前を聞いています。そして自分のコートもシュピルマンに与えます。これが解放軍のロシア兵にドイツ人と間違えられることになりますが、このコートのおかげで寒さに耐えて生き延びる事にも。戦争の終結とともに、二人の立場は逆転します。

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(解放されたユダヤ人の向こうはソ連軍に捕まり集められたドイツ軍兵士)

個人にとって国同士の戦争の残酷、無意味とはこれほどにも…という転回です。映画は大きなホールでオーケストラを背にシュピルマンがピアノを演奏、万雷の拍手に応えるシーンで終わります。

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NHKの最後の静止画面が内容を表していますので並べてみます。


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