年の初めに

2019年、平成最後の年が始まりました。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年はめずらしく、東京の長男が大晦日から4日までの長期の滞在。その代わり、沖縄の次男は帰省せず、音信不通?
母が、3人のところ4人に増えて賑やかなお正月で良かったと大喜び。そこで母の一句:


   お雑煮膳 一人となりて 娘(こ)の家で   


1日は、近くの聖天(西江寺)さんと竜安寺(弁財天)へ、
そのまま3人で滝まで行くことに。初滝詣でとなりました。
昨年、紅葉の頃に初めて見た惨状でしたが、モミジも枯れて谷あいのスギやモミジの大木、古木が折り重なっている様子は本当に恐ろしいほどです。
暮れに、仕事で北海道、高槻、広島と昨年の被災地を巡ってきた長男は
人間は自然には勝てないって…と言います。その通りです。

2日は、車で京都の東山浄苑へお墓参り。
京都の手前から少し渋滞、1時間のところ余分に30分かかって到着。
お正月のお墓参りがこんなに賑わっているとは思いもよらず。
大変な人出の中、無事、父のお参り、分骨した夫の両親のお墓参りを済ませました。


3日、昨日は、夕食後4人で母が楽しみにしている「プレバト俳句頂上戦」を見ることに。
初めて見るという長男が、「なるほど、人気があるのがわかる、俳句やってなくても添削後の方が良いのがわかる」と納得しています。
冬の俳句対決のお題は「結露」で、結露に濡れるガラス窓の写真が添えられています。この冬麗戦を制したのは東国原さんの「凍蠅よ 生産性の 我にあるや」でした。俳句に込めた思いと夏井先生の解説がまた素晴らしいものでした。
そして、私は、暮れに見たお昼の番組を思い出しました。関西テレビの「胸いっぱいサミット!」という、ハイヒール・リンゴのリンゴさん(ますだおかだの増田さんの時も)が仕切り役を務めて、パネリストがかなり政治的な問題も話題にして議論しあう番組があります。最近のメンバーは政府寄りの発言をする人が増えて、これもかなり「偏向」気味かと心配していました。

この日は、年末で、問題発言をした最悪、最低のダメ政治家・官僚を街の人たちに聞いてスタジオで誰かを決める「2018年えらいこっちゃニュース大賞」を選ぶコーナーでのこと。桜田大臣や片山さつき、福田前事務次官や、今井絵理子、山尾しおりなどの名前が並んでいました。タレントの鈴木奈々さんが、「なんといっても杉田水脈。あれはダメですよ。私はおネェやLGBTの友達が多いけれど、生産性がないなんて、そんな言い方は許せません! あれは、絶対、許せません!」と大きな声で。デビ夫人が、「私は、あの発言は間違ってないと思う。国が人口減で大変な時だから」と。この方は今もスカルノ大統領夫人です。今は安倍さん応援団。いつも個人より国家を優先した考え方は変わりません。
この時、端っこにいた東国原さんが、「製造責任は維新だから」と。橋下徹氏も「はい、僕が製造責任者です。あれは我々が悪かった」と。東国原氏「あの頃,維新は乱造してた。女性も入れる必要があるとか」。それまで黙っていた五体不満足乙武さんが発言。「杉田水脈氏のアレは、最後、普通でないと国は持たないというようなことが書いてある。それが問題だと思う。障害を持つ人たちは普通になりたくてもなれない人たちで、それを普通でないといけないというのは良くない」と。橋下氏も「デビさんのような考え方の人がいるのも分かるけど、そう考えない人たちも世の中にいる。そういう人たちのことも考えないといけない」と。ここでリンゴさんが、「それで、だれ?」に、東国原、橋下両氏も杉田水脈。デビさんが、「あの発言は正しい。そういう人が増えたら国は困る」と言い募るのを制して、リンゴさんが、「杉田水脈で決まり!」でした。

東国原さんの俳句、「凍蠅(いてはえ)よ 生産性の 我にあるや」は、この日のバトルを思い出させるとともに、2018年の日本で、性の問題が生産性のあるなしで語られるようなひどい年であったことを記憶、記録し、そして、そういう考えや思いが、果たして自分にもないだろうかと自分にも問いかける句でした。奇しくも年末、年始のエンターテイメント番組の中で、こういうやり取りがあったということは、今年は少しマシな年になるかなと思える良きことの一つでした。
(元旦はお天気が良く、滝には虹がかかっていました)