志村けんさん追悼、綾野剛さんと新ドラマ、2,3か月遅れの春ドラマあれこれと25年前の「愛していると言ってくれ」

◆「J:COM」の6月号にのトップの写真は志村けんさんの様々な番組の写真でした。写真と記事を見ていると我が家の息子たちが小中高時代の70~80年代を思い出します。「8時だョ!全員集合」やその後の「バカ殿様」ぐらいまででした。子どもたちと一緒に私も見ていた頃がありました。最近は母が志村けんさんの動物番組とバカ殿様がお気に入りでした。

3月の終わりごろ、志村けんさんコロナ感染のニュースとその後の思いがけない死去のニュース、そして身内との最期のお別れも出来ない亡くなり方にコロナの怖さを実感させられました。写真で追悼です。

WOWOWで19日に映画「新聞記者」がテレビ初放送と先日のブログで書きながら、テレビで見た映画のことを思い出しました。今から30年ほど前といえば1990年代、私の40代後半です。ロバート・デ・ニーロクリストファー・ウォーケンメリル・ストリープの「ディアハンター」やロバート・レッドフォードバーブラ・ストライサンドの「追憶」(これは70年代の映画)そしてダニエル・デイ=ルイスジュリエット・ビノシュの「存在の耐えられない軽さ」。どれも長い時間の物語(時代)に男女の物語(個人)が絡んで叙事詩的な映画になっていました。日本でこういうジャンルに匹敵する作品があるかと思ってみたのですが、「二十四の瞳」あたりでしょうか。私が見ている日本映画がそもそも少ないのが問題ですが。

◆いつもあんまり見ないバラエティ番組を見ながら何かしていました。7月2日のTBS系の『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』と言う番組で「ドリームアーチェリー」と言う新企画でした。バラエティ番組は私は”ながら見”です。新聞を見ながらテレビを見たり、パソコンをチェックしながらテレビもつけているという。この時もそうでした。その内、テレビから目が離せなくなりました。綾野剛さんが弓で矢を放って10mほど先の的、回転していたり、遮蔽物が左右に動いてその間隙を縫って射貫くという。一般視聴者の願いを背負って矢を放つのでそのプレッシャーたるや生半可なものではないというゲームでした。

なぜ「ながら見」で済まなくなったかと言うと、綾野剛さんの夢を託す視聴者への語り掛けと、その夢の実現を背負って挑む真剣さに撃たれたのですね。4組目は小学生の魚の好きな男の子が最近の海の汚れに魚が苦しんでいるのを知って海の掃除道具を揃えたいという夢でした。綾野さんは先ず男の子の夢に感心します、偉いんだな~と。そしてぜひ叶えてあげたいと難度が高くなった的に向けて一度目は失敗。二度目で成功。男の子が飛び上がって喜んでいるのを見て綾野さんもホッとした様子。

最後は「新型コロナウイルス感染拡大の影響でインターハイが中止になり、演技を披露する場所がほしい」という男子新体操部の高校生たち。飛び切りの難関が用意されていて極度の緊張状態の中、僅かの隙間を縫って吸い込まれるように的のど真ん中に。2度目で見事射貫いた後は緊張から解かれた綾野さんは涙を浮かべていました。最後のコメントも良かったです。「誰かの夢のために頑張るってことはプレッシャーではあるが、こんなに力になるなんて、これがテレビの原点だということを思い出しました」。綾野剛さんのことを「人たらし」と呼ぶ人がいるそうですが、一端が垣間見える番組でした。テレビは良くも悪くも人間性が分かりますね。

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綾野剛という俳優さんを知ったのはNHKの朝の連続テレビ小説でコシノ親娘を描いたドラマ「カーネーション」でした。このドラマ、「ファッションデザイナーとして活躍するコシノヒロコ・ジュンコ・ミチコの「コシノ3姉妹」を育て上げ、自らも晩年同じ職で活躍し、2006年に死去した小篠綾子の生涯を実話に基づくフィクションストーリーにして描いたもの」で、小篠綾子を演じたのは尾野真千子さんでした。その(尾野)綾子さんが子育ても終わった頃、心惹かれる男(紳士服職人)を演じたのが綾野剛さんでした。暗い影のある不思議な雰囲気をもった役柄を見事に演じた俳優さんで名前を覚えました。

尾野真千子さんの名前が出てこない(いつもの”ど忘れ”)のでWkipediaで調べたら、このドラマ、凄く評価されていたドラマだったのですね。映画評論家の町山智浩、説明的な描写に頼らない脚本・演出や登場人物の複雑な内面に言及し、「ほとんど文芸作品」と表現。数ある朝ドラの傑作の中でも本作を「一番の最高傑作」と評しているんだとか。確かに良かった。2011年(あの東日本大震災の年)の後半の大阪製作ドラマで、ギャラクシー賞のテレビ部門大賞、第72回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の最優秀作品賞の、主演女優賞(尾野真千子ザテレビジョン特別賞(夏木マリ小篠綾子の晩年を演じた)を取っています。

 その後、綾野剛さんはNHKで単発のドラマの主役を演じたり、映画やドラマでの活躍は知っていましたが、今回、コロナの為スタートが遅れた春の連続ドラマが6月末から始まりました。

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◆◆◆「MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)」という架空の刑事もの、脚本は野木亜紀子。事件の初動捜査を担当する機動隊捜査隊員の知性/理性派が星野源、体育会系?で足の速い綾野剛とバディ(相棒・仲間)を組んで・・・というドラマですが、いつものクールさとかけ離れた”やんちゃ”な綾野剛も魅力的です。もう一組、キャリアで上から目線の新米の岡田健史とベテランの橋本じゅん、上司の隊長に麻生久美子

第2回ではゲスト出演が松下洸平、逃げる犯人役(前回のNHK朝ドラで好演でしたが、今回も良かったです)、無実なのかどうなのか… 息子を自殺で亡くした父親役に鶴見辰吾。周りの人たちみんなの「無実を信じたい」と言う思いと現実。なかなか見ごたえがありました。

10日金曜日の第3回では、ある高校の陸上部の廃部を巡って高校生がいたずら通報で追っかけてくる警察を撒いて逃げ切ったら勝と言う愉快犯の事件。高校生の一人に、映画「蜜蜂と遠雷」でデビュー当時のピアニスト、キーシンくんによく似た最年少の天才ピアニストを演じた鈴鹿央士が出演していました。事件は解決したかに見えたのに、逃げた一人の前に現れた穴の開いた薬物を手にした先輩はなんと菅田将暉!?一話完結じゃなかったの?それとも、これで終わり?なワケなさそう・・・

◆よく似たドラマに「未満警察」が。警察学校の学生二人に、ジャニーズの中島健人平野紫耀の人気者バディ。警察官未満の半年ということですね。一回見たらもういいかと思っていたのですが、上白石萌音さんが出る回は、年間一万人近くの女性が行方不明になる、その内何割かは探す家族がいない行方不明者。海外の富裕層に売られていくという。その一人を萌音さんが演じていました。事実なんだろうかと思いながら見ることに。11日の土曜日はその後半。最後は逃げ出せず、どうなる事かでしたが、二人の大活躍で無事助かることに。警察学校では退学は免れたものの罰で清掃。そこへ萌音さんがお礼にと言うシーンで終わっていました。

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◆◆火曜ドラマ(毎日放送・TBS系)の「私の家政婦ナギサさん」。主演の家事は苦手だけどバリバリ仕事をする女性に多部未華子。家政夫は大森南朋。ライバル社員に瀬戸康史。母親に草刈民代。快調な出だし。多部未華子さんも深田恭子綾瀬はるかに続く女優さんになってきました。

◆水曜ドラマ(読売テレビ・日テレ)の「ハケンの品格」。前回からもう13年も経ったというのが信じられませんが、13年前だったのですね。派遣社員と正社員の問題を取り上げて仕事の出来る派遣のカッコイイ決め台詞や定時で帰りますは痛快でした。13年経って、あのままいけるのか・・・心配でしたが、ちょっと厳しいスタートでしたね。大泉洋小泉孝太郎が抜けると篠原涼子さんだけでは持たない感じで。13年で経済や労働環境が変わってしまっています。続編をという企画の段階で失敗?かも。コロナで数か月が空白にされたことを大前さんが翻すマントが示しています。4月スタートだとこれで良かったのですが、今は梅雨も後半、真夏日もある7月です。このドラマだけでなく、刑事もの警察ものでもコートやジャンパーを羽織ったりしていますから、皆コロナの影響を受けています。

◆◆忘れていました、木曜日、ボディガードの木村拓哉斎藤工がバディになる「BG~身辺警護人~」もありました。見ればさすがの安定感なんですが、先週は見逃していましたね。「探偵・由利麟太郎」もありました、吉川晃司と志尊淳。これも一回だけですが見ました。NHK朝ドラ「エール」と大河ドラマ明智光秀はまだお休みですし、コロナ禍がドラマに及ぼす影響を感じながら・・・ざ~っとスタート遅れの連ドラ春クールのドラマを並べてみました。

◆◆◆コロナの影響といえば人気連ドラの日曜再放送も続いています。”ドラマのTBS”の毎日放送が多いですね。まず終わってしまいましたが去年私もハマってしまったドラマ深田恭子の「初めて恋をした日に読む話」(脚本は吉澤智子)。これで又「ゆりゆり」の横浜流星ファンが増えたとか。

その後「逃げるは恥だが役に立つ」(新垣結衣星野源、脚本は野木亜希子)、そして25年も前のドラマ「愛していると言ってくれ」(豊川悦司常盤貴子)。次回で公開当時28%超の視聴率だったと言う最終回を迎えます。常盤貴子の心の揺れ動きが丁寧に描かれていて魅せますね。ドラマの題名「愛していると言ってくれ」の意味がやっと分かってくるようになりました。トヨエツ演じる画家は聾ではあっても唖ではなかったのですね。10話だったか、言ってはならないセリフが出たと思っていました。ところがこのお話、常盤貴子側での成長物語かと思っていましたが、障害を持つトヨエツ側にも乗り越える勇気を求める物語だったとは驚き感心しました。脚本は北川悦吏子。評判のよかったNHK朝ドラ「半分、青い。」も北川悦吏子さんの脚本。

 北川悦吏子氏 トヨエツと“死闘”「物語は時を超える」名作「愛していると言ってくれ」特別版で“復活”― スポニチ Sponichi Annex 芸能