映画「天外者」/年末と新春ドラマ・連続ドラマなど

★暮れの29日、三浦春馬さんの最後の映画ということで「天外者(てんがらもん)」を観ました。

2015年の朝の連続テレビ小説「あさが来た」、波留さんが銀行や生命保険業に企業経営者、また日本初の女子大の設立もした実在の人物を演じていました。このドラマ、良かったですね。玉木宏さんが趣味に生きて妻を支える夫を好演。清原伽耶さんも女中役でデビュー、光っていました。そしてディーン・フジオカが演じた五代友厚が「五代様」と大評判。五代友厚は大阪の経済界の恩人ともいえる人物だとその時知りました。その五代友厚三浦春馬さんが演じた最後の映画。「天外者(てんがらもん)」とは、「凄絶な才能の持ち主という薩摩での誉め言葉。お利口で感心な子どもを母親は愛情をこめてこう呼んだ」そうです。

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監督は「利休にたずねよ」の田中光俊、脚本は大河ドラマ天地人」「花燃ゆ」、映画「利休にたずねよ」などの小松江里子。記念にプログラムを購入。7年前に立ち上げた「五代友厚プロジェクト」の代表(政策総指揮 )の廣田稔(弁護士)氏の「『天外者』の公開に感謝して」から、五代友厚について書かれた個所を引用です:

 五代さんは幕末に薩摩藩士の子に生まれ、才能あふれる若者で、長崎遊学を経て、英国留学で多くの知見を得、帰国後明治政府では大坂で活躍、退官後は鉱山開発、貿易業のほか大阪造幣局、大阪商業講習所(現大阪市立大学)、大阪株式取引所、大阪商法会議所、阪堺鉄道(現南海電車)等の設立に関与して、明治初期の大阪経済産業界をまとめ上げた人です。

同時代を生きた坂本龍馬を三浦翔平。岩崎弥太郎西川貴教伊藤博文を森永遥希の若手が演じました。蓮佛美沙子が演じた五代友厚の妻、豊子(1851~1892)は奈良出身。実子はいなかったそうですが4女2男を育て、49歳で亡くなった夫友厚の残した借金100万円(現在価値数十億円)を遺族と共に18年かけて完済したそうです。

☆五代が大倉重信に宛てた手紙の中に遺した心得。今読んでほしい人が沢山いますね。

上に立つ者の心得

一、愚説異論だろうとキチンと最後まで聞いてあげること。

二、自分より地位の低いものが自分と同じ意見なら、

  その人の意見として採用すること。手柄は部下に譲ること。

三、頭にきても怒気怒声を発しないこと。

四、事務上の決断は部下の話が煮詰まってからすること。

五、自分が嫌がっている人にも積極的に交際を広めること。

この映画、最後にメイキング映像が流れます。映画のクライマックスシーンでもあった大阪の経済人を前に五代が演説するシーン(↓の写真)の撮影に入る前、三浦春馬さんが共演者やエキストラの前に立って挨拶していました。そしてスクリーンに追悼の言葉が。客席の前の方から拍手も起こりました。こんな内容と生き様を見事に演じていて、それでも自死を選んだ三浦春馬さん、残念でなりません。

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★12月28~30日、NHKの3夜連続ドラマ「 岸辺露伴は動かない」 

ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名傑作漫画を映像化!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件に、相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を使って挑む姿を描く!

一昨年公開の映画「いなくなれ群青 」で悲観主義の七草(横浜流星)の幼馴染の同級生だった『真っ直ぐで、正しく、凛々しい』真辺由宇を演じた飯豊まりえさんがとても良かったです。高橋一生演じる漫画家露伴の作品を受け取りに来る出版社の女性編集者を演じていました。一寸常軌を逸した天然ゴーイングマイウェイぶりが面白くて堂々の演技でした。劇中の衣装もフリルやパフスリーブの少しレトロなファッション。それに露伴先生の家が高橋一生さんが「スイッチインタビュー」で紹介していた旧邸でレトロ感がばっちり。お話は3日目の最終話、もう一人の登場人物、中村倫也演じる写真家の記憶喪失を巡るお話が一番良かった。

NHK、1月2日、正月時代劇「ライジン若冲・天才かく覚醒せり

中村七之助若冲、プロデューサー的存在の 相国寺僧侶大典を永山瑛太、丸山応挙を中川大志池大雅大東駿介、同じく絵師の妻を大河ドラマでも大活躍の門脇麦、路上で茶を点てる謎の仙人売茶翁を石橋蓮司。皆さん好演でしたが、一番は目も鮮やかな若冲描くところの絵そのものでした。何年か前にNHK伊藤若冲の代表作「動植彩絵」の描法を科学的に徹底的に調べるという番組をやっていましたが、あの時の成果がドラマにも生きているように思ったり。

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MBS(TBS) 1月2日「逃げるは恥だが役に立つガンバレ人類!新春スペシャル!

海野なつみ原作、野木亜希子脚本。今回は出産を巡るあたふたです。初めての妊娠を機に二人は正式に結婚。入籍を巡るひと悶着。それぞれの職場で育休を取ることを巡る問題。そして家事の分担。いよいよ出産に育児。その上、新型ウィルスのコロナ禍、みくりは赤ちゃんを連れて千葉の館山の実家へ。離れ離れの暮らしのなかでやっとハグできる日を迎える二人+一人。

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2019年から2020年がドラマになっています。最後の映像はオンラインで仲間が繋がっていることを示すパソコン画面です。【「おかえり」「ただいま」 そういい合える毎日をー  触れ合える この距離をー どうかこれからも末永く】というメッセージが「恋」ダンスとともに。みくりの友人を演じている真野恵里菜さんはスペインのマドリッドから参加です。結婚相手がスペインのサッカーチーム所属の柴崎岳さん。

真野恵里菜さん関連で:「新聞記者」の藤井道人監督の18年12月公開の映画「青の帰り道」では7人の青春群像の10年の痛烈な物語、その中で真野さんは主役級、群像の一人にブレイク前の横浜流星、森永遥希さんも。同年3月BSフジ(19年地上波再放送)の連続ドラマ、野島伸司脚本の「彼氏をローンで買いました」でもエリート彼氏と結婚して専業主婦になるという夢を持つ主人公を演じていて、相手役の借金が返せなくて値札をつけて売られる男は横浜流星さん。野島伸司氏、エッジの効いたせりふ満載 『彼氏をローンで買いました』特報映像 | ORICON NEWS

★カンテレ(フジテレビ)1月3~4日 の「教場Ⅱ(前、後編)」は、木村拓哉演じる警察学校教官の厳しい指導に必死でついてく生徒たちを描いたドラマ。去年評判が良くて続編でしたが、私は去年ほどではなかった。濱田岳上白石萌歌共演。

☆木曜日の朝日新聞に「視聴率ランキング」が掲載されます。14日には<12/28~1/3>のランキング(20位)が発表されました。一位は紅白歌合戦で39.3、あとはバラエティ番組やニュース番組、ゆく年くる年箱根駅伝レコード大賞、など。ドラマで入っているのは2本だけ。木村拓哉の「教場Ⅱ(前編)」が15.5で11 位、「逃げはじ新春スペシャル」で14.6(13位)でした。

★1月9日カンテレ(フジ)の土曜プレミアム三谷幸喜監督「記憶にございません

中井貴一演じる記憶喪失の総理大臣。頭を打って政治家としての正気?を取り戻すという『お伽話』ですが、社会科の先生を呼んで政治の勉強からやり直す場面もあって秘書の二人小池栄子ディーン・フジオカもいい人で本当に面白い。皮肉が効いていますが、全て丸く収まってお正月に見る映画として楽しい映画でした。願わくば映画よ、現実になっておくれ!という初夢をみたような。

NHKの1月16日 スタートの土曜の夜ドラ「ここは今から倫理です。

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主演の倫理教師は山田裕貴さん。原作は天瀬シオリのマンガとか。脚本は「アニメ界でも活躍する劇作家高羽彩」と言う方。

先生と生徒の学園ドラマですが、倫理、哲学、人間の心という視点が斬新。初回、見ましたが、とても楽しみ。高校三年から選択できる倫理の教室、一回目の授業が始まる。冒頭、倫理は実用性はない、必要とされるのは死が近づいた時と説く倫理教師高柳。いろんな問題を抱えた思春期の生徒たちをミステリアスな教師が生徒に寄り添い共に考えながら導いていく様子が描かれていきます。

NHK大河ドラマ麒麟がくる」は大河史上?初めての越年です。夏にコロナの為3か月のお休みがありました。長谷川博己明智光秀と染川翔太の織田信長、どちらも力のこもった演技で見応えがあります。門脇麦さんも創作上の人物ですが頑張っています。少しずつ光秀が信長のやり方についていけないという感じでいよいよ本能寺の予感が。但し光秀のカツラというかヘヤースタイルと衣装の素材は時代劇として違和感あり。

★同じくNHK朝の連続テレビ小説おちょやん」もコロナの影響でスタートが遅れましたが、快調。主演の杉咲花さんは期待通りの元気な千代(モデルは浪花千栄子)を好演。チョット飛ばし過ぎ?かも。先週は一座の座長、千代の最初の演技の師匠・山村千鳥役の若村真由美さん、誰をも寄せ付けない激しさ冷たさとその裏の孤独、さすがでした。浪花千栄子さんと言えばNHKラジオで花菱アチャコの「お父さんはお人好し」のお母さん役がありましたね。こんな話が通じるのは70代以上の高齢者しかいないですね。

新・朝ドラ『おちょやん』のモデル、浪花千栄子ってどんな人? 自伝で明かした波乱万丈人生 (msn.com)