ETV特集「すべての子どもに学ぶ場を」(可児市の外国人不就学ゼロ)と「のだめカンタービレ」ほか

🔲ETV特集「すべての子どもに学ぶ場を~ある中学校と外国人生徒の歳月」(8月29日(土)夜11時~0:00)

 「選」となっているので今まで放送された中から選ばれたもののようです。私は録画して31日に見ました。日本の一地方でこんな息の長い素晴らしい取り組みがなされているの かと先生の努力に驚いたのと、ある男の子のエピソードにとてもハッピーになれました。子どもの学びたいに応える大人がいたからこそですが、こんな幸せな出会いが教育の現場にあるということが本当に嬉しい。見終えてだれもが悲しい思いから少し幸せになれる番組です。

2018年4月8日、岐阜県可児(かに)市立楚南(そなん)中学校の入学式から始まります。2019年4月、改正入国管理法が施行され、新たな法律の下外国人労働力の受け入れ拡大が。しかし、義務教育から零れ落ちる未就学が問題となっている。そんな中、14年連続”不就学ゼロ”、地域のすべての外国人生徒に教育の機会を保障してきた市がある。木曽川のほとり、人口十万、東海1の工業団地、可児市だ。

90年代から、日系ブラジル人、フィリピン人、が自動車関連工場で派遣社員として働き始めて人工の10%が外国人。そのころ、学校になじめず、締め出される子どもたちが続出 、それから20年、今では、専用の教育施設「バラ教室」で小1から中3まで全員来日間もない子が3か月通って掃除とか給食など日本の習慣を学んだあと学校へ。

「バラ」卒業後は原則2年の「国際教室」が支える。国語・英語・数学(算数)の3科目を外国人だけで授業、通訳も付く。 生徒指導主任の竹内幸正さん、毎朝登校できていない子どもを学校が独自に雇った4人の通訳が電話で確認、連絡が取れない子どもには家庭訪問で困ったことがないか、ご飯はちゃんと食べられいるか確認している。

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20年前は、こういった生徒たちは「先生のお荷物。彼らがいることで日本の子どもたちの勉強の妨げになる」と当時の校長先生も考えていた。

憲法26条では、すべての国民は子どもに教育を受けさせる義務があるとなっている。しかし、国は外国人の就学義務は対象外という解釈だった。一方、1989年、国連では「子どもの権利条約」が採択され、条約では「国籍に関係なく教育を受ける権利」を認めている。日本は1994年に批准国は具体策を打ち出さず、対応を自治体任せに

ほとんど学校を行かないまま終わったホドリゴさん。暴走族に入り、万引き、暴行などの非行を繰り返し、日本語を初めて習ったのも少年院。11歳で、夫と別れ日本で働く母マサさんを追いかけて独りでやってきた。90年代、日系人家族に在留が認められたため。背景にあったのは深刻な人手不足。6時から夜10時まで働いて月収25万円、残業、残業。頼れる大人がいないホドリゴさんは毎日昼間一人。電子レンジで温めたピザを食べる。「お母ちゃんは忙しくて一緒におることは出来んかったです」。ホドリゴさんの周りには学校に行けない人が集まって地域から問題視される。

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各務真弓さん。当時日本語教室の運営に携わっていた。「同じ日本で同じ地域に暮らす子どもなのにこんなに違いがあるのか。ストリートチルドレンにはしたくない」と実情を調べようとアンケート。しかし、反応なく、困っているところへ

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・2003年、助っ人現る。阪大院生で社会調査の専門家である小島祥美(よしみ)さん。

阪神淡路大震災を経験、外国人の子どもの不就学で、学校を辞める最大の理由は経済問題。調査して聞くと、働くしかない、妹や弟の為にという途上国で聞いているような子どもの声かと思うような・・・この教育問題を解決したいと思っていた。

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・そして、もう一人、可児市まちづくり推進課長(当時)の亀井和紀さん。

2003年、日本で初めての「外国人の子どもの教育環境に関する実態調査」がスタート

2人は市内の外国人家庭を一軒一軒訪問して親子から直接話を聞いて回った。「みんな待ってましただった。彼らは夢とか希望っていう言葉が凄く嫌いでした。本当に胸が痛む話ばかり。その中で出会ったのがホドリゴ母子でした。」

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「あの先生ね。外国人のこと気にするもので。スゴイいい人。なんでそこまでうちらのこと頑張るけんね。俺らもすごいうれしいもんで」

ホドリゴさんの身の上話を聞いた小島さんは中学校を訪問。外国人の意欲を制限するような学校運営を改めるよう直談判に出向いた。

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当時の林伍彦校長「40人の中学校生活なんとかしてよ。そんなこと一杯いろいろ言いました。彼女が来て、初めは一杯要求する人だな~と思った。」

小島:「学校はどんだけ大変か、お前わかってるか」と言われた、「わかってるつもりです」と言ったら「だったらその方の苦しさもよく見て解ってから報告しろ。毎日来たいんだったら毎日来てもいいぞと言われた」

二人の押し問答が続いていた頃、林さんは思いがけない体験をすることに。

「彼と出会ったのはあの校門でした。その日来ていたのは既に卒業していたホドリゴさん。校門で女子生徒をからかっていた。いつものように追い払おうとすると、その口から意外な言葉が飛び出した。

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校長先生、ぼくに日本語を教えてくれない?」

「そう言ったんですよ。もう一遍、勉強したいといったので、なに?これ? 卒業したのに。彼が日本語も分からないままに卒業してしまったのか…と思いましたね。二人目、三人目のホドリゴ君をつくらない。その為に何をしたらよいかを考えました」。

考えを改めた林さんが小島さんと協力して考えだしたのが三教科を学ぶ「国際教室」でした。学校になじめない外国人生徒が安心して基礎から学べる場所を作ったのです。

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2004年、小島さんたちの調査の結果、深刻な現実を教育委員会は重く受け止めた。

可児市役所教育委員会(当時)の小藤三雄さん:「小島さんの調査は外国籍の子どもの叫び声、そう言ったものが如実に出ていたので、それを知ることで私たちも学校教育課として支援することは何か考えるようになったのです。」

この年可児市の外国人の不就学ゼロをめざすと宣言。現在可児市は年間8000万円の独自予算を組んでいる。卒業生が地元で就職していくのが見えてきた。

勉強したいの一言で切っ掛けを作った塩野ホドリゴさん、今では 従業員13人が働く解体会社の社長。会社の年商5700万円、従業員全員同じように日本で育った日系ブラジル人。「今引っ張れんかったら若い人がメシ食えなくなる。家族もメシ食えんかったら、じゃ、何する、となると悪いことをする。やっぱりガイ人だってことになる。そういうことをみせたくないから・・・」

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可児市に来て20年、ホドリゴさんは将来もブラジルに帰るつもりはないと言います。

「 0574て何ですか? ここの電話番号(可児市の市外局番)。そこまで地元愛してる。ここ俺ら育った町、ブラジル人もいっぱいおるし日本人もいるし、未来があるし、ここにおる。俺、ここに懸けた、ここから離れん」。

自分を振り返り、蘇南中の後輩たちに贈る歌:(ラップ調で)

  楚南中学 毎日学校

  日本語は全く喋れない

  このクソって言われた

  クソガイジンだ

  でも いま育ち 男になったんだ

  なめんな俺たちはガイジン

  ちゃんとした人間

  宇宙人と一緒にすんな

  そしてできたこの仲間

  いじめられたヤツら強くなれ

  いつかおまえ勝つぜ

  これが0574ファミリー

  可児 美濃加茂 よろしく

 

可児市に遅れること16年、去年、国は初めて外国人の子ども就学調査をした

「2019年文科省 外国人子供の就学状況等調査」16%、2万人が未就学。

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文科省担当課長の三好圭さん「可児市の場合ですと就学を促していく取り組みもしっかり出来ていると思っております。そういった取り組みが他の地域ではまだ不十分。それには人の問題とか体制の問題とか、色んな課題がある。そういったことも今文科省の中で様々なレベルで議論していますので、そういった先進的事例も踏まえて全国展開というもをどの様に図っていくか考えたい

◎以上ホドリゴさん関連の部分を書き出してみました。思うに、これは人と人の想い・善意の連鎖、バトンタッチのなせる業。結局、人の心の動き、感受性の問題。何を美しいと思い、何を憎み、何を意気に感じ、何を善とし何を悪となすか・・・それぞれの立場にある大人が精一杯の働きをする。こんないいお話が日本にあると思うと嬉しいです・・・・

◎ 「僕に日本語教えてくれない?」どこかで聞いたと思ったら去年のドラマ「初めて恋をした日に読む話」の第一話で底辺高校の不良学生・由利匡平が塾講師の春見順子に言う「僕を東大に入れてくんない?」でした。学ぶ意欲が本人にある場合、教える教師は教師冥利に尽きるでしょうね。片やドラマ、片やドラマのような現実ですが、教育、或いは学びがもたらす蛹から蝶への変化のような劇的な人間的成長はウソごとではないという素晴らしい実例。

 

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 🔲8月27日(木)夜10時半~11:15

NHK総合世界はほしいモノにあふれてる~JAPAN! 究極の”台所用品”」

 この番組が三浦春馬さん生前収録の最後の番組だったようです。「世界の中に日本も含まれるのだから日本のほしいモノも取り上げてほしい」と三浦さんが言って日本の名品も番組に登場するようになったとか。目じりにしわを寄せた笑顔になると本当にかわいい三浦春馬さん。今夜が三浦さん出演最後のありがとう番組。2年半の総集編かな。

🔲 上野樹里玉木宏のだめカンタービレ」6年ぶり地上波で放送決定 

9月9日、大阪では月曜から金曜の15:50~、カンテレで放送開始です。

#のだめカンタービレ ▼写真・記事詳細はこちら
上野樹里玉木宏のだめカンタービレ」6年ぶり地上波で放送決定 - モデルプレス
女優の上野樹里と俳優の玉木宏が主演を務め、社会現象を巻き起こした伝説のフジテレビ系月9ドラマ『のだめカンタービレ』(2006年10月~12月)が、このたび6年ぶりに地上波送されることが決定した。

 

ttps://mdpr.jp/news/2205185 

🔲火曜日は「私の家政夫ナギサさん」の最終回でした。まさか本当に「私の家政 夫のナギサさん」になるとは! 4日間のトライアル結婚から結婚へ。20歳年上の男性と、仕事は女性、家事は男性。今からもう20年ほども前のこと、ヨガで聞いた話でしたが、妻がキャリアウーマンで転勤のため夫である男性が仕事を辞めて東京へというケース。 当時では本当に珍しいと思いましたが、今ではドラマになるほど!(まだ珍しい?)。結婚に年齢差は関係なし仕事と家事の男女による分担は自由だというお話ですが、いいことだと思います。好評なので?来週は2時間の番外編があるようです。最終場面の近くで同じTBSの金曜ドラマ「MIU404」の警察車両メロンパン号が登場、突然でビックリ!でした。こちらも最終回を明日の金曜日迎えます。