今日は5月5日、端午の節句、こどもの日です。
朝から雨が降っていますが、青空にこいのぼりのイラストを
♪ い~ら~か~の波の なか空を た~か~く泳ぐや こいのぼり♩
◎松坂桃李さんのNHKの土曜ドラマの次の日の朝のことでした。ワクチンの件で話があ ってSさんと電話で話していて、昨日のドラマ見た?という話になり、あれって現実よね~と言う話に。4月スタートの番組の中でダントツに面白いドラマ(「カーネーション」の脚本家・渡辺あや脚本)ですが、その2話でした。大学の研究室の非正規のポスドク・みのり(鈴木杏)は教授の不正論文の告発はしたけれど、大学当局の巻き返しと調査に当たる教授の寝返りで結局一人孤立し、不正は隠蔽され、何一つ変わらず、告発した自分だけが仕事を失って・・・という。
その日は「報道特集」で森友問題で自殺した赤木俊夫さんと妻の雅子さんが取り上げられていました。どうしても、ドラマのみのりと赤木俊夫さんが重なります。
2人で、あの結末が現実よね~告発したけれど世の中は変わらず、告発者の方が職を追われる。森友でも改ざんの実行をした末端の赤木さんにすべてを被せて一斉に逃げる、事の重大さに責任を感じる普通の正常な者が最後には精神的にも追い詰められて命を絶つまでになる。あのドラマは現実よね、スゴイよねという話に。
こんなことがあった翌日のブログ「特別な1日」さんでもこのドラマが取り上げられていました。
NHKドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(第2話)と映画『ブータン 山の教室』 - 特別な1日 (hatenablog.com)
『人は誰しも弱いしさ、みんな自分の立場を守りたいもの。理事だって理事の立場もあるんだしさ。』
と、大学の上層部を庇う主人公に対して、不正を内部告発したポスドクの女性は穏やかに言葉を返します。『あの人たちは自分のことを弱い、と思ってないと思うんだよね』
『権力を持ってるから強い、と思っている。強いから間違うわけない、って思ってる。そんな気がしない?』
◎私は、ドラマと報道特集の森友問題で、もう一人共通する人物に関心がありました。ドラマでは国広富之さんが演じていた気の弱い教授です。みのりが告発した後大学の調査委員会の会長になって改竄の実態を暴くことを約束し事件の真相究明を託された人物です。しかし、その教授は、大学側のプレッシャーを受け余りの荷の重さに病に倒れ、そして・・・・
この人物と森友問題で赤木敏夫さんの直属の上司で、雅子さんに改竄の経緯を記したファイルの存在を明かした池田靖氏が重なります。
この日の報道特集では、赤木俊夫さんの妻に一周忌の弔問でファイルの存在を明かしたこの池田靖氏を取り上げていました。雅子さんは国に対して起こした裁判の中でこのファイルの提出を求めていて、裁判所の要請に対して国は5月6日までに回答するとしています。
金平キャスターは路上で池田氏にマイクを向けて迫っていました。迫られる池田氏を見ながらなぜか私は池田氏の立場を思いやってしまいます。知っていることを洗いざらい言ってしまえば楽だけど、言えばこの人はファイルの存在を認めない政府に歯向かうことになり仕事を失うことになるだろう。定年まで何年かの収入と退職金を捨てて、家族のために新たな仕事を探して・・・そこまで踏み切れるか。あるいは勇気を出して正直にファイルの存在を公にして洗いざらい話すか、もし、財務省当局が仕返し人事をするようなら、その時は世論が許さないという事態になるかもしれないし・・・
突きつけられるマイクの先の池田氏、胸の内の葛藤に心なしかマスクの上の目が潤んでいるようにも見え、このまま無言を貫くのかと思いましたが・・・金平氏が、雅子さんんの「池田さんには真摯に対応していただいた」という言葉を伝えたことで、やっと言葉が返ってきました。「真摯につとめました」「弔問でしたし」「思っていることは故人の尊厳を守る事です」と。それ以外は言葉を飲み込むようにして無言でした。
一方の雅子さんは、金平氏の質問に「池田さんには感謝しかありません。総てを言ってほしいけれど、決めるのは池田さんです。話すか話さないかは池田さんに委(ゆだ)ねます」と。
◎Sさんとの電話でもこんな話になりました。全てを明かしてほしい、職を失ったら貴方の生活の面倒は見ますぐらいの支援がないと難しいね・・・すべては、佐川氏よね。佐川氏がウソを言わなければ、首相のウソを忖度して国会で話した嘘の答弁が始まり。近畿財務局はそのウソに合わせて改竄を指示し、改竄を命じられた者がこんなにも苦しんで命を絶つまでに・・・佐川氏こそ法によって裁かれるべき。黒澤明監督の映画にありましたね、「悪い奴ほどよく眠る」が未だ繰り返されています。
とここまで書いて、今朝の新聞のトップは
国が赤木ファイルの存在を認めるという見出し!でした。よかった!!赤木さんは亡くなりましたが、ドラマとは違う結果を生み出したいですね!
◎さて、ドラマの国広富之さんが演じた教授は、病気が治って、みのりの話によると大学側の研究費増額の提案を呑んで寝返ってしまいました。大学側による一件落着です。あるよな~という話です。
自分がもし告発したみのりの立場なら、もし、教授の立場なら、赤木俊夫さんの立場なら、妻の雅子さんの立場なら、上司の池田さんの立場なら、と考えずにはおられません。
池田靖は、赤木さんの1周忌に赤木さんの妻を訪問した際に、森友学園への国有地の売却に関する値引き交渉の異常性を告発し、赤木さんが遺した決裁文書改ざんの経緯について詳しく記したファイルの存在を明らかにしました。
そのファイルは、赤木さんと池田氏で相談のうえ、検察に提出されました。