昨夕の「素粒子」欄と山田洋次監督「キネマの神様」

ピントが合っていませんがオミナエシ(女郎花)と

春に次いで2度目。ツルバラのカクテルも咲き出して……

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◎昨日の朝日新聞夕刊の「素粒子」です。アフガニスタンの大使館員。五輪開催を止められない政府や組織委を戦争中の撤退できない軍部や政府にたとえられますが、今度はまるで満蒙開拓団の日本人を置き去りに逃げた関東軍です。それにしてもアフガニスタン人の協力者に家族同伴を認めない日本って非情ですね、お前は助けるが家族は置いて行けって言われた者の気持ち想像できないのかしら:

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◎月曜日、夫を誘って山田洋次監督の映画「キネマの神様」を見に映画館へ。いつもなら歩いて丁度良い距離なので歩くのですが、さすがの炎天下、車で行くことに。12時40分開始。50人ほどの座席を隣の席を空けて半分使って満席ぐらい。いつものようにカメラで入口のポスターを:(6日公開でしたのでもう4週目、1日1回になっていました)

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この映画の原作は原田マハ「キネマの神様」。昨年3月1日にクランクイン、撮影が半分を終えた3月末にダブル主演を務めるはずだった志村けんさんがコロナにより亡くなられました。ほどなく緊急事態宣言が出され、撮影も中断。撮影休止中に山田監督が脚本を再考、その後撮影再開となり、完成。ダブル主演の一人は志村けんさんの遺志を継ぐ沢田研二さんに。もう一人は若手で人気、実力を備えた菅田将暉さん。松竹映画100年を記念する映画、ということです。(公式サイトより)

『キネマの神様』あらすじ

ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」———。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて撮影所で働く仲間だった。

若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシン(野田洋次郎)とともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。

半世紀後の2020 年。あの日の「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。

これは“映画の神様”を信じ続けた男とその家族に起きる奇跡の物語。

俳優・野田洋次郎の魅力:“圧倒的表現者”としての姿を紐解く (2021年8月18日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)

見終わって、山田監督の映画の中でも私は一番良かったと思いました。映画の半世紀を監督になりそこなった人物の家族史をからめて愛情込めて描いた映画でした。コロナ禍で映画館を閉めざるを得ない問題も最後には取り入れて。

なんと言っても78歳の主役を演じた沢田研二さん。芸達者です。志村けんさんにそっくりの場面もありました。こんな役も演れるのですね。歌は東村山音頭だけでした。

青年時代を演じた菅田将暉さん、映画館主の小林稔二さんの青年時代を演じた野田洋二郎さん、配役の妙、このお二人は雰囲気が年を隔てたソックリさんに見えました。宮本信子さん演じる淑子さんの若い頃を演じたのは永野芽衣さん。

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若手と年輩さんたちの演技が本当に巧かった。往年の日本映画の女優を演じた北川景子さんもまた飛び切り良かったです。あの当時の女優さん特有の話し方をそっくりマスターしてそのまま生き写しで存在しています。

最後はそのスクリーンから・・・と、ここからは見てのお楽しみで・・・

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映画のクレジットが流れるバックで菅田将暉さんが野田洋次郎さんの曲を歌っています。(「うたかた歌」RADWINPS/野田洋次郎 作詞作曲、菅田将暉 歌)

この歌声も歌詞も本当にいいです。菅田将暉さん、テレビでよく聞いたドラえもんの映画の主題歌もとても良かったですが、多才な方ですね。

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前田旺史郎さん演じる引きこもりがちな孫の存在がお爺ちゃんを救います。

とにかく、家族の問題もからめながら、2020年代の今をこんな風に笑いと涙で描く山田洋次監督、健在どころか大活躍です。

私が夫を誘って夫も満足して見終わったのは久しぶりです。それに、誘ったとき、出がけに、夫が紛失して探し続けていたワクチンの接種済証が出てきました。紛失物探しはこの年になるととても気の重いことですので、見つかったのは本当にうれしいこと。それもあって、この日の映画鑑賞はとても良かったです。